Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・時期は騎士任命~神根島
・ナリタ事変は回避
・クロヴィス暗殺回避
・スザルル黒いです
・いろいろ捏造
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
翌日・アッシュフォード学園
「・・・会長・・・これはどういうことですか?」
口元を引き攣らせ、ルルーシュが低い声で問う。
生徒会室の温度が、一気に下がる。まさに、魔王様降臨といった感じだ。
「・・・あ、え~と~・・・ルルちゃん、忙しかったみたいだし~、最後の文化祭は、楽しくやりたいなぁっとおもってぇ・・・しかも、スザク君が頑張ってくれるんでしょ?」
ミレイの視線がスザクに向く。すると、同時に、凍てついたルルーシュの視線も向けられる。
「たっ・・・確かに頑張りますとは言いましたけど!!僕、こんなの聞いてないですよ!!・・・聞いてないからね!ルルーシュ!!ぼ、僕、知らなかったよ!!?」
懸命に弁明するスザクに、ルルーシュは呆れたような視線を向けた。
「・・・はいはい。お前が知らなかったのはわかったよ。・・・で、会長、もちろん、会長にとっては最後の文化祭ですから、お好きにやって頂いても構いませんよ。ただ・・・これは、どういうことですか、と聞いてるんです。」
ルルーシュが指差したのは、一般客の来場可という部分だ。
「・・・あ~、えっとぉ・・・。」
「会長。普段でさえ、この学園はお祭り騒ぎになるのに、一般客なんて入れたら、どうなるか、わかりますよね?」
「・・・で、でもでも~・・・その~・・・マスコミを入れたら、巨大ピザ作りが盛り上がるかなぁ~っと。」
「・・・でしょうねぇ?きっと、盛り上がりますねぇ???いつも以上に。」
同意するルルーシュの声は冷たい。ミレイは困ったように笑う。
「えっと、警備員をいつも以上に配置して・・・警察にも知らせて・・・ダメ?」
「・・・・・・はぁ・・・わかりましたよ。どうぞご自由に。・・・ただし、せっかくの文化祭がぶち壊れても、俺は知りませんよ。」
そうでなくても、皇族の動きが怪しいのに、とルルーシュが心の中で毒づいているのが手に取るようにわかって、スザクとカレンは互いに視線を向け、表情をひきつらせた。
「・・・ああ、そうだ。後で、会長と理事長に大事なお話があるので、時間を取って頂けますか?」
「・・・え、ええ・・・おじいちゃんに言っておけばいいのね?」
「お願いします。」
にっこり、と笑ったルルーシュに、ミレイはそこはかとなく嫌な予感を感じて、スザクを見た。スザクは事情を知っているだろうと思ったからだ。そして、目があった瞬間、スザクが気まずげに視線を逸らしたのを見て、ミレイは口元をひきつらせた。
「・・・え~と、ルルちゃん?・・・今すぐ聞くわ。今すぐ。・・・おじいちゃんも理事長室にいるはずだから!!ね?ほら、行きましょ!・・・ついでに、スザク君もね!ほら、事情知ってるみたいだし!」
どうしてもスザクを巻き込みたいらしいミレイを見て、ルルーシュはクツクツと笑う。
「なら、カレンさんもだな。」
「えっ?・・・わ、私も?」
ギョッとしたカレンだが、すぐに表情を取り繕って、首を傾げる。
「・・・ああ。だって、カレンさんも一枚かんでるだろ?」
「・・・・・・はぁ、そうね。認めるわ。・・・会長。私も行きます。」
カレンもかんでいるとは思わなかったミレイは、一瞬ポカンとして、それから、はぁ、と溜め息をついて頷いた。
「・・・なんだか、聞くのが、怖いわね~~・・・。」
ぼやくミレイに、スザクとカレンは再び互いに視線を向け、苦笑をうかべた。
理事長室
「・・・それで、大事な話、とは、何かね?」
ルーベンはちらちらとカレンやスザクを見つつ、ルルーシュに話を振る。
「ああ、今までお世話になりましたと言いに来ました。」
「「!?」」
ギョッとしたミレイとルーベンに、ルルーシュはクツリと笑う。
「学校には通います。ただ、実質、クラブハウスで暮らすことはなくなります。」
「ど、どうしてっ!?・・・る、ルルーシュ殿下・・・っ・・・あっ。」
まずい、という表情をうかべて、カレンを見たミレイに、カレンは肩を竦めてみせる。
「大丈夫ですよ。私もスザクも知ってますから。」
「・・・え?」
眉を顰めたミレイに、カレンは苦笑をうかべた。
「ルルーシュに全部聞いたんです。生まれのことも、現状のことも、全部。」
「・・・そう。じゃあ、本当に、ここを出てしまわれるおつもりなのですね・・・?」
ミレイの言葉使いががらりと変わる。そのことに軽く驚きながらも、スザクとカレンはルルーシュを見つめる。
「・・・そろそろ、皇族の動きが怪しくなってきた。ユフィに至っては、俺の存在に気づいて、本国に知らせてしまった。」
「「なっ!?」」
「まぁ、ユフィも考えてるみたいで、皇帝の勅命を使って、他の皇族をこちらに来させないようにしたみたいだが・・・穴があると言えばある。だから、念のため、身を隠すことにした。・・・問題が起こり次第、俺とナナリー、スザクとカレンの4人は、速やかに逃走する。」
「・・・そんなことが起こっているとは・・・我々の情報網には一切流れて来なかったので・・・。」
「皇族でも一部しか知られていないことだから、仕方がない。」
愕然と呟くように言ったルーベンに、ルルーシュは苦笑する。
「ですが、ルルーシュ殿下。我々は、貴方とナナリー殿下の保護を申しでて、随分と我慢を強いてきました。・・・なのに、貴方方の危機に全く気付かないとは・・・何と言って、お詫びを申し上げたら・・・。」
「・・・・・・ルーベン。アッシュフォードの庇護はとても心地よかったよ。だが、このままではいられない。・・・俺は、黒の騎士団へ行く。」
「「く、黒の騎士団!?」」
声を揃えた祖父と孫娘は、互いの顔を見合ってから、あ、と声をあげる。
「・・・殿下が、ゼロ・・・?」
ミレイは呟いて、スザクとカレンを見る。その2人は苦笑をうかべていて。それを肯定ととったミレイは、ルルーシュを見る。
「ルルーシュ・・・殿下・・・。」
「・・・すまない。もう、黙ってはいられなかったんだ。」
事の発端は、クロヴィスの何も知らぬが故の悪政。ルルーシュとナナリーが散った場所だと勘違いして、殊の外、イレヴン達を冷遇した。自分達のせいでもあると気付いていたルルーシュは、魔女から力を得た時点で行動を開始した。
クロヴィスを本国へ送り返すことに成功したものの、リ姉妹が代わりに送られてきたことで、計画がだいぶ崩れたこと。そして、スザクが最悪の敵だったことを知り、ゼロだと告白したところ、最強の味方になったこと。
全てをルルーシュは語った。そして、話し終えた時、ミレイの涙腺が崩壊した。
「・・・ミレイ。」
ルルーシュは困ったようにミレイを見つめる。
「私、今まで何も知らないでっ・・・本当にごめんなさいっ・・・。」
「・・・いや・・・俺の方こそ、今まで黙っていて、すまなかった。」
謝罪の言葉を口にしたルルーシュは、ミレイの頬を流れる涙をぬぐう。
「ルルーシュ、殿下。・・・いいえ、私にできることがありましたら、何なりとお申し付けください。」
「・・・クク、生徒会でもそれくらい俺に気を使ってくれるとありがたいんだがな?」
殊勝に言ったミレイに、ルルーシュはクツリと笑って、意地悪く言う。
「・・・うう・・・殿下、それは言いっこなしですよぅ・・・。」
いきなり、真面目な空気をぶち壊したルルーシュに、ミレイはガクッと肩を落とす。
「そうだよ、ルルーシュ。・・・会長は・・・その・・・そう、ああやって場を明るくしてるんだから!!」
無理やりスザクがフォローすると、カレンが隣でその脇腹にエルボーを入れる。
「こんの・・・KY!もうちょっと、言い方ってのがあるでしょ!」
「ぐふっ・・・。」
「・・・お前達・・・本当に仲良いな。」
「「どこがっ!?」」
声を揃え、抗議した2人を見て、ルルーシュは肩を竦める。
「ほら、こういうところがだよ。・・・まぁ、仲良くしてくれるぶんにはありがたいんだが。」
「ルルーシュがそう言うなら・・・それにしても、カレン“さん”は、すぐ手が出るんだね?病弱はどこに行ったのかなぁ?」
「ムッ・・・あら~スザク“くん”も、すぐ手が出るわよねぇ~?いつもにこやかな貴方には、あり得ない行動だわね~?」
2人の厭味の応酬が始まると、思わずミレイも笑い出してしまう。
「あははっっ・・・やだ、2人とも、それが素?」
普段生徒会室ではお目にかかれない姿だと、ミレイは腹を抱える。そんなミレイを見て、ルルーシュもルーベンも目元を緩める。
「・・・ルーベン、すまないが、荷物は必要最低限だけすでに運び出している。後は、身一つで動き回るから。・・・もし、居場所を聞かれても、知らぬ存ぜぬで通してくれ。」
ルルーシュの言葉に、ルーベンはしっかりと頷く。
「承知致しました。殿下。・・・それから、せめて、ナナリー殿下のお世話役として、咲世子をお連れ下さい。」
「・・・ああ、それも頼みたかったんだ。咲世子さんには、すでにお願い済みで・・・後はルーベンの許可を得ないとと思っていたんだ。」
「そうでしたか。・・・やはり、殿下の徹底ぶりは健在でしたね。」
幼い頃のルルーシュを知っているルーベンは、クツクツと笑う。ルルーシュの徹底ぶりは幼い頃から発揮されていたからだ。
「まぁ、あの中で生きてきたからな。多少の荒事にも慣れているし・・・それに、あれくらいしないと、弱者と断じられて他の兄弟達に潰されてしまう・・・。」
「・・・ええ。そうですね。」
「守るべきものがあるならば、念には念を、より慎重に。・・・それが、あそこで学んだ全てだ。」
あの離宮で暮らした9年間にあった甘やかなものは、もはやルルーシュの中には残っていない。
「・・・殿下・・・。」
ルーベンは一瞬、眉を顰めるが、何を言っても、空虚な言葉になることがわかっていたので、口を閉じる。
「・・・さて、話は終わりましたね。会長、理事長、お時間を取って頂き、ありがとうございました。」
にこり、と笑ったルルーシュは、もう、いつものルルーシュ・ランペルージの仮面を貼り付けていて。これ以上、内側に踏み込まれることを拒絶しているように見えた。
そんなルルーシュを見て、ミレイは、懐に完全に入っている風のスザクとカレンを羨ましく思う。だが、ここで駄々をこねたところで、ルルーシュの迷惑にしかならないことは自覚しているため、こう言うしかなかった。
「・・・スザク君、カレン・・・ルルーシュ殿下をお願いね。」
「「はい。」」
声の揃った2人は、また互いに視線を合わせるが、すぐに逸らす。こんな調子で大丈夫だろうかとミレイは心配になったが、ルルーシュが表情を変えない所からすると、大丈夫なのだろうと思い直した。
― 私も・・・貴方の剣となり盾となりたかった。
その想いだけでも伝えたいと思っても、もう、ルルーシュの懐に空席など残っていないのだろう。ミレイは悔しさを噛みしめて、理事長室を出ていく3人を見送った。
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・時期は騎士任命~神根島
・ナリタ事変は回避
・クロヴィス暗殺回避
・スザルル黒いです
・いろいろ捏造
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
翌日・アッシュフォード学園
「・・・会長・・・これはどういうことですか?」
口元を引き攣らせ、ルルーシュが低い声で問う。
生徒会室の温度が、一気に下がる。まさに、魔王様降臨といった感じだ。
「・・・あ、え~と~・・・ルルちゃん、忙しかったみたいだし~、最後の文化祭は、楽しくやりたいなぁっとおもってぇ・・・しかも、スザク君が頑張ってくれるんでしょ?」
ミレイの視線がスザクに向く。すると、同時に、凍てついたルルーシュの視線も向けられる。
「たっ・・・確かに頑張りますとは言いましたけど!!僕、こんなの聞いてないですよ!!・・・聞いてないからね!ルルーシュ!!ぼ、僕、知らなかったよ!!?」
懸命に弁明するスザクに、ルルーシュは呆れたような視線を向けた。
「・・・はいはい。お前が知らなかったのはわかったよ。・・・で、会長、もちろん、会長にとっては最後の文化祭ですから、お好きにやって頂いても構いませんよ。ただ・・・これは、どういうことですか、と聞いてるんです。」
ルルーシュが指差したのは、一般客の来場可という部分だ。
「・・・あ~、えっとぉ・・・。」
「会長。普段でさえ、この学園はお祭り騒ぎになるのに、一般客なんて入れたら、どうなるか、わかりますよね?」
「・・・で、でもでも~・・・その~・・・マスコミを入れたら、巨大ピザ作りが盛り上がるかなぁ~っと。」
「・・・でしょうねぇ?きっと、盛り上がりますねぇ???いつも以上に。」
同意するルルーシュの声は冷たい。ミレイは困ったように笑う。
「えっと、警備員をいつも以上に配置して・・・警察にも知らせて・・・ダメ?」
「・・・・・・はぁ・・・わかりましたよ。どうぞご自由に。・・・ただし、せっかくの文化祭がぶち壊れても、俺は知りませんよ。」
そうでなくても、皇族の動きが怪しいのに、とルルーシュが心の中で毒づいているのが手に取るようにわかって、スザクとカレンは互いに視線を向け、表情をひきつらせた。
「・・・ああ、そうだ。後で、会長と理事長に大事なお話があるので、時間を取って頂けますか?」
「・・・え、ええ・・・おじいちゃんに言っておけばいいのね?」
「お願いします。」
にっこり、と笑ったルルーシュに、ミレイはそこはかとなく嫌な予感を感じて、スザクを見た。スザクは事情を知っているだろうと思ったからだ。そして、目があった瞬間、スザクが気まずげに視線を逸らしたのを見て、ミレイは口元をひきつらせた。
「・・・え~と、ルルちゃん?・・・今すぐ聞くわ。今すぐ。・・・おじいちゃんも理事長室にいるはずだから!!ね?ほら、行きましょ!・・・ついでに、スザク君もね!ほら、事情知ってるみたいだし!」
どうしてもスザクを巻き込みたいらしいミレイを見て、ルルーシュはクツクツと笑う。
「なら、カレンさんもだな。」
「えっ?・・・わ、私も?」
ギョッとしたカレンだが、すぐに表情を取り繕って、首を傾げる。
「・・・ああ。だって、カレンさんも一枚かんでるだろ?」
「・・・・・・はぁ、そうね。認めるわ。・・・会長。私も行きます。」
カレンもかんでいるとは思わなかったミレイは、一瞬ポカンとして、それから、はぁ、と溜め息をついて頷いた。
「・・・なんだか、聞くのが、怖いわね~~・・・。」
ぼやくミレイに、スザクとカレンは再び互いに視線を向け、苦笑をうかべた。
理事長室
「・・・それで、大事な話、とは、何かね?」
ルーベンはちらちらとカレンやスザクを見つつ、ルルーシュに話を振る。
「ああ、今までお世話になりましたと言いに来ました。」
「「!?」」
ギョッとしたミレイとルーベンに、ルルーシュはクツリと笑う。
「学校には通います。ただ、実質、クラブハウスで暮らすことはなくなります。」
「ど、どうしてっ!?・・・る、ルルーシュ殿下・・・っ・・・あっ。」
まずい、という表情をうかべて、カレンを見たミレイに、カレンは肩を竦めてみせる。
「大丈夫ですよ。私もスザクも知ってますから。」
「・・・え?」
眉を顰めたミレイに、カレンは苦笑をうかべた。
「ルルーシュに全部聞いたんです。生まれのことも、現状のことも、全部。」
「・・・そう。じゃあ、本当に、ここを出てしまわれるおつもりなのですね・・・?」
ミレイの言葉使いががらりと変わる。そのことに軽く驚きながらも、スザクとカレンはルルーシュを見つめる。
「・・・そろそろ、皇族の動きが怪しくなってきた。ユフィに至っては、俺の存在に気づいて、本国に知らせてしまった。」
「「なっ!?」」
「まぁ、ユフィも考えてるみたいで、皇帝の勅命を使って、他の皇族をこちらに来させないようにしたみたいだが・・・穴があると言えばある。だから、念のため、身を隠すことにした。・・・問題が起こり次第、俺とナナリー、スザクとカレンの4人は、速やかに逃走する。」
「・・・そんなことが起こっているとは・・・我々の情報網には一切流れて来なかったので・・・。」
「皇族でも一部しか知られていないことだから、仕方がない。」
愕然と呟くように言ったルーベンに、ルルーシュは苦笑する。
「ですが、ルルーシュ殿下。我々は、貴方とナナリー殿下の保護を申しでて、随分と我慢を強いてきました。・・・なのに、貴方方の危機に全く気付かないとは・・・何と言って、お詫びを申し上げたら・・・。」
「・・・・・・ルーベン。アッシュフォードの庇護はとても心地よかったよ。だが、このままではいられない。・・・俺は、黒の騎士団へ行く。」
「「く、黒の騎士団!?」」
声を揃えた祖父と孫娘は、互いの顔を見合ってから、あ、と声をあげる。
「・・・殿下が、ゼロ・・・?」
ミレイは呟いて、スザクとカレンを見る。その2人は苦笑をうかべていて。それを肯定ととったミレイは、ルルーシュを見る。
「ルルーシュ・・・殿下・・・。」
「・・・すまない。もう、黙ってはいられなかったんだ。」
事の発端は、クロヴィスの何も知らぬが故の悪政。ルルーシュとナナリーが散った場所だと勘違いして、殊の外、イレヴン達を冷遇した。自分達のせいでもあると気付いていたルルーシュは、魔女から力を得た時点で行動を開始した。
クロヴィスを本国へ送り返すことに成功したものの、リ姉妹が代わりに送られてきたことで、計画がだいぶ崩れたこと。そして、スザクが最悪の敵だったことを知り、ゼロだと告白したところ、最強の味方になったこと。
全てをルルーシュは語った。そして、話し終えた時、ミレイの涙腺が崩壊した。
「・・・ミレイ。」
ルルーシュは困ったようにミレイを見つめる。
「私、今まで何も知らないでっ・・・本当にごめんなさいっ・・・。」
「・・・いや・・・俺の方こそ、今まで黙っていて、すまなかった。」
謝罪の言葉を口にしたルルーシュは、ミレイの頬を流れる涙をぬぐう。
「ルルーシュ、殿下。・・・いいえ、私にできることがありましたら、何なりとお申し付けください。」
「・・・クク、生徒会でもそれくらい俺に気を使ってくれるとありがたいんだがな?」
殊勝に言ったミレイに、ルルーシュはクツリと笑って、意地悪く言う。
「・・・うう・・・殿下、それは言いっこなしですよぅ・・・。」
いきなり、真面目な空気をぶち壊したルルーシュに、ミレイはガクッと肩を落とす。
「そうだよ、ルルーシュ。・・・会長は・・・その・・・そう、ああやって場を明るくしてるんだから!!」
無理やりスザクがフォローすると、カレンが隣でその脇腹にエルボーを入れる。
「こんの・・・KY!もうちょっと、言い方ってのがあるでしょ!」
「ぐふっ・・・。」
「・・・お前達・・・本当に仲良いな。」
「「どこがっ!?」」
声を揃え、抗議した2人を見て、ルルーシュは肩を竦める。
「ほら、こういうところがだよ。・・・まぁ、仲良くしてくれるぶんにはありがたいんだが。」
「ルルーシュがそう言うなら・・・それにしても、カレン“さん”は、すぐ手が出るんだね?病弱はどこに行ったのかなぁ?」
「ムッ・・・あら~スザク“くん”も、すぐ手が出るわよねぇ~?いつもにこやかな貴方には、あり得ない行動だわね~?」
2人の厭味の応酬が始まると、思わずミレイも笑い出してしまう。
「あははっっ・・・やだ、2人とも、それが素?」
普段生徒会室ではお目にかかれない姿だと、ミレイは腹を抱える。そんなミレイを見て、ルルーシュもルーベンも目元を緩める。
「・・・ルーベン、すまないが、荷物は必要最低限だけすでに運び出している。後は、身一つで動き回るから。・・・もし、居場所を聞かれても、知らぬ存ぜぬで通してくれ。」
ルルーシュの言葉に、ルーベンはしっかりと頷く。
「承知致しました。殿下。・・・それから、せめて、ナナリー殿下のお世話役として、咲世子をお連れ下さい。」
「・・・ああ、それも頼みたかったんだ。咲世子さんには、すでにお願い済みで・・・後はルーベンの許可を得ないとと思っていたんだ。」
「そうでしたか。・・・やはり、殿下の徹底ぶりは健在でしたね。」
幼い頃のルルーシュを知っているルーベンは、クツクツと笑う。ルルーシュの徹底ぶりは幼い頃から発揮されていたからだ。
「まぁ、あの中で生きてきたからな。多少の荒事にも慣れているし・・・それに、あれくらいしないと、弱者と断じられて他の兄弟達に潰されてしまう・・・。」
「・・・ええ。そうですね。」
「守るべきものがあるならば、念には念を、より慎重に。・・・それが、あそこで学んだ全てだ。」
あの離宮で暮らした9年間にあった甘やかなものは、もはやルルーシュの中には残っていない。
「・・・殿下・・・。」
ルーベンは一瞬、眉を顰めるが、何を言っても、空虚な言葉になることがわかっていたので、口を閉じる。
「・・・さて、話は終わりましたね。会長、理事長、お時間を取って頂き、ありがとうございました。」
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そんなルルーシュを見て、ミレイは、懐に完全に入っている風のスザクとカレンを羨ましく思う。だが、ここで駄々をこねたところで、ルルーシュの迷惑にしかならないことは自覚しているため、こう言うしかなかった。
「・・・スザク君、カレン・・・ルルーシュ殿下をお願いね。」
「「はい。」」
声の揃った2人は、また互いに視線を合わせるが、すぐに逸らす。こんな調子で大丈夫だろうかとミレイは心配になったが、ルルーシュが表情を変えない所からすると、大丈夫なのだろうと思い直した。
― 私も・・・貴方の剣となり盾となりたかった。
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