Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・カレ→←ゼロ
・カレン押せ押せ!ルルたじたじ!
・ギャグときどきシリアス(ゼロバレあり)
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「・・・ふふふ。これで、ゼロの心は私のモノ・・・。」
食堂のキッチンから聞こえた、不気味な声。その場にいた全員が、聞こえないフリをした。なぜなら、変態カオスに巻き込まれて、ゼロに睨まれたくなかったからだ。
最近、特にディートハルトの行動は怪しくなってきている。被写体として見ているのではないような感情をゼロに向けている。騎士団に属する面々の殆んどがそれに気づいているのに、ゼロ本人は全く気づいた様子は無い。
「・・・大丈夫かぁ、ゼロはよぉ。・・・その内、ディートハルトに押し倒されんじゃねぇ?」
「笑えないな、それ・・・。」
「・・・そうよ、言わないでよ。真実になったらどうしてくれるの?」
玉城が呟けば、扇と井上が呻く。
「ただいまー!」
「お。カレンが帰ってきた。」
カレンの元気な声が聞こえると、幹部達の表情も緩む。
「扇さん!井上さん!!ただいま!」
「おかえり、カレン。」
「おかえりなさい。」
「か・・・カレン、俺は・・・?」
「はいはい。ただいま、玉城。」
「・・・・・・おう。」
ガクっと肩を落とした玉城を後目に、カレンはニコニコと扇に問うた。
「ゼロは?」
「ああ、多分、もうそろそろラウンジに来ると思うけど・・・。」
「そうですか。・・・じゃあ、ちょっと、水でも飲んでこよっと。」
カレンはくるりと身を翻し、キッチンの中に入っていく。
「・・・あ、今、キッチンは・・・。」
扇が口にする前に、カレンの姿は消える。
「ど、どうすんだよ、扇!!今、キッチンにはディートハルトが!!」
「つ、連れ戻した方が良いんじゃないの?」
「いや・・・でも・・・。」
3人がもめていると、ラウンジにゼロが入ってくる。
「どうした?何をもめている?」
「あ、ゼロ。」
「い、いや・・・その・・・。」
「なんて言うか・・・。」
言葉を濁す3人に、ゼロは首を傾げた。
「・・・何なんだ??」
一方、キッチンに入ったカレンは、テーブルに置いてあるコップに目をやる。
「・・・何コレ。・・・なんだか、美味しそうね。」
とても喉の渇いていたカレンは、そのコップに入っているモノが何であるかもわからないのに、とても美味しそうに見えた。
それは、その液体に含まれるものが気体化してキッチンに充満していたせいなのだが、そうとは知らないカレンは、とうとうそのコップを手に取ってしまう。
「・・・い、良いわよね。だって、置きっ放しにしてる方が悪いんだし・・・。」
自分に言い訳をして、カレンは腰に手を当て、そのコップの中身を一気に飲み干した。
そして・・・
「・・・何を隠している?何かあったからもめているんだろう?」
ゼロの追及に、扇達は何も言えず、ただ黙り込んでいた。
「(言えるわけない!・・・変態カオスの変な計画にカレンが巻き込まれたかもしれないなんて!!)」
「(ってか、ゼロにその話通じんのかよ!!)」
「(何の冗談だ?くらい言いそうよね!?)」
3人が何とも言えないまま、視線で会話するのを、ゼロは困惑した様子で眺める。
「・・・一体、何なんだ?」
「あ!・・・ゼロ!!」
ゼロが首を傾げた所で、キッチンから顔を出したカレンが、その名を呼ぶ。
そして、振り返ったゼロとカレンの顔が向き合った瞬間、カレンはカチンと固まった。
「・・・カレン?」
訝しんだゼロが傍に寄ると、カレンはボン、と顔を真っ赤に染めた。
「・・・ぜ、ゼロっ!!・・・わ、私・・・私・・・・・・。」
もじもじとしだしたカレンに、ゼロはことりと首を傾げた。その様子を見ていた扇達は、ハラハラとその様子を見守った。
「・・・ゼロ・・・私、貴方のことが好きなんです!!」
「「「(言ったぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!)」」」
扇達の心の中の叫びが重なり、そして、今度はゼロが固まった。
「なっ・・・。」
「ゼロ・・・私じゃ、駄目ですか・・・?」
潤んだ目でゼロを見上げ、カレンは再度アタックを始める。
「・・・カレンがようやく自分に素直になったのね。」
うんうん、と姉的な役割を果たしている井上が嬉しそうに頷くが、扇が不思議そうに首を傾げた。
「・・・そうか?なんか、いつもと違うような気がするんだが。・・・こう、目がとろんとしてるって言うか、なんか・・・なんて言ったらいいんだろう?」
「そー言われれば、確かに。」
玉城が頷く。と、同時に、
「・・・あ、ああああっっ!!」
叫び声があがった。
声のした方を向くと、ディートハルトが青い顔をしてわなわなとゼロとカレンを指さしていた。
「「「ディートハルト??」」」
依然固まるゼロとゼロをポーっと見つめるカレンを様子の原因を知っているらしいディートハルトに、扇達が視線を向けると、ディートハルトは青い顔のまま呟いた。
「紅月さん!貴女!・・・私がキッチンに置いといた、惚れ薬を勝手に飲みましたね!?・・・ゼ、ゼロに飲んで頂こうと思っていたのにっ!!」
― 今、こいつはなんて言いやがった?
3人の視線が、自然と厳しいものに変わる。
「・・・やい!ディートハルト!!・・・てめー、なんてもん、作ってやがる!!」
「いいじゃありませんか!!ゼロのお心を掴むには、もはや、この方法しかないんです!!・・・い、いくらアタックしても、ゼロは、気付いて下さらないのですから!!」
「・・・そ、そりゃ、わかるけどよぉ・・・でも、あれ、どういう効能なんだよ。」
必死のディートハルトの言葉に、気圧されつつ、玉城が問うと、ディートハルトがふふふ、と笑う。
「あれを飲んだ後、最初に見た人間を猛烈に好きになってしまうというものなんです!」
「・・・はぁ、元々好きだったゼロを見たことがせめてもの救いだな。」
扇が呟くと、井上もうんうん、と頷く。
「そうね。・・・まあ、こういう展開だけど、告白もできたわけだし。・・・ああやってはっきり言えば、いくらゼロでもわかるでしょ。」
「・・・でもよ~・・・ゼロの奴、まだ固まってるぞ。」
玉城の言葉に、扇と井上がウッと詰まった。
「ゼロ・・・好き、大好きです!!」
「・・・か、カレン・・・そ、そのだな、それは、惚れ薬の・・・。」
「惚れ薬の影響でも何でも良いんです!!それでも、私はゼロが好きなんです!!」
一応、固まってはいても、ディートハルトの惚れ薬の話は耳に入っていたようで、ゼロがカレンに言うが、カレンはそれでも引き下がる様子は見せない。押せ押せのカレンに、ゼロはたじたじだ。
「・・・私の惚れ薬の効能は完璧です!・・・しかし、こんなことの為に作ったわけではないのに・・・。」
がっくりと項垂れるディートハルトを放っておき、扇達は、カレンの恋の行方を見守ることにする。顔もわからない人物ではあるが、優秀なことには変わりはないし、カレンと結ばれるようなことになれば、日本の為に戦う理由にもなるだろうと思ったからだ。
「・・・ゼロ・・・答えを・・・。」
うるうるとした目で見上げられ、おろおろとしていたゼロが、ひゅっと息を呑んだ。
「・・・私を好きになっても、得することなど何もない。」
ぼそりと言われた言葉に、カレンはその胸に抱きつく。
「損得で好きになってるわけじゃありません!!!」
「やめておけ・・・私は・・・公的には死んでいる人間だ。」
「「「「「え?」」」」」
ゼロの言葉に、その場にいた全員が訊き返した。
「私は・・・すでに鬼籍に載っている・・・今は、偽の戸籍を作って生きている。・・・そういう人間を好きになっても報われないだけだ。・・・だから、やめておけと言っている。」
「・・・ゼロ・・・おまえ・・・。」
さすがに茶化すことが出来なかった玉城が呟くと、ゼロがハッと顔をあげる。
「話しすぎたな・・・ここにいる者達だけの心の内に納めておいてくれ。」
そう言って踵を返そうとしたゼロに、カレンが飛びついた。
「そんなこと、言わないで下さい!!私、それでも、構いません!!ゼロが好きなんです!!」
力いっぱい抱きついたカレンを支えきれず、ゼロの足元がぐらつく。
「・・・っ!ほわぁぁぁっ!?」
体勢を立て直せずに、ゼロはカレンを抱えたまま、素っ頓狂な声をあげて背中から倒れる。
「ゼロ!カレン!!」
扇達が駆け寄り、慌てて助け起こした瞬間、カラン、と軽い音がして、そちらの方へと皆の視線が向く。
そこには、黒い仮面が落ちた衝撃でくるくると回転していて・・・一瞬固まった後、全員がバッと視線をゼロに向ける。
「・・・ゼ・・・ゼロ?」
「・・・わ、若っ!」
「ま、まだ子供か?」
「う、美しい!!カオスだ!!」
まず、さらりと顔の前に流れる艶やかな黒髪に目を奪われる。そして、次に、その深い紫色をした瞳にぼうっと見入る。
「る・・・ルルー・・・シュ?」
呆然としたままカレンが呟く。真正面から見えた顔は、間違えようもなく、いけすかない同級生の顔だった。
「・・・ああ。・・・そうだな。こうすれば話は早かったか。カレンは“俺”のことは嫌いだろう?」
ぐっとカレンを扇に押し付け、開き直ったルルーシュは立ち上がる。
「・・・・・・き、よ。」
「カレン?」
扇が心配そうに、うつむいたカレンの顔を覗き込む。
そして、バッと顔をあげたカレンは、仮面を拾い、立ち去ろうとするルルーシュの腕を掴んで、自分の方を向かせる。
「好きよ!ゼロが誰であろうと!・・・私がゼロを好きになったのは、その心に共感したからだもの!!」
「だが・・・。」
「今わかったわ、あんたが・・・ルルーシュが、あれだけの才能を持っていながら動こうとしなかった理由。・・・偽の戸籍だとバレるわけにいかなかったからなのね・・・。」
「・・・。」
困ったように眉を寄せるルルーシュに、カレンはニコリと笑う。
「ほら、惚れ薬の影響ではないでしょう?・・・私は、ゼロの仮面を見たのよ。でも、素顔を見ている今でも、好きって言ってる。」
「・・・カレン・・・。」
「好きです。ゼロ・・・ううん、ルルーシュ。」
「~~~っ///」
カレンに笑顔で言われ、ルルーシュの頬が真っ赤に染まる。
「あらら~、顔真っ赤。・・・かーわいいぃ~。」
「お、ほんとだ。」
からかう井上と玉城に、恨めしそうに視線を向ける。が、年下とバレてしまった為に、強く出れなくなってしまい、ルルーシュは口を紡いだまま顔を真っ赤にしてうつむく。
「ゼロ・・・いや、ルルーシュ君、だっけ?嫌でないのなら、カレンの気持ちを受けてやってくれないか?」
扇に言われたルルーシュは、ウッと詰まってから、もう一度カレンを見やり、ルルーシュはその真剣な眼差しに、おろおろとしだす。
「か、カレン、お・・・俺は・・・。」
「学園の女の子達に告白され慣れてるでしょ?何で今更そんなおろおろしてるのよ。」
首を傾げるカレンに、ルルーシュは顔を真っ赤にしたまま叫んだ。
「気になっている相手に告白されたら、誰だって動揺するに決まっているだろッ!!!」
一瞬キョトンとしたカレンだが、ルルーシュの言葉の意味を理解したと同時に顔を真っ赤にした。
「そ・・・それって・・・。」
「~っ!・・・何度も言う気は無い!!」
乱暴に仮面を被り、身を翻したルルーシュは、慌てたようにラウンジを出て行った。
「・・・ゼ、ゼロぉぉお・・・そんな・・・。」
ルルーシュを見送り、ディートハルトが呟いて失神する。
「あ~・・・あれが俗に言う、ツンデレね。」
井上が呟くと、玉城がゲラゲラと笑う。
「はははっ・・・ゼロがあんなおろおろすんの初めて見たぜ!」
「・・・笑ったら、かわいそうだろ?」
困ったように言う扇に、玉城がだってよ~と反論して、腹を抱えて笑う。
「・・・カレン?どうしたの?」
そんな中、黙り込んでしまったカレンを、心配した井上が声をかける。
「もぉぉぉぉぉ・・・・。」
いきなり唸り出したカレンに、井上がギョッとして身を引く。
「か、カレン?」
扇も玉城もカレンの様子に、そろりと離れる。
「好きなら好きって言いなさいよ!!ルルーシュのバカぁぁぁぁぁッ!!!」
カレンの叫びがアジト中に響き渡って、ゼロの正体が皆にバレるのも、あとわずか・・・?
おしまいv
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「・・・ふふふ。これで、ゼロの心は私のモノ・・・。」
食堂のキッチンから聞こえた、不気味な声。その場にいた全員が、聞こえないフリをした。なぜなら、変態カオスに巻き込まれて、ゼロに睨まれたくなかったからだ。
最近、特にディートハルトの行動は怪しくなってきている。被写体として見ているのではないような感情をゼロに向けている。騎士団に属する面々の殆んどがそれに気づいているのに、ゼロ本人は全く気づいた様子は無い。
「・・・大丈夫かぁ、ゼロはよぉ。・・・その内、ディートハルトに押し倒されんじゃねぇ?」
「笑えないな、それ・・・。」
「・・・そうよ、言わないでよ。真実になったらどうしてくれるの?」
玉城が呟けば、扇と井上が呻く。
「ただいまー!」
「お。カレンが帰ってきた。」
カレンの元気な声が聞こえると、幹部達の表情も緩む。
「扇さん!井上さん!!ただいま!」
「おかえり、カレン。」
「おかえりなさい。」
「か・・・カレン、俺は・・・?」
「はいはい。ただいま、玉城。」
「・・・・・・おう。」
ガクっと肩を落とした玉城を後目に、カレンはニコニコと扇に問うた。
「ゼロは?」
「ああ、多分、もうそろそろラウンジに来ると思うけど・・・。」
「そうですか。・・・じゃあ、ちょっと、水でも飲んでこよっと。」
カレンはくるりと身を翻し、キッチンの中に入っていく。
「・・・あ、今、キッチンは・・・。」
扇が口にする前に、カレンの姿は消える。
「ど、どうすんだよ、扇!!今、キッチンにはディートハルトが!!」
「つ、連れ戻した方が良いんじゃないの?」
「いや・・・でも・・・。」
3人がもめていると、ラウンジにゼロが入ってくる。
「どうした?何をもめている?」
「あ、ゼロ。」
「い、いや・・・その・・・。」
「なんて言うか・・・。」
言葉を濁す3人に、ゼロは首を傾げた。
「・・・何なんだ??」
一方、キッチンに入ったカレンは、テーブルに置いてあるコップに目をやる。
「・・・何コレ。・・・なんだか、美味しそうね。」
とても喉の渇いていたカレンは、そのコップに入っているモノが何であるかもわからないのに、とても美味しそうに見えた。
それは、その液体に含まれるものが気体化してキッチンに充満していたせいなのだが、そうとは知らないカレンは、とうとうそのコップを手に取ってしまう。
「・・・い、良いわよね。だって、置きっ放しにしてる方が悪いんだし・・・。」
自分に言い訳をして、カレンは腰に手を当て、そのコップの中身を一気に飲み干した。
そして・・・
「・・・何を隠している?何かあったからもめているんだろう?」
ゼロの追及に、扇達は何も言えず、ただ黙り込んでいた。
「(言えるわけない!・・・変態カオスの変な計画にカレンが巻き込まれたかもしれないなんて!!)」
「(ってか、ゼロにその話通じんのかよ!!)」
「(何の冗談だ?くらい言いそうよね!?)」
3人が何とも言えないまま、視線で会話するのを、ゼロは困惑した様子で眺める。
「・・・一体、何なんだ?」
「あ!・・・ゼロ!!」
ゼロが首を傾げた所で、キッチンから顔を出したカレンが、その名を呼ぶ。
そして、振り返ったゼロとカレンの顔が向き合った瞬間、カレンはカチンと固まった。
「・・・カレン?」
訝しんだゼロが傍に寄ると、カレンはボン、と顔を真っ赤に染めた。
「・・・ぜ、ゼロっ!!・・・わ、私・・・私・・・・・・。」
もじもじとしだしたカレンに、ゼロはことりと首を傾げた。その様子を見ていた扇達は、ハラハラとその様子を見守った。
「・・・ゼロ・・・私、貴方のことが好きなんです!!」
「「「(言ったぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!)」」」
扇達の心の中の叫びが重なり、そして、今度はゼロが固まった。
「なっ・・・。」
「ゼロ・・・私じゃ、駄目ですか・・・?」
潤んだ目でゼロを見上げ、カレンは再度アタックを始める。
「・・・カレンがようやく自分に素直になったのね。」
うんうん、と姉的な役割を果たしている井上が嬉しそうに頷くが、扇が不思議そうに首を傾げた。
「・・・そうか?なんか、いつもと違うような気がするんだが。・・・こう、目がとろんとしてるって言うか、なんか・・・なんて言ったらいいんだろう?」
「そー言われれば、確かに。」
玉城が頷く。と、同時に、
「・・・あ、ああああっっ!!」
叫び声があがった。
声のした方を向くと、ディートハルトが青い顔をしてわなわなとゼロとカレンを指さしていた。
「「「ディートハルト??」」」
依然固まるゼロとゼロをポーっと見つめるカレンを様子の原因を知っているらしいディートハルトに、扇達が視線を向けると、ディートハルトは青い顔のまま呟いた。
「紅月さん!貴女!・・・私がキッチンに置いといた、惚れ薬を勝手に飲みましたね!?・・・ゼ、ゼロに飲んで頂こうと思っていたのにっ!!」
― 今、こいつはなんて言いやがった?
3人の視線が、自然と厳しいものに変わる。
「・・・やい!ディートハルト!!・・・てめー、なんてもん、作ってやがる!!」
「いいじゃありませんか!!ゼロのお心を掴むには、もはや、この方法しかないんです!!・・・い、いくらアタックしても、ゼロは、気付いて下さらないのですから!!」
「・・・そ、そりゃ、わかるけどよぉ・・・でも、あれ、どういう効能なんだよ。」
必死のディートハルトの言葉に、気圧されつつ、玉城が問うと、ディートハルトがふふふ、と笑う。
「あれを飲んだ後、最初に見た人間を猛烈に好きになってしまうというものなんです!」
「・・・はぁ、元々好きだったゼロを見たことがせめてもの救いだな。」
扇が呟くと、井上もうんうん、と頷く。
「そうね。・・・まあ、こういう展開だけど、告白もできたわけだし。・・・ああやってはっきり言えば、いくらゼロでもわかるでしょ。」
「・・・でもよ~・・・ゼロの奴、まだ固まってるぞ。」
玉城の言葉に、扇と井上がウッと詰まった。
「ゼロ・・・好き、大好きです!!」
「・・・か、カレン・・・そ、そのだな、それは、惚れ薬の・・・。」
「惚れ薬の影響でも何でも良いんです!!それでも、私はゼロが好きなんです!!」
一応、固まってはいても、ディートハルトの惚れ薬の話は耳に入っていたようで、ゼロがカレンに言うが、カレンはそれでも引き下がる様子は見せない。押せ押せのカレンに、ゼロはたじたじだ。
「・・・私の惚れ薬の効能は完璧です!・・・しかし、こんなことの為に作ったわけではないのに・・・。」
がっくりと項垂れるディートハルトを放っておき、扇達は、カレンの恋の行方を見守ることにする。顔もわからない人物ではあるが、優秀なことには変わりはないし、カレンと結ばれるようなことになれば、日本の為に戦う理由にもなるだろうと思ったからだ。
「・・・ゼロ・・・答えを・・・。」
うるうるとした目で見上げられ、おろおろとしていたゼロが、ひゅっと息を呑んだ。
「・・・私を好きになっても、得することなど何もない。」
ぼそりと言われた言葉に、カレンはその胸に抱きつく。
「損得で好きになってるわけじゃありません!!!」
「やめておけ・・・私は・・・公的には死んでいる人間だ。」
「「「「「え?」」」」」
ゼロの言葉に、その場にいた全員が訊き返した。
「私は・・・すでに鬼籍に載っている・・・今は、偽の戸籍を作って生きている。・・・そういう人間を好きになっても報われないだけだ。・・・だから、やめておけと言っている。」
「・・・ゼロ・・・おまえ・・・。」
さすがに茶化すことが出来なかった玉城が呟くと、ゼロがハッと顔をあげる。
「話しすぎたな・・・ここにいる者達だけの心の内に納めておいてくれ。」
そう言って踵を返そうとしたゼロに、カレンが飛びついた。
「そんなこと、言わないで下さい!!私、それでも、構いません!!ゼロが好きなんです!!」
力いっぱい抱きついたカレンを支えきれず、ゼロの足元がぐらつく。
「・・・っ!ほわぁぁぁっ!?」
体勢を立て直せずに、ゼロはカレンを抱えたまま、素っ頓狂な声をあげて背中から倒れる。
「ゼロ!カレン!!」
扇達が駆け寄り、慌てて助け起こした瞬間、カラン、と軽い音がして、そちらの方へと皆の視線が向く。
そこには、黒い仮面が落ちた衝撃でくるくると回転していて・・・一瞬固まった後、全員がバッと視線をゼロに向ける。
「・・・ゼ・・・ゼロ?」
「・・・わ、若っ!」
「ま、まだ子供か?」
「う、美しい!!カオスだ!!」
まず、さらりと顔の前に流れる艶やかな黒髪に目を奪われる。そして、次に、その深い紫色をした瞳にぼうっと見入る。
「る・・・ルルー・・・シュ?」
呆然としたままカレンが呟く。真正面から見えた顔は、間違えようもなく、いけすかない同級生の顔だった。
「・・・ああ。・・・そうだな。こうすれば話は早かったか。カレンは“俺”のことは嫌いだろう?」
ぐっとカレンを扇に押し付け、開き直ったルルーシュは立ち上がる。
「・・・・・・き、よ。」
「カレン?」
扇が心配そうに、うつむいたカレンの顔を覗き込む。
そして、バッと顔をあげたカレンは、仮面を拾い、立ち去ろうとするルルーシュの腕を掴んで、自分の方を向かせる。
「好きよ!ゼロが誰であろうと!・・・私がゼロを好きになったのは、その心に共感したからだもの!!」
「だが・・・。」
「今わかったわ、あんたが・・・ルルーシュが、あれだけの才能を持っていながら動こうとしなかった理由。・・・偽の戸籍だとバレるわけにいかなかったからなのね・・・。」
「・・・。」
困ったように眉を寄せるルルーシュに、カレンはニコリと笑う。
「ほら、惚れ薬の影響ではないでしょう?・・・私は、ゼロの仮面を見たのよ。でも、素顔を見ている今でも、好きって言ってる。」
「・・・カレン・・・。」
「好きです。ゼロ・・・ううん、ルルーシュ。」
「~~~っ///」
カレンに笑顔で言われ、ルルーシュの頬が真っ赤に染まる。
「あらら~、顔真っ赤。・・・かーわいいぃ~。」
「お、ほんとだ。」
からかう井上と玉城に、恨めしそうに視線を向ける。が、年下とバレてしまった為に、強く出れなくなってしまい、ルルーシュは口を紡いだまま顔を真っ赤にしてうつむく。
「ゼロ・・・いや、ルルーシュ君、だっけ?嫌でないのなら、カレンの気持ちを受けてやってくれないか?」
扇に言われたルルーシュは、ウッと詰まってから、もう一度カレンを見やり、ルルーシュはその真剣な眼差しに、おろおろとしだす。
「か、カレン、お・・・俺は・・・。」
「学園の女の子達に告白され慣れてるでしょ?何で今更そんなおろおろしてるのよ。」
首を傾げるカレンに、ルルーシュは顔を真っ赤にしたまま叫んだ。
「気になっている相手に告白されたら、誰だって動揺するに決まっているだろッ!!!」
一瞬キョトンとしたカレンだが、ルルーシュの言葉の意味を理解したと同時に顔を真っ赤にした。
「そ・・・それって・・・。」
「~っ!・・・何度も言う気は無い!!」
乱暴に仮面を被り、身を翻したルルーシュは、慌てたようにラウンジを出て行った。
「・・・ゼ、ゼロぉぉお・・・そんな・・・。」
ルルーシュを見送り、ディートハルトが呟いて失神する。
「あ~・・・あれが俗に言う、ツンデレね。」
井上が呟くと、玉城がゲラゲラと笑う。
「はははっ・・・ゼロがあんなおろおろすんの初めて見たぜ!」
「・・・笑ったら、かわいそうだろ?」
困ったように言う扇に、玉城がだってよ~と反論して、腹を抱えて笑う。
「・・・カレン?どうしたの?」
そんな中、黙り込んでしまったカレンを、心配した井上が声をかける。
「もぉぉぉぉぉ・・・・。」
いきなり唸り出したカレンに、井上がギョッとして身を引く。
「か、カレン?」
扇も玉城もカレンの様子に、そろりと離れる。
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