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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・白主従が訣別
・ユフィが共犯者
・スザに酷い
・ルル開き直り
・カレンがモブ・・・;
・捏造満載

以上、同意できる方のみ↓へ・・・









「!・・・スザク、カレン。」

「ルルーシュ・・・君が・・・ゼロ?」

 神根島、バッタリと出会ってしまった4人はその場で固まった。仮面を外していたルルーシュに、スザクとカレンは目を丸く見開いている。

「・・・ルルーシュ・・・。」

 心配そうに見上げるユーフェミアに、ルルーシュは首を振った。

「残念だよ、ユフィ・・・このままうまくいくと思ったのに。」

「そう、ですね。」

 ユーフェミアは困ったようにスザクとカレンを見る。

「・・・あの、ここで見たこと全てを忘れることなんて、できませんか?」

「はっ!?」

「で、殿下!?」

 突然、ユーフェミアがそんなことを言い出したので、更にスザクとカレンは混乱する。

「ユフィ。」

 額に手を当て、ルルーシュが首を振る。

「だって・・・ここで忘れて貰えれば、何もなかったことになるでしょう?」

 可愛らしく小首を傾げ、ユーフェミアが笑うのに、ルルーシュはがっくりと肩を落とす。

「ユフィ、余計、話が混乱するから・・・。」

「駄目、ですか?・・・じゃあ、どうしたらいいでしょう。やっぱり、お姉様に言って。」

「ユフィ、あの人はダメだ。それに・・・。」

「そうでしたね、お姉様はシュナイゼルお兄様には逆らえませんものね。」

 ふぅ、と憂鬱そうに嘆息したユーフェミアに、スザクは目を丸くする。普段の姿を知っている筈なのに、自分は専任騎士なのに、彼女のこんな表情は知らない・・・。

「随分と驚いているが・・・カレン、我が紅蓮の騎士よ・・・仮面の下が“コレ”では納得しかねるか?」

 まずは、ルルーシュにとって籠絡しやすい方、カレンを説得にあたる。

「納得って・・・でも・・・。」

「君は気付いていた。でも“私”が誤魔化したために、その考えを捨てた。」

「それは。・・・じゃあ、あの世間を斜めに見るような物言いは・・・。」

「気付かれないためのブラフにすぎない。」

 ルルーシュの言葉に、カレンは身体から力を抜く。

「・・・私は“ゼロ”にこそ従う。・・・“ルルーシュ”ではないわ。」

「それで結構。」

 ニ、と笑うルルーシュに、カレンは歩み寄る。

「で、この皇女様についてはどんな説明をして下さるのですか?“ゼロ”。」

「ふむ。ここで見聞きしたことは・・・。」

 カレンは頷く。

「誰にも、口外はしません。」

「素直で結構。・・・彼女、ユーフェミア・リ・ブリタニアは、我が異母妹にあたる。そして、幼き頃からの共犯者。そういうことだ。」

 カレンはポカン、と口を開けた。いろいろと聞き捨てならない単語が混じっているのだが、この男は本気で言っているのだろうか?

「・・・ちょ、本気で・・・。」

「これが間違うことなき真実。・・・カレン、君は“私”の何だ?」

 一瞬、ほんの一瞬息を呑み、カレンは心を定めた。

「私は・・・“ゼロ”の親衛隊長。“ゼロ”にこそ従う、貴方の剣。」

 この答えに満足そうに頷き、ルルーシュはスザクの方を向く。

「さて・・・ユーフェミアの専任騎士、お前はどうする。お前の主は“私”の幼き頃からの盟友。今のブリタニアを根底から否定し、共に“優しい世界”を創ろうとする間柄。」

「スザク・・・貴方は散々“ゼロ”を否定してきました。それは、何も知らないが故の愚かさと言えましょう。でも、何の説明もしなかった私も悪かったのです。ですから、それは不問に致します。問題は。」

「問題はこれから・・・。さて、真正直なお前は、この“私”が友人であったとしても、主がその共犯者だとしても、お前の“正義”を貫き通すのか?」

 ユーフェミアの言葉を継ぎ、ルルーシュは未だに呆然とするスザクを見つめる。7年前の夏の出来事はルルーシュにとっても大切な一時であったことは間違いない、だが、今、目の前にいる友人は最悪の敵でもあるのだ。

 何度も何度も煮え湯を飲まされてきた“白兜”のパイロット、いや、その制作者の言葉を借りるなら、デヴァイサー、か。

「る、ルルーシュ、ユフィ・・・君達は一体何を・・・。」

「覚えていないのか、スザク。俺はお前に言った筈だ。“ブリタニアをぶっ壊す”とな。」

「それで“ゼロ”を、黒の騎士団を・・・そんなの・・・。」

「間違っている、と思うか?」

「それは、ブリタニア側から見た意見ですね。ですが、第三者的立場から見れば、当然の権利とも言えます。己の自由を勝ち取るために。規格から外れ、組織を利用できぬ者達は、こうするしか方法が無い。逆に、規格に囚われ、組織を利用するしかない者達は、その中であがくしかない。」

 ユーフェミアの言葉に、カレンは思わず、なるほど、と頷いた。それは正論だったからだ。

「俺は、規格から外れた者。・・・暗殺を免れるために真実の名を、身分を捨て、己を偽った。そのために、組織は利用できない。」

「私は、規格に囚われる者。・・・太い本国との繋がりを断ち切ることができず、常に視線を受ける立場にある。だからこそ、組織を最大限に利用するしかない。」

 ルルーシュとユーフェミアの吐露した言葉に、スザクは言葉を詰まらせた。2人の立場はわかっていたつもりだ。でもそれは所詮“つもり”でしかなかったのだ。

 2人がその立場をどのように思っていたのか、全く気付いていなかった。その環境の中でより良く過ごそうと、己の役割をしっかりと果たそうと、努力しているのだと、不満など一切見せない2人の仮面に、すっかり騙されていたのだと気付く。

「そんな・・・僕は・・・。」

「自分のために力を使わない。・・・お前はそう言った。でも、それと、己の正義のために力を使うことと、どこが違う?・・・結局、お前は中途半端なんだ。昔のお前の方が、筋が一本通っていた。なのに、一度の過ちを悔い、己の全てを変えてしまった。・・・お前の父が間違っていると断じたお前の覚悟はその程度だったのか?・・・その程度の覚悟で、お前はお前の父に刃向かったのか?」

「僕はっ!・・・そんな・・・殺す、つもりじゃっ!」

 がくりと膝をついたスザクを見つめ、ルルーシュは続けた。

「・・・俺は、父、皇帝に刃向かっている。それは並大抵の覚悟ではない。異母兄をこの手にかけた。それは、序章に過ぎない。ブリタニアを壊すとは、根底から壊すということだ。帝制も、貴族制も、何もかもをぶち壊す。そのために、多くの血を流す。それを受け止める覚悟もある。その罪も全て背負って、俺は、ブリタニアに反逆し続ける。」

「お姉様は私を大切にして下さる。・・・でも、それは、ご自身のお人形を大切にするような、そんな扱いでしかない。私を“1人の人間”として見て下さってはいないのです。でも、ルルーシュは違いました。私の“個”を認め、共犯者として認めて下さった。お父様のやり方は間違っている。ルルーシュやナナリーへの扱いも、酷すぎる。」

 眉を顰めたユーフェミアは、スザクを見降ろしながら続ける。

「お父様は、当時9歳と7歳の子供を、政治の道具にし、そして、その身の安全も図りもせずに、日本へと攻め込んだ・・・。どうして、それで、恨まずにいられると思いますか?・・・全てを察する頭脳があったルルーシュは、否応なく自分の立場をわかっていた。だから、じっと耐えたんです。」

 のろのろと顔をあげたスザクに、ユーフェミアは盛大に顔を顰めた。

「あのまま、ずっと、耐え続けていればと、貴方は言いますか?・・・ねぇ、スザク、生きたいと、自由が欲しいと、そう願うことは悪いことですか?・・・ルルーシュ達が自由を得るためには、ブリタニアが邪魔なの。・・・それだけ、ルルーシュ達の立場は危うい。公的には死んだことになっているから、落ち着いている暗殺者達も、ルルーシュ自身が動き出せば黙っていない。・・・必ずルルーシュのアキレス腱、ナナリーを狙ってくる。・・・そのための仮面“ゼロ”なのです。」

 2人の言葉に驚いたのは、スザクだけではない。カレンもまた驚いていた。そんな事情があるとも知らず、随分ときつく当ってしまっていた、と悔やむ。

「ユフィ、もう良い・・・。」

「でも、ルルーシュ。スザクは貴方の友人ではありませんか。どうして、諦めてしまわれるのです?私が何のためにスザクを専任騎士にしたとッ。」

 首を振るルルーシュに、ユーフェミアはそう言い募る。が、スザクの態度を見るからに、このまま協力者になってくれる可能性は皆無と気付いていた。だから、一層腹立たしげに眉根を寄せた。

「どうしてわかって下さらないのですか!・・・ルルーシュと私の目指すところは同じです。もし、承服しかねるというのであれば、騎士章を返還なさい!」

 ぎくり、とスザクの肩が跳ねる。ユーフェミアのきつい視線に耐えかねて、唇を噛み、俯いてしまう。

「・・・私は甘かったのですね、スザクを説得できると思って、騎士に任命したのに・・・。ルルーシュお兄様の親友だと思っていたのに。残念です、スザク。そう思っていたのは、私だけだったのですね。」

 そう言ったユーフェミアはくるりとルルーシュを振り返る。

「私は、また、政庁に戻ることになります。・・・何か、動いておいた方が良いことがあれば、準備を致しますけれど。」

「・・・そうだな。政庁が機能しなくなるような、場を混乱させる何かが欲しい。」

「では、以前、ご相談した“アレ”を突如発表してしまいましょうか?」

「いきなりは拙い。君の立場まで悪くなる。・・・シュナイゼル兄上辺りに一度相談してみると良い・・・二つ返事で良しと言ってくれるはずだ。」

 ルルーシュがやけに自信たっぷりに言うと、ユーフェミアは首を傾げる。

「どうしてです?ブリタニアには利益が無いはずですけど。」

「ある。・・・黒の騎士団の立場が危うくなる。」

「ではダメです!!ルルーシュの苦労が水の泡になりかねません!」

 慌てて却下するユーフェミアに、ルルーシュは微笑む。

「それで良い。・・・そう思わせておいて、それを翻す方法がある。・・・そうすれば、ブリタニアの株は急降下だ。」
「本当にそんな策があるのですか?」

「ある。・・・だが、そのために、君に永久に消えない汚名を被せることになる。・・・だから。」

「とうにその覚悟はできています。何のために、今まで大人しくお飾り皇女を演じ続けてきたと思っているんです?すべては、ルルーシュの有用な駒になるためですよ。」

 晴れやかな笑みを浮かべるユーフェミアに、ルルーシュは苦笑した。

「まったく、君という子は・・・では、今度、アッシュフォード学園で文化祭がある。・・・そこで“行政特区・日本”を宣言してくれ。詳細は後ほど送る。」

「わかりました。私、頑張ります。・・・それまでは、スザク、貴方の騎士章についてはお預けしておきます。・・・良いですね?」

 くるりと振り返ったユーフェミアに、スザクは反論できず、ただ、こくり、と頷いた。

「このこと、口を閉ざしていなさい、スザク。・・・まあ、貴方がどれほど真実を声高に叫ぼうが、私が否定すれば、それは負け犬の遠吠えにしかならないことは、おわかりとは思いますけれどね。」

 クス、と笑ったユーフェミアの表情に戦慄し、スザクは、顔を青褪めさせた。





 そして、ブリタニアに敗北の時が訪れる。それは・・・1人の皇女の宣言によるものだった。

「私、ユーフェミア・リ・ブリタニアの名に置いて、行政特区・日本を開設すると同時に、その特区を黒の騎士団へと移譲し、ブリタニアは一切の統治権を放棄することを宣言致します。」

 ブリタニア側にしてみれば、思いもよらぬユーフェミアの発言。慌てて撤回をさせようと周りを取り囲むが、ユーフェミアはにっこりと笑って、銃を取り出し、その者達に向ける。

「逆らう者には死を。・・・私は、皇籍奉還をもって、この特区にすべての権限を預かりました。邪魔をすることは、例え、エリア総督でも、本国宰相でも、皇帝であったとしても・・・許されるものではありませんよ?」

「ユーフェミア様!!」

 ダールトンが叫ぶが、ユーフェミアは笑顔を崩さない。

「・・・ご苦労様でした、ダールトン。でも、私がいつまでもお飾りでいるわけがないと、思いませんでしたか?・・・ふふふ、私だって、あの皇帝陛下の娘ですよ?そして、ブリタニアの魔女と呼ばれるコーネリアお姉様の妹・・・ただのお人形のフリは止めました。いつまでもバカにされるのは癪に障りますもの。」

 ユーフェミアが、暗い笑みをうかべる。呆然とそれをダールトンを始めとするブリタニア側が見つめていると、黒い影がその隣に降り立つ。

「ありがとう、ユーフェミア皇女殿下。・・・貴女の英断に感謝する。」

「どういたしまして、ゼロ。・・・これからは手を取り合って、頑張って参りましょうね。先ほども言いましたけれど、私、皇籍奉還を致しましたから、もう、ただのユフィですわ。ですから、特区の方もお手伝いさせて頂いて構いませんわよね?」

 黒の騎士団総帥ゼロ、その男に向かって、満面の笑みを浮かべたユーフェミアに、ゼロは大仰に頷いて見せた。

「もちろんだとも。日本人も君には感謝している。だからこそ、君と私が旗頭となり、この特区を素晴らしいものにしよう。」

「嬉しい!・・・皆さん、どうか、ご協力下さい!!」

 ユーフェミアとゼロが手を携える。それを見ていた日本人がわぁ!と歓声をあげ、黒の騎士団がそれを煽る。

 そして、それを呆然と見つめるスザクを、ユーフェミアは振り返る。

「それでは、スザク。・・・騎士章をお返しなさい。私は皇女ではなくなりました。貴方ももう、専任騎士ではありません。」

「・・・あ。」

 掠れた声で呟き、まん丸くした目をユーフェミアに向ける。

「さぁ、返しなさい、スザク。」

 手を差し出すユーフェミアに、スザクはのろのろと騎士章を取り外し、そっと渡す。

「・・・では、さようなら、スザク。・・・貴方に協力してもらえないなんて、残念です。」

 悲しそうに呟き、ユーフェミアは踵を返した。

「参りましょう、ゼロ。」

「・・・ああ。」





 ブリタニア史に大きな汚点が残された。それは、皇籍奉還をした皇女による、手酷い裏切りだった。

 それから間もなく、エリア11は黒の騎士団により奪還され、日本の名を取り戻した。が、それが序章に過ぎなかったことを、ブリタニアは数カ月の後に知ることとなった・・・。


 おしまい


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