Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・ルルナナは桐原公宅へ居候
・黒の騎士団は別に存在
・紅月ナオトが生きていて零(ゼロ)になってます!
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
日本における、ブリタニアへの最大の抵抗組織、黒の騎士団。
それを率いる零(ゼロ)と幹部達が揃って桐原の屋敷へとやって来た。ブリタニアの支配が届かぬこの地に足を踏み入れるのは、零でさえも初めてだった。
「・・・な、なあ、本当に大丈夫なのか?」
「ああ。大丈夫だよ、扇。・・・ただ、ここじゃないとマズイ話があるということだったが。」
零の答えにホッと息をついた扇と呼ばれた青年は、ちらりと後ろを振り返る。
「・・・幹部達はともかく・・・カレンまで連れてくるなんて・・・今は、ブリタニアの貴族の父親の下で暮らしてるんだろう?」
「・・・良いんだ。あの子が決めたんだから。俺が言ったって、聞きゃしない。」
肩を竦める零は完全に兄の顔だ。
紅月ナオト、それが黒の騎士団を率いてきたリーダーの名。零という名を名乗るのも、バイザーで素顔を隠すのも、カレンや母の立場を考えてのことだった。
だが、そのカレンが、とてつもない才能を発揮し始め、遊び半分で、試しにキョウトから貰い受けた紅蓮に乗せてみたところ、驚くべき数値を叩き出してくれた。
「・・・まぁ、カレンが紅蓮弐式に乗ってくれれば、戦力は一段と上がるけど・・・。」
最初は渋っていた幹部達も、カレンの明るさに絆されて、騎士団の一員として認めつつある。そんな中、幼い頃から知っている扇は、本当の妹のように思っているカレンを危険な目に合わせたくないとも思っていた。
「扇が心配してくれるのは嬉しい。でも、あの子も子どもじゃない。・・・自分で自分の未来を切り開きたいというあの子の願いを、俺は拒めないよ。」
「・・・まぁ、そうなんだけどな・・・。」
桐原の屋敷の庭を通り抜け、ようやく玄関に着く。すると、使用人だろうか、和服の女性が深々と頭を下げた。
「零様と黒の騎士団の皆様ですね?・・・旦那様がお待ちです。応接室にご案内致しますので、どうぞ、こちらへ。」
そして、案内されるままに、応接室に通されたナオト達は、その場の光景にあんぐりと口を開けてしまった。
「おお、来たか。」
にこにこと笑う老人、桐原だ。それは良い。彼に呼び出されたのだから。
だが、その彼の隣にいるのは、どこからどう見てもブリタニア人の、しかも、車椅子に乗った儚げな美少女と、すごい形相で桐原を睨みつけている美少年の2人。
少女の方はともかくとしても、少年は何であんなに桐原を睨みつけているのだろう?というか、入って来て良かったんだろうか?と、入口で悶々としていたら、桐原に手招きされた。
「そんなところで固まっておらんで、はようこちらに来い。」
「桐原さんのせいでしょうが!!何の説明も無しに、こんな状況に放り込まれたら、誰だって驚きます!!」
がなりたてたのは、少年の方。かなりご立腹らしく、顔が真っ赤になっている。
「お、お兄様、落ち着いて・・・。」
少女の方が困ったように言うが、少年の怒りは収まらない。
「大体、桐原さんはいつもそうなんです!!突然!思い立ったようにッ!!」
「ルルーシュ・・・。」
言われっ放しだった桐原が真面目な表情をうかべるので、ナオト達は緊張してしまう。あんな不敬をして、なんて怖いもの知らずの少年なのだろうと思う。
が、怒り心頭の少年は、そんな桐原をただ、ムスッと睨みつける。
「・・・何ですか?」
「・・・・・・ワシを呼ぶ時は、おじい様、じゃ。」
ガクっとずっこけそうになって、ナオト達は、思わず突っ込みかけた。が、相手はキョウトの重鎮であるということをかろうじて思い出し、口を紡ぐ。その瞬間、少年の方がキレた。
「真面目な顔して、何、言ってんですかぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
ご尤もです。と頷かずにはいれなかった。まさか、桐原がこういう人物とは思いもよらなかったのだから、仕方が無い。
「やれやれ、耳元で叫ぶでないわ。ちゃんと聞こえ取るわい。」
しれっと言った桐原に、少年はヒク、と口元を引き攣らせる。
「・・・ほほう、お・じ・い・さ・まは、今晩の食事は抜き、ということでよろしいようですねぇ?」
「!?・・・ま、待て待て、そ、それはいかんぞ?老人は大切にしないといかんのだぞ?食事を抜くなど、虐待じゃ!!」
「虐待されたくなければ、こういう場面で冗談を言うのはやめて下さい。」
「・・・冗談じゃ、無いのにのう・・・。」
「き~り~は~ら~さ~ん~~~~?」
「・・・う。・・・わかったわい。」
食事には代え難かったらしく、桐原が折れると、少年は満足そうに頷く。
「わかれば良いんです。・・・ああ、すみません。お騒がせして。ビックリされたでしょう?」
こちらに笑みを向けてくる少年の口から出た言葉は流暢な日本語。もちろん、最初から彼は日本語を話していたのだが、改めて聞いても、訛りもまったくない、美しい日本語だった。
「あ、いや・・・。」
ナオトが応じると、少年は嬉しそうな笑みをうかべた。
「ああ、貴方が零、ですか?雰囲気が写真と同じだ。」
その笑みがあまりにも綺麗なので、ぽ~っとしてしまう。が、答えないわけにもいかないので、ナオトは頷いた。
「ああ。そうだ。・・・ええと、君は?」
「ああ、失礼しました。俺はルルーシュ・ランペルージです。この子は俺の妹でナナリー・ランペルージ。」
「こんにちは。先程は大変失礼しました。」
ぺこりと頭を下げた少女も、流暢な日本語を話している。そのことに驚きつつ、ナオトは桐原の方を見る。
「あの・・・桐原公・・・。」
「ああ、すまんの。・・・この子等はワシが7年前から預かっている子ども達でな。」
「7年前、ですか?・・・つまり、開戦前から、ということですよね?」
「・・・ああ。そうじゃよ。・・・この子等はブリタニアの貴族に狙われておったからの。」
桐原の言葉に、幹部達も後ろでざわめく。
「ナオト・・・。」
扇の視線がブリタニア人の少年と少女に釘付けになっているのを見て、ナオトは首を傾げる。
「どうした?扇?」
「・・・彼等は・・・ブリタニアの皇族だ。」
扇の言葉に、ざわめきが一瞬止まり、そして、その後、じわじわと幹部達が不信感を露わにしだすのを感じる。
「・・・桐原公。」
「・・・やはり、知っておる者がいたか。・・・そうじゃよ。この子等は、留学生として日本にやって来た、ブリタニアの皇族。まあ、実際は人質じゃがの。・・・だが、勘違いするでないぞ?この子等は生母をブリタニアに殺されており、自分等も父帝に見捨てられ、ブリタニアを憎んでおる。」
桐原の言葉に、ナオトは眉根を寄せた。
「・・・彼等がいるのに、ブリタニアは開戦したんですか?」
「ああ。終戦直前にワシが預かった。・・・もう少しでこの子等は何も言わぬ躯にされていたところだった。理解しろとは言わんが、今、お主等が対しているブリタニアとは別物だと考えて貰いたい。」
「・・・わかりました。」
ナオトが頷くと、後ろの幹部達も渋々と言った様子で頷く。“零”の決定は絶対だ。それは、組織を瓦解させないための暗黙の了解だ。
「うむ。黒の騎士団がしっかりとした組織で助かるわい。・・・ルルーシュ、ナナリー。お主達の持つ情報をこ奴等に教えてやっておくれ。」
桐原はホッとした様子で頷き、ルルーシュとナナリーを振り返る。
「・・・俺達が持っている情報は古いものです。でも、皆さんの役には立つと思います。・・・まず、現総督クロヴィス・ラ・ブリタニアですが――――。」
ルルーシュが口を開き、つらつらと皇族の情報を話しだす。それは、実際にナオト達が集めた情報よりもほんの少し内側から見た目線で語られていて、しかも、必要な情報だけまとめられていてわかりやすい。
そして、ルルーシュが話し終える頃には、幹部達に渦巻いていた不信感など吹き飛んでいて、これはどうだ、あれはどうだと聞き出す始末で・・・。
「・・・やれやれ・・・杞憂に終わったか。」
幹部達に囲まれているルルーシュやナナリーを見ながら、ぼそりと呟いた桐原に目をやれば、嬉しそうに笑っているので、ナオトまで表情が緩んでくる。
「・・・彼等に会わせたのは、何故です?」
そう訊ねれば、桐原は肩を竦めた。
「・・・そうさのう・・・あの子達が、ブリタニアを憎んでいて・・・いつか、行動を起こすだろうと思っていたから、じゃな。だから、信頼できるお主のところにでも預けて、実戦を積ませようかと思ったんじゃが・・・。」
「なるほど・・・そういう意図でしたか。」
苦笑を浮かべ、ナオトはルルーシュの方へ視線を向ける。
「・・・目に入れても痛くないくらいの可愛がりようですね?」
「ふん、何とでも言うが良い。あの子等はワシの宝じゃ。・・・くれぐれも丁重に扱えよ?」
「承知しました。」
クツクツと笑い、ナオトは頷く。
「お兄ちゃん・・・。」
突然、ぼそり、と妹に呼ばれ、ナオトは後ろを振り返る。
「ん?どうした?カレン?」
「・・・・・・どうしよう、私・・・なんか、変。」
「カレン?」
ぽ~っとなって、ルルーシュを見つめるカレンを見て、ナオトはピンときた。確かに、見目麗しい少年であるから、年頃の少女であるカレンの“そういう”対象になってもおかしくはないが。
「桐原公・・・彼はいくつです?」
「今年で、17になるな。」
「カレンと同じですか・・・。」
「その娘が、前に云うておった、素晴らしいパイロットの素質があったという妹か?」
「ええ。」
「・・・・・・ありゃ、惚れたのう。」
桐原が真面目に言うので、ナオトは苦笑する。
「・・・みたいですね。」
「良い理解者となってくれるかのう?」
「カレンは、優しい子ですから・・・大丈夫ですよ。」
桐原の心配そうな表情を見て、ナオトはカレンに太鼓判を押した。
「そうか。ならば、良い。・・・まあ、こういうことは、本人達の問題じゃからの。」
ホッとした様子を見せ、桐原はナオトを見上げる。
「・・・あの子等は・・・特に、兄のルルーシュは、大人の汚い部分を見過ぎておる。だから、妙に壁を作るし、慣れるまでは警戒心も露わにするじゃろう。だが、それも全て、受け入れてやってくれ。あの子は・・・日本を愛しておるよ。」
「はい。承知しました。」
頷いたナオトに、桐原はにやりと笑って見せる。
「良い返事じゃの。」
「キョウトの重鎮には逆らえませんし?」
「・・・言うようになったの。」
やれやれと肩を竦める桐原に、ナオトは笑みをうかべる。
「まぁ、貴方との付き合いも長くなりましたしね。」
「・・・ルルーシュに悪い影響が出なければ良いがの・・・今でさえ、他の側近達の影響を受けて口煩くなっておるというに。」
「はは。そりゃ、大変ですね。」
「笑い事ではないわい。」
ぼやく桐原に、ナオトは目を細めた。
桐原にとって、あの皇子と皇女は相当大切なものなのだとわかる。その皇子を預けてくれるというのだから、頑張らねばなるまいと気合を入れた。
優しい世界を作る。それは、この場にいる皆の望み。
着実にその時は近づいている。
ルルーシュと零(ゼロ)・・・紅月ナオトの出会いによって。
おしまい
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・ルルナナは桐原公宅へ居候
・黒の騎士団は別に存在
・紅月ナオトが生きていて零(ゼロ)になってます!
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
日本における、ブリタニアへの最大の抵抗組織、黒の騎士団。
それを率いる零(ゼロ)と幹部達が揃って桐原の屋敷へとやって来た。ブリタニアの支配が届かぬこの地に足を踏み入れるのは、零でさえも初めてだった。
「・・・な、なあ、本当に大丈夫なのか?」
「ああ。大丈夫だよ、扇。・・・ただ、ここじゃないとマズイ話があるということだったが。」
零の答えにホッと息をついた扇と呼ばれた青年は、ちらりと後ろを振り返る。
「・・・幹部達はともかく・・・カレンまで連れてくるなんて・・・今は、ブリタニアの貴族の父親の下で暮らしてるんだろう?」
「・・・良いんだ。あの子が決めたんだから。俺が言ったって、聞きゃしない。」
肩を竦める零は完全に兄の顔だ。
紅月ナオト、それが黒の騎士団を率いてきたリーダーの名。零という名を名乗るのも、バイザーで素顔を隠すのも、カレンや母の立場を考えてのことだった。
だが、そのカレンが、とてつもない才能を発揮し始め、遊び半分で、試しにキョウトから貰い受けた紅蓮に乗せてみたところ、驚くべき数値を叩き出してくれた。
「・・・まぁ、カレンが紅蓮弐式に乗ってくれれば、戦力は一段と上がるけど・・・。」
最初は渋っていた幹部達も、カレンの明るさに絆されて、騎士団の一員として認めつつある。そんな中、幼い頃から知っている扇は、本当の妹のように思っているカレンを危険な目に合わせたくないとも思っていた。
「扇が心配してくれるのは嬉しい。でも、あの子も子どもじゃない。・・・自分で自分の未来を切り開きたいというあの子の願いを、俺は拒めないよ。」
「・・・まぁ、そうなんだけどな・・・。」
桐原の屋敷の庭を通り抜け、ようやく玄関に着く。すると、使用人だろうか、和服の女性が深々と頭を下げた。
「零様と黒の騎士団の皆様ですね?・・・旦那様がお待ちです。応接室にご案内致しますので、どうぞ、こちらへ。」
そして、案内されるままに、応接室に通されたナオト達は、その場の光景にあんぐりと口を開けてしまった。
「おお、来たか。」
にこにこと笑う老人、桐原だ。それは良い。彼に呼び出されたのだから。
だが、その彼の隣にいるのは、どこからどう見てもブリタニア人の、しかも、車椅子に乗った儚げな美少女と、すごい形相で桐原を睨みつけている美少年の2人。
少女の方はともかくとしても、少年は何であんなに桐原を睨みつけているのだろう?というか、入って来て良かったんだろうか?と、入口で悶々としていたら、桐原に手招きされた。
「そんなところで固まっておらんで、はようこちらに来い。」
「桐原さんのせいでしょうが!!何の説明も無しに、こんな状況に放り込まれたら、誰だって驚きます!!」
がなりたてたのは、少年の方。かなりご立腹らしく、顔が真っ赤になっている。
「お、お兄様、落ち着いて・・・。」
少女の方が困ったように言うが、少年の怒りは収まらない。
「大体、桐原さんはいつもそうなんです!!突然!思い立ったようにッ!!」
「ルルーシュ・・・。」
言われっ放しだった桐原が真面目な表情をうかべるので、ナオト達は緊張してしまう。あんな不敬をして、なんて怖いもの知らずの少年なのだろうと思う。
が、怒り心頭の少年は、そんな桐原をただ、ムスッと睨みつける。
「・・・何ですか?」
「・・・・・・ワシを呼ぶ時は、おじい様、じゃ。」
ガクっとずっこけそうになって、ナオト達は、思わず突っ込みかけた。が、相手はキョウトの重鎮であるということをかろうじて思い出し、口を紡ぐ。その瞬間、少年の方がキレた。
「真面目な顔して、何、言ってんですかぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
ご尤もです。と頷かずにはいれなかった。まさか、桐原がこういう人物とは思いもよらなかったのだから、仕方が無い。
「やれやれ、耳元で叫ぶでないわ。ちゃんと聞こえ取るわい。」
しれっと言った桐原に、少年はヒク、と口元を引き攣らせる。
「・・・ほほう、お・じ・い・さ・まは、今晩の食事は抜き、ということでよろしいようですねぇ?」
「!?・・・ま、待て待て、そ、それはいかんぞ?老人は大切にしないといかんのだぞ?食事を抜くなど、虐待じゃ!!」
「虐待されたくなければ、こういう場面で冗談を言うのはやめて下さい。」
「・・・冗談じゃ、無いのにのう・・・。」
「き~り~は~ら~さ~ん~~~~?」
「・・・う。・・・わかったわい。」
食事には代え難かったらしく、桐原が折れると、少年は満足そうに頷く。
「わかれば良いんです。・・・ああ、すみません。お騒がせして。ビックリされたでしょう?」
こちらに笑みを向けてくる少年の口から出た言葉は流暢な日本語。もちろん、最初から彼は日本語を話していたのだが、改めて聞いても、訛りもまったくない、美しい日本語だった。
「あ、いや・・・。」
ナオトが応じると、少年は嬉しそうな笑みをうかべた。
「ああ、貴方が零、ですか?雰囲気が写真と同じだ。」
その笑みがあまりにも綺麗なので、ぽ~っとしてしまう。が、答えないわけにもいかないので、ナオトは頷いた。
「ああ。そうだ。・・・ええと、君は?」
「ああ、失礼しました。俺はルルーシュ・ランペルージです。この子は俺の妹でナナリー・ランペルージ。」
「こんにちは。先程は大変失礼しました。」
ぺこりと頭を下げた少女も、流暢な日本語を話している。そのことに驚きつつ、ナオトは桐原の方を見る。
「あの・・・桐原公・・・。」
「ああ、すまんの。・・・この子等はワシが7年前から預かっている子ども達でな。」
「7年前、ですか?・・・つまり、開戦前から、ということですよね?」
「・・・ああ。そうじゃよ。・・・この子等はブリタニアの貴族に狙われておったからの。」
桐原の言葉に、幹部達も後ろでざわめく。
「ナオト・・・。」
扇の視線がブリタニア人の少年と少女に釘付けになっているのを見て、ナオトは首を傾げる。
「どうした?扇?」
「・・・彼等は・・・ブリタニアの皇族だ。」
扇の言葉に、ざわめきが一瞬止まり、そして、その後、じわじわと幹部達が不信感を露わにしだすのを感じる。
「・・・桐原公。」
「・・・やはり、知っておる者がいたか。・・・そうじゃよ。この子等は、留学生として日本にやって来た、ブリタニアの皇族。まあ、実際は人質じゃがの。・・・だが、勘違いするでないぞ?この子等は生母をブリタニアに殺されており、自分等も父帝に見捨てられ、ブリタニアを憎んでおる。」
桐原の言葉に、ナオトは眉根を寄せた。
「・・・彼等がいるのに、ブリタニアは開戦したんですか?」
「ああ。終戦直前にワシが預かった。・・・もう少しでこの子等は何も言わぬ躯にされていたところだった。理解しろとは言わんが、今、お主等が対しているブリタニアとは別物だと考えて貰いたい。」
「・・・わかりました。」
ナオトが頷くと、後ろの幹部達も渋々と言った様子で頷く。“零”の決定は絶対だ。それは、組織を瓦解させないための暗黙の了解だ。
「うむ。黒の騎士団がしっかりとした組織で助かるわい。・・・ルルーシュ、ナナリー。お主達の持つ情報をこ奴等に教えてやっておくれ。」
桐原はホッとした様子で頷き、ルルーシュとナナリーを振り返る。
「・・・俺達が持っている情報は古いものです。でも、皆さんの役には立つと思います。・・・まず、現総督クロヴィス・ラ・ブリタニアですが――――。」
ルルーシュが口を開き、つらつらと皇族の情報を話しだす。それは、実際にナオト達が集めた情報よりもほんの少し内側から見た目線で語られていて、しかも、必要な情報だけまとめられていてわかりやすい。
そして、ルルーシュが話し終える頃には、幹部達に渦巻いていた不信感など吹き飛んでいて、これはどうだ、あれはどうだと聞き出す始末で・・・。
「・・・やれやれ・・・杞憂に終わったか。」
幹部達に囲まれているルルーシュやナナリーを見ながら、ぼそりと呟いた桐原に目をやれば、嬉しそうに笑っているので、ナオトまで表情が緩んでくる。
「・・・彼等に会わせたのは、何故です?」
そう訊ねれば、桐原は肩を竦めた。
「・・・そうさのう・・・あの子達が、ブリタニアを憎んでいて・・・いつか、行動を起こすだろうと思っていたから、じゃな。だから、信頼できるお主のところにでも預けて、実戦を積ませようかと思ったんじゃが・・・。」
「なるほど・・・そういう意図でしたか。」
苦笑を浮かべ、ナオトはルルーシュの方へ視線を向ける。
「・・・目に入れても痛くないくらいの可愛がりようですね?」
「ふん、何とでも言うが良い。あの子等はワシの宝じゃ。・・・くれぐれも丁重に扱えよ?」
「承知しました。」
クツクツと笑い、ナオトは頷く。
「お兄ちゃん・・・。」
突然、ぼそり、と妹に呼ばれ、ナオトは後ろを振り返る。
「ん?どうした?カレン?」
「・・・・・・どうしよう、私・・・なんか、変。」
「カレン?」
ぽ~っとなって、ルルーシュを見つめるカレンを見て、ナオトはピンときた。確かに、見目麗しい少年であるから、年頃の少女であるカレンの“そういう”対象になってもおかしくはないが。
「桐原公・・・彼はいくつです?」
「今年で、17になるな。」
「カレンと同じですか・・・。」
「その娘が、前に云うておった、素晴らしいパイロットの素質があったという妹か?」
「ええ。」
「・・・・・・ありゃ、惚れたのう。」
桐原が真面目に言うので、ナオトは苦笑する。
「・・・みたいですね。」
「良い理解者となってくれるかのう?」
「カレンは、優しい子ですから・・・大丈夫ですよ。」
桐原の心配そうな表情を見て、ナオトはカレンに太鼓判を押した。
「そうか。ならば、良い。・・・まあ、こういうことは、本人達の問題じゃからの。」
ホッとした様子を見せ、桐原はナオトを見上げる。
「・・・あの子等は・・・特に、兄のルルーシュは、大人の汚い部分を見過ぎておる。だから、妙に壁を作るし、慣れるまでは警戒心も露わにするじゃろう。だが、それも全て、受け入れてやってくれ。あの子は・・・日本を愛しておるよ。」
「はい。承知しました。」
頷いたナオトに、桐原はにやりと笑って見せる。
「良い返事じゃの。」
「キョウトの重鎮には逆らえませんし?」
「・・・言うようになったの。」
やれやれと肩を竦める桐原に、ナオトは笑みをうかべる。
「まぁ、貴方との付き合いも長くなりましたしね。」
「・・・ルルーシュに悪い影響が出なければ良いがの・・・今でさえ、他の側近達の影響を受けて口煩くなっておるというに。」
「はは。そりゃ、大変ですね。」
「笑い事ではないわい。」
ぼやく桐原に、ナオトは目を細めた。
桐原にとって、あの皇子と皇女は相当大切なものなのだとわかる。その皇子を預けてくれるというのだから、頑張らねばなるまいと気合を入れた。
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