Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・時期は騎士任命~神根島
・ナリタ事変は回避
・クロヴィス暗殺回避
・スザルル黒いです
・いろいろ捏造
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
ユーフェミアの先制攻撃から1週間が経った。何事もなく今まで過ごしていたが、ルルーシュは一つ気がかりなことがあった。
「・・・シュナイゼル殿下の動き?」
キョトン、とするスザクに、ルルーシュはこくりと頷く。
「ああ。式根島の調査に来ていたんだろう?」
「うん。でも、すぐに帰っちゃったみたいだね。なんだか、すごく急いでいたらしいよ。」
「・・・式根島には、ギアスに関係したモノがある。なにか、真実に触れることに気付いたかもしれないな。」
「そっか・・・それって、マズイの?」
スザクが首を傾げると、ルルーシュは頷く。
「俺は問題無いが、皇帝の方がマズイんじゃないか?」
「皇帝陛下がマズイ分には、良いんじゃないの?」
「馬鹿言え、ユフィの先制攻撃を有効にしているのは、皇帝の勅命の後押しがあるからだろう?」
「あ!・・・そっか。シュナイゼル殿下だけ何らかの抜け道を用意してもらったりしていたら、かなりヤバいよね!?」
ポン、とスザクが手を打つと、その脇で2人の会話を聞いていたカレンがはぁ、と溜め息をついた。
「・・・ちょっと、スザク・・・ヤバいのはあんたの方でしょ?なんで普通に黒の騎士団の基地にいるのよ・・・。」
「え?・・・良いじゃない。味方なんだし。」
けろっとした顔でスザクが言えば、カレンは脱力する。
「・・・も~。・・・ルルーシュも普通に接してないで、何とかしなさいよ。あんたの下僕でしょ!?」
「カレン!違うよ!!僕はルルーシュの下僕なんかじゃない!!・・・ルルーシュの恋人だよ!!」
スッパーン!!
「言うな!!それだけは言うな!!!」
真面目くさって言ったスザクの頭を、カレンが思いっきり傍にあった雑誌で叩いた。
「・・・スザク・・・。」
頭を押さえて蹲るスザクを見て、ルルーシュは軽い溜め息をつく。そして、カレンの方を向き、苦笑を洩らした。
「そんなに、怒らなくても。」
「・・・何でこいつ!?どうしてこいつ!??せめて、シャーリーとかなら諦めついたのに!!」
「・・・何が?」
カレンのほのかな思いに気づかない鈍感なルルーシュの言葉に、周りで聞いていた騎士団幹部の面々は、ああ、と思う。
これだけ美人で、頭が良くて、何をやらせても完璧な彼の唯一ダメダメな部分が、恋愛方面という・・・天は二物も三物も与えておいて、そこのとこだけ極端に持って行ったようだ。どうやら、彼は天に愛されすぎているらしい。
「・・・何でもない。・・・で、シュナイゼルの動きをどうやって知るつもり?クロヴィスとかを使うの?」
「・・・クロヴィス兄さんを使っても良いが、あの人がシュナイゼル兄上に勝てるとは思えないな。」
ルルーシュの言葉に、その場にいた全員が頷く。
「・・・じゃあ、ユフィを使う?」
「ユフィか・・・やはりそれしかないのか・・・。」
復活したスザクに問われ、ルルーシュは渋々と言った様子で呟く。
「もうしばらく、スザクを間に挟んで連絡を取り合っていたかったんだが・・・。」
「・・・僕の携帯からかければ?騎士になったから、一応支給されてるし。」
ハイ、とスザクが携帯を取り出すと、ルルーシュは首を傾げた。
「・・・良いのか?」
「うん。全然。・・・ユフィに直通だから大丈夫だと思うよ?」
「・・・そうか。」
ルルーシュは大人しくスザクの携帯を受け取り、そして、登録されていたユーフェミアの番号へかける。
RRRR…RRRR…RRRR…
呼び出し音がしばらく鳴り、そして、明るい声がスピーカーを通して聞こえた。
『もしもし?スザク、どうしました?』
その声に、ルルーシュは苦笑をうかべた。
「相変わらずだな・・・ユフィ。」
『・・・・・・ルルー・・・シュ?』
「ああ。」
『・・・お久しぶりですね。』
「ああ・・・河口湖以来か?」
『・・・酷いわ、ルルーシュったら、私に内緒でこんなことするなんて。河口湖の時に言って下さったなら、私だって、協力しましたのに!!』
「・・・・・・本当に、相変わらずだな。お転婆皇女が。」
『あら、久しぶりに言われました、それ。子供の頃はしょっちゅう言われてましたけれど。』
「スザクに聞いたぞ?政庁から逃げるのに、窓から飛び降りたらしいな?」
『う。・・・スザクったら、そんなことまでルルーシュに話したんですか?』
一瞬言葉を詰まらせて、ユーフェミアは溜め息をついた。
「空から天使が降ってきたと思った、だとさ。」
『うふふ、それ、褒め言葉なのかしら?』
「そうなんじゃないか?」
『やきもち、妬いてます?ルルーシュ。』
クスクスと笑う声が、スピーカーから洩れ聞こえる。その言葉に苦笑してから、ルルーシュは素直に答えた。
「いや?・・・俺でもそう思うだろうからな。」
『あら、お上手・・・うふふ。・・・それで、何か、私にお願いごとですか?』
さすがに世間話をするために電話をかけたわけではないことは気付いていたようで、ユーフェミアが本題を促す。
「ああ・・・シュナイゼル兄上の動向を探って欲しい。・・・皇帝の弱みを握った可能性がある。」
『・・・それなら、もう調べ始めてます。』
「!・・・早いな。」
『ええ。だって、私が動いたのも、そもそも、シュナイゼルお兄様が妙な動きをしていたからなんですよ。そうでなかったら、ルルーシュが本格的に動き出すまで待とうと思っていたんですから。』
ユーフェミアの言葉で、ルルーシュは確信を得る。
「・・・やはり、一番気をつけなければならないのは、兄上か。オデュッセウス兄上やギネヴィア姉上辺りは大人しくしているか?」
『はい。お父様の勅命がありますから。・・・でも、ルルーシュ、シュナイゼルお兄様をそんなに危険視しなくても大丈夫だと思いますよ?』
「・・・どうして?」
戸惑った声を出したユーフェミアに、ルルーシュは首を傾げた。
『だって、シュナイゼルお兄様は、ルルーシュにはとっても弱いもの。ルルーシュがちょっと潤んだ目で見上げて“シュナイゼル兄様、お願い☆”って言えば、イチコロよ?』
「・・・そ、そうなのか?」
『はい。間違いありません。』
ルルーシュが半信半疑で訊ねると、ユーフェミアはハッキリと答える。
「・・・スザク、どう思う?」
「・・・間違いないんじゃないかな?ユフィがそう言ってるんだし。(っていうか、多分、コーネリア様とか、皇帝陛下も、ルルーシュがそんな風にお願いしたら、イチコロだろうなぁ。むしろ、僕がやって欲しい。)」
スザクが笑顔で答えるのに、ルルーシュは半眼になる。
「・・・なんか、今、言葉の裏で考えただろ。」
「あ、あれ?バレてる?」
「お前にそんな器用な真似ができるか!スザクの分際で。」
「・・・それ酷い。」
ガク、と肩を落としたスザクを冷たい視線で見やってから、ルルーシュはユーフェミアに告げる。
「ユフィ、すまないが、兄上に動きがあったら連絡をくれ。念のために知っておきたい。」
『わかりました。・・・あ、お姉様がいらしたわ。じゃあ、またね、ルルーシュ。』
ぷつ。
慌てた様子で電話を切ったユーフェミアに、ルルーシュは苦笑をうかべた。
「・・・ところで、ゼロ。そろそろ、何か行動をしないと、怪しまれると思うんだが。」
扇がそう言えば、ルルーシュとスザクとカレンが同時に互いの顔を見る。
「・・・ああ・・・。」
「まったく動きがないのは、おかしいわね。」
「・・・黒の騎士団のことまで考えがいってなかったなぁ。どうしよう、ルルーシュ?」
あは、と笑ったスザクに、ルルーシュはガクっと肩を落とす。
「お前な・・・俺は、考えてなかった訳じゃないぞ。ただ、時期的に動かすのはどうか、と思っていたんだ。」
「・・・というと?」
ルルーシュの言葉に反応し、藤堂が首を傾げる。すると、ルルーシュはひょい、と肩を竦めた。
「そもそも・・・黒の騎士団の存在目的は、弱者を虐げる強者を征伐すること。最近は日本人のテロもめっきり少なくなって、基本的に対ブリタニアとなっているから、ブリタニアが行動を起こさなければ、こちらも行動を起こす意味が無い。」
「・・・成程。」
「ブリタニアがゴタゴタしているうちは、こちらも動く必要が無い。・・・今のうちに、ナイトメアの整備や体調の管理、様々、いつもは措いている細かなことを片付けるのも良いんじゃないか?」
クス、と笑って、ルルーシュは藤堂を見上げる。
「・・・それも、そうか。・・・わざわざ火種を作る必要もない、ということだな?」
「そういうコトだ。・・・というわけだから、お前達も自分の溜まっている仕事を終えたら、これからの戦いの為にも、英気を養っておけ。・・・裏工作は、俺とスザクとでやっておくから。」
藤堂の言葉に頷き、ルルーシュは幹部達の顔を見回した。
「・・・裏工作って・・・何するつもりなの?」
カレンがその言葉に引っかかりを覚えたのか、首を傾げる。すると、ルルーシュは途端に例の何かを企むような笑みをうかべる。
「ふふ・・・さて。やってみてからのお楽しみだよ、カレン。」
「うあ、こわ!」
「・・・スザク、余程、お仕置きをして欲しいみたいだな?」
「!!・・・申し訳ございません!殿下!!」
ギロリとルルーシュに睨まれて、途端に顔を青褪めさせたスザクは、スクっと立ち上がって敬礼する。
「・・・懲りないわね。」
スザクに呆れたような視線を向けたカレンだが、ふと気になったことを思い出した。
「・・・ねぇ、クロヴィスはどうしたの?」
「・・・クロヴィス兄さん?ああ、そういえばどうしたんだろうな。」
さほど興味のない様子のルルーシュに、カレンは苦笑いをうかべる。
「なんだか、だんだん、可哀想になってきたわ。・・・それに、皇族がこぞってルルーシュとコンタクトをとろうとしてるなんて、すごいことなのよね、本当は。」
「・・・皆、調子が良いんだ。・・・もし、俺が生きていることがあまり仲の良くなかった皇族やその後見を務める貴族にバレたりでもしたら、逆に、暗殺者が送られてくるだろうさ。」
暗い色を宿すそのアメジストに、カレンはごくりと息を呑んだ。貴族の世界もそれなりに知ってはいたが、皇室に関わったことなど無いため、そんな駆け引きがあるとは思いもよらなかったのだ。
「・・・そう言えば、日本に来てからも父さんにルルーシュを殺せっていう貴族からのコンタクトがあったって、聞いたことがあったなぁ。・・・むしろ、父さんが殺そうとしたのは、ナナリーだったけど。」
「足手まといだから、とな。・・・俺なら、ブリタニアとの交渉に使えると思ったんだろ。」
スザクがぽつりと言うと、ルルーシュはひょい、と肩を竦めた。
「・・・そ、そんな。」
さすがにショックを受けた様子の騎士団の幹部達を見て、ルルーシュはクスリと笑う。
「その辺りは、藤堂の方がよく知ってるんじゃないのか?」
「・・・まあ、そう、だな。」
歯切れの悪い返答に、ルルーシュはくつくつと笑って肩を震わせる。
「ルルーシュ、ダメだよ。・・・そんな風に言ったら、藤堂さんも共犯みたいじゃないか。」
スザクが困ったように言えば、ルルーシュからではなく、藤堂から声が上がった。
「共犯のようなものだ。・・・首相を止めなかったのは事実。だからこそ、君が手を汚すことにも・・・。」
「・・・やめてください。藤堂さんのせいじゃありませんから。・・・あれは、とうさ・・・父が悪かったんです。父は首相になって変わってしまった。・・・あれで、良かったんです。」
スザクは吹っ切れた表情でそう言って、ね、とルルーシュに笑みを向ける。
「・・・散々引きずってたくせに、何を言ってる。まったく、しょうがない奴だな。・・・まぁ、良い。クロヴィス兄さんのことは気にしない方が良い。あの人が動けば、シュナイゼル兄上に全部筒抜けになるだろうからな。」
「・・・信用ないのねぇ。」
ルルーシュの言い様に苦笑いをうかべた井上に、ルルーシュはキョトン、とした。
「・・・信用していなかったら、携帯の番号なんか教えないぞ?」
― ツンデレ?これが世に言う、ツンデレ!?
その場にいたルルーシュ以外の全員が一瞬黙り込む。それにますます首を傾げるルルーシュを不意にスザクが抱きしめる。
「あ~~!やっぱり可愛い!!ルルーシュってば、そういう天然なところ、大好きだよ!!!」
「なっ!!・・・このバカ!離せ!!何で抱きついてくるんだ!!暑苦しいっ///」
「あ~これぞ本当のツンデレだよね~v」
顔を真っ赤にして抵抗するルルーシュだが、自他共に認める体力馬鹿のスザク相手に敵うわけがなく、結局、為すがままになって、ぎゅうぎゅうと抱きしめられてしまう。
「・・・だぁ~か~ら~っ!!こんな処で、いちゃつくなぁあぁ!!!」
と、いうわけで、本日2度目のカレンの叫びが、騎士団内に響き渡ったのだった。
長編目次に戻る→
・時期は騎士任命~神根島
・ナリタ事変は回避
・クロヴィス暗殺回避
・スザルル黒いです
・いろいろ捏造
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
ユーフェミアの先制攻撃から1週間が経った。何事もなく今まで過ごしていたが、ルルーシュは一つ気がかりなことがあった。
「・・・シュナイゼル殿下の動き?」
キョトン、とするスザクに、ルルーシュはこくりと頷く。
「ああ。式根島の調査に来ていたんだろう?」
「うん。でも、すぐに帰っちゃったみたいだね。なんだか、すごく急いでいたらしいよ。」
「・・・式根島には、ギアスに関係したモノがある。なにか、真実に触れることに気付いたかもしれないな。」
「そっか・・・それって、マズイの?」
スザクが首を傾げると、ルルーシュは頷く。
「俺は問題無いが、皇帝の方がマズイんじゃないか?」
「皇帝陛下がマズイ分には、良いんじゃないの?」
「馬鹿言え、ユフィの先制攻撃を有効にしているのは、皇帝の勅命の後押しがあるからだろう?」
「あ!・・・そっか。シュナイゼル殿下だけ何らかの抜け道を用意してもらったりしていたら、かなりヤバいよね!?」
ポン、とスザクが手を打つと、その脇で2人の会話を聞いていたカレンがはぁ、と溜め息をついた。
「・・・ちょっと、スザク・・・ヤバいのはあんたの方でしょ?なんで普通に黒の騎士団の基地にいるのよ・・・。」
「え?・・・良いじゃない。味方なんだし。」
けろっとした顔でスザクが言えば、カレンは脱力する。
「・・・も~。・・・ルルーシュも普通に接してないで、何とかしなさいよ。あんたの下僕でしょ!?」
「カレン!違うよ!!僕はルルーシュの下僕なんかじゃない!!・・・ルルーシュの恋人だよ!!」
スッパーン!!
「言うな!!それだけは言うな!!!」
真面目くさって言ったスザクの頭を、カレンが思いっきり傍にあった雑誌で叩いた。
「・・・スザク・・・。」
頭を押さえて蹲るスザクを見て、ルルーシュは軽い溜め息をつく。そして、カレンの方を向き、苦笑を洩らした。
「そんなに、怒らなくても。」
「・・・何でこいつ!?どうしてこいつ!??せめて、シャーリーとかなら諦めついたのに!!」
「・・・何が?」
カレンのほのかな思いに気づかない鈍感なルルーシュの言葉に、周りで聞いていた騎士団幹部の面々は、ああ、と思う。
これだけ美人で、頭が良くて、何をやらせても完璧な彼の唯一ダメダメな部分が、恋愛方面という・・・天は二物も三物も与えておいて、そこのとこだけ極端に持って行ったようだ。どうやら、彼は天に愛されすぎているらしい。
「・・・何でもない。・・・で、シュナイゼルの動きをどうやって知るつもり?クロヴィスとかを使うの?」
「・・・クロヴィス兄さんを使っても良いが、あの人がシュナイゼル兄上に勝てるとは思えないな。」
ルルーシュの言葉に、その場にいた全員が頷く。
「・・・じゃあ、ユフィを使う?」
「ユフィか・・・やはりそれしかないのか・・・。」
復活したスザクに問われ、ルルーシュは渋々と言った様子で呟く。
「もうしばらく、スザクを間に挟んで連絡を取り合っていたかったんだが・・・。」
「・・・僕の携帯からかければ?騎士になったから、一応支給されてるし。」
ハイ、とスザクが携帯を取り出すと、ルルーシュは首を傾げた。
「・・・良いのか?」
「うん。全然。・・・ユフィに直通だから大丈夫だと思うよ?」
「・・・そうか。」
ルルーシュは大人しくスザクの携帯を受け取り、そして、登録されていたユーフェミアの番号へかける。
RRRR…RRRR…RRRR…
呼び出し音がしばらく鳴り、そして、明るい声がスピーカーを通して聞こえた。
『もしもし?スザク、どうしました?』
その声に、ルルーシュは苦笑をうかべた。
「相変わらずだな・・・ユフィ。」
『・・・・・・ルルー・・・シュ?』
「ああ。」
『・・・お久しぶりですね。』
「ああ・・・河口湖以来か?」
『・・・酷いわ、ルルーシュったら、私に内緒でこんなことするなんて。河口湖の時に言って下さったなら、私だって、協力しましたのに!!』
「・・・・・・本当に、相変わらずだな。お転婆皇女が。」
『あら、久しぶりに言われました、それ。子供の頃はしょっちゅう言われてましたけれど。』
「スザクに聞いたぞ?政庁から逃げるのに、窓から飛び降りたらしいな?」
『う。・・・スザクったら、そんなことまでルルーシュに話したんですか?』
一瞬言葉を詰まらせて、ユーフェミアは溜め息をついた。
「空から天使が降ってきたと思った、だとさ。」
『うふふ、それ、褒め言葉なのかしら?』
「そうなんじゃないか?」
『やきもち、妬いてます?ルルーシュ。』
クスクスと笑う声が、スピーカーから洩れ聞こえる。その言葉に苦笑してから、ルルーシュは素直に答えた。
「いや?・・・俺でもそう思うだろうからな。」
『あら、お上手・・・うふふ。・・・それで、何か、私にお願いごとですか?』
さすがに世間話をするために電話をかけたわけではないことは気付いていたようで、ユーフェミアが本題を促す。
「ああ・・・シュナイゼル兄上の動向を探って欲しい。・・・皇帝の弱みを握った可能性がある。」
『・・・それなら、もう調べ始めてます。』
「!・・・早いな。」
『ええ。だって、私が動いたのも、そもそも、シュナイゼルお兄様が妙な動きをしていたからなんですよ。そうでなかったら、ルルーシュが本格的に動き出すまで待とうと思っていたんですから。』
ユーフェミアの言葉で、ルルーシュは確信を得る。
「・・・やはり、一番気をつけなければならないのは、兄上か。オデュッセウス兄上やギネヴィア姉上辺りは大人しくしているか?」
『はい。お父様の勅命がありますから。・・・でも、ルルーシュ、シュナイゼルお兄様をそんなに危険視しなくても大丈夫だと思いますよ?』
「・・・どうして?」
戸惑った声を出したユーフェミアに、ルルーシュは首を傾げた。
『だって、シュナイゼルお兄様は、ルルーシュにはとっても弱いもの。ルルーシュがちょっと潤んだ目で見上げて“シュナイゼル兄様、お願い☆”って言えば、イチコロよ?』
「・・・そ、そうなのか?」
『はい。間違いありません。』
ルルーシュが半信半疑で訊ねると、ユーフェミアはハッキリと答える。
「・・・スザク、どう思う?」
「・・・間違いないんじゃないかな?ユフィがそう言ってるんだし。(っていうか、多分、コーネリア様とか、皇帝陛下も、ルルーシュがそんな風にお願いしたら、イチコロだろうなぁ。むしろ、僕がやって欲しい。)」
スザクが笑顔で答えるのに、ルルーシュは半眼になる。
「・・・なんか、今、言葉の裏で考えただろ。」
「あ、あれ?バレてる?」
「お前にそんな器用な真似ができるか!スザクの分際で。」
「・・・それ酷い。」
ガク、と肩を落としたスザクを冷たい視線で見やってから、ルルーシュはユーフェミアに告げる。
「ユフィ、すまないが、兄上に動きがあったら連絡をくれ。念のために知っておきたい。」
『わかりました。・・・あ、お姉様がいらしたわ。じゃあ、またね、ルルーシュ。』
ぷつ。
慌てた様子で電話を切ったユーフェミアに、ルルーシュは苦笑をうかべた。
「・・・ところで、ゼロ。そろそろ、何か行動をしないと、怪しまれると思うんだが。」
扇がそう言えば、ルルーシュとスザクとカレンが同時に互いの顔を見る。
「・・・ああ・・・。」
「まったく動きがないのは、おかしいわね。」
「・・・黒の騎士団のことまで考えがいってなかったなぁ。どうしよう、ルルーシュ?」
あは、と笑ったスザクに、ルルーシュはガクっと肩を落とす。
「お前な・・・俺は、考えてなかった訳じゃないぞ。ただ、時期的に動かすのはどうか、と思っていたんだ。」
「・・・というと?」
ルルーシュの言葉に反応し、藤堂が首を傾げる。すると、ルルーシュはひょい、と肩を竦めた。
「そもそも・・・黒の騎士団の存在目的は、弱者を虐げる強者を征伐すること。最近は日本人のテロもめっきり少なくなって、基本的に対ブリタニアとなっているから、ブリタニアが行動を起こさなければ、こちらも行動を起こす意味が無い。」
「・・・成程。」
「ブリタニアがゴタゴタしているうちは、こちらも動く必要が無い。・・・今のうちに、ナイトメアの整備や体調の管理、様々、いつもは措いている細かなことを片付けるのも良いんじゃないか?」
クス、と笑って、ルルーシュは藤堂を見上げる。
「・・・それも、そうか。・・・わざわざ火種を作る必要もない、ということだな?」
「そういうコトだ。・・・というわけだから、お前達も自分の溜まっている仕事を終えたら、これからの戦いの為にも、英気を養っておけ。・・・裏工作は、俺とスザクとでやっておくから。」
藤堂の言葉に頷き、ルルーシュは幹部達の顔を見回した。
「・・・裏工作って・・・何するつもりなの?」
カレンがその言葉に引っかかりを覚えたのか、首を傾げる。すると、ルルーシュは途端に例の何かを企むような笑みをうかべる。
「ふふ・・・さて。やってみてからのお楽しみだよ、カレン。」
「うあ、こわ!」
「・・・スザク、余程、お仕置きをして欲しいみたいだな?」
「!!・・・申し訳ございません!殿下!!」
ギロリとルルーシュに睨まれて、途端に顔を青褪めさせたスザクは、スクっと立ち上がって敬礼する。
「・・・懲りないわね。」
スザクに呆れたような視線を向けたカレンだが、ふと気になったことを思い出した。
「・・・ねぇ、クロヴィスはどうしたの?」
「・・・クロヴィス兄さん?ああ、そういえばどうしたんだろうな。」
さほど興味のない様子のルルーシュに、カレンは苦笑いをうかべる。
「なんだか、だんだん、可哀想になってきたわ。・・・それに、皇族がこぞってルルーシュとコンタクトをとろうとしてるなんて、すごいことなのよね、本当は。」
「・・・皆、調子が良いんだ。・・・もし、俺が生きていることがあまり仲の良くなかった皇族やその後見を務める貴族にバレたりでもしたら、逆に、暗殺者が送られてくるだろうさ。」
暗い色を宿すそのアメジストに、カレンはごくりと息を呑んだ。貴族の世界もそれなりに知ってはいたが、皇室に関わったことなど無いため、そんな駆け引きがあるとは思いもよらなかったのだ。
「・・・そう言えば、日本に来てからも父さんにルルーシュを殺せっていう貴族からのコンタクトがあったって、聞いたことがあったなぁ。・・・むしろ、父さんが殺そうとしたのは、ナナリーだったけど。」
「足手まといだから、とな。・・・俺なら、ブリタニアとの交渉に使えると思ったんだろ。」
スザクがぽつりと言うと、ルルーシュはひょい、と肩を竦めた。
「・・・そ、そんな。」
さすがにショックを受けた様子の騎士団の幹部達を見て、ルルーシュはクスリと笑う。
「その辺りは、藤堂の方がよく知ってるんじゃないのか?」
「・・・まあ、そう、だな。」
歯切れの悪い返答に、ルルーシュはくつくつと笑って肩を震わせる。
「ルルーシュ、ダメだよ。・・・そんな風に言ったら、藤堂さんも共犯みたいじゃないか。」
スザクが困ったように言えば、ルルーシュからではなく、藤堂から声が上がった。
「共犯のようなものだ。・・・首相を止めなかったのは事実。だからこそ、君が手を汚すことにも・・・。」
「・・・やめてください。藤堂さんのせいじゃありませんから。・・・あれは、とうさ・・・父が悪かったんです。父は首相になって変わってしまった。・・・あれで、良かったんです。」
スザクは吹っ切れた表情でそう言って、ね、とルルーシュに笑みを向ける。
「・・・散々引きずってたくせに、何を言ってる。まったく、しょうがない奴だな。・・・まぁ、良い。クロヴィス兄さんのことは気にしない方が良い。あの人が動けば、シュナイゼル兄上に全部筒抜けになるだろうからな。」
「・・・信用ないのねぇ。」
ルルーシュの言い様に苦笑いをうかべた井上に、ルルーシュはキョトン、とした。
「・・・信用していなかったら、携帯の番号なんか教えないぞ?」
― ツンデレ?これが世に言う、ツンデレ!?
その場にいたルルーシュ以外の全員が一瞬黙り込む。それにますます首を傾げるルルーシュを不意にスザクが抱きしめる。
「あ~~!やっぱり可愛い!!ルルーシュってば、そういう天然なところ、大好きだよ!!!」
「なっ!!・・・このバカ!離せ!!何で抱きついてくるんだ!!暑苦しいっ///」
「あ~これぞ本当のツンデレだよね~v」
顔を真っ赤にして抵抗するルルーシュだが、自他共に認める体力馬鹿のスザク相手に敵うわけがなく、結局、為すがままになって、ぎゅうぎゅうと抱きしめられてしまう。
「・・・だぁ~か~ら~っ!!こんな処で、いちゃつくなぁあぁ!!!」
と、いうわけで、本日2度目のカレンの叫びが、騎士団内に響き渡ったのだった。
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