Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・にょたルル
・藤堂とルルは婚約者(桐原さんグッジョブ)
・↑というわけで、四聖剣とルルナナは昔からのお知り合い
・騎士団にゼロバレ
・絶賛☆捏造中!!
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「・・・話はついたみたいだな。」
音も無く、部屋に入ってきた者の声に、四聖剣が身構える。が、
「・・・ああ。ありがとう、C.C.・・・。」
落ち着いた調子でルルーシュが笑みをうかべるので、害は無し、と判断した。
「・・・C.C.は知ってるの?」
「こいつが女ってことか?それとも、皇族だったことか?」
そう問い返すということは、全部知っていると言っているのと同じで。
「ふーん・・・なんか、面白くない。」
ムスッと朝比奈がむくれると、C.C.は何とも小馬鹿にしたような表情をうかべた。
「私は、こいつの共犯者だ。だから、全てを知っているし、全てを知っていなければいけない。そうでなければ、こいつのフォローなんて無理だからな。・・・だが、こいつ、最初は女であることを隠してたんだぞ、私に。」
「へ~、じゃあ、どうやって知ったんだ?」
卜部が訊ねると、C.C.はにやりと笑ってルルーシュを見る。その視線に、ルルーシュはハッとして慌て出す。
「し、C.C.!!・・・言うなッ!」
「ナナリーに言われただろう?男言葉を使うなって。」
「・・・っっ!・・・C.C.!!」
「ふふ・・・面白半分で童貞坊やの体はどうなってる?と触ったら、あるハズのモノが無くて、ないハズのモノがあるじゃないか。さすがの私も驚いたぞ。」
「それ、セクハラ・・・。」
朝比奈が呆然と呟き、千葉や卜部が顔を青くしたり赤くしたりしている。
「・・・その時は、風呂上りで・・・さすがにコルセットで締めるのは嫌だなって思ってたら、C.C.がベットの中に突然入ってきて・・・。」
「・・・なるほど・・・それは、さぞ、驚かれましたでしょうな・・・姫様は昔から純情でいらしたから・・・。」
真っ赤な顔でその時の説明をするルルーシュに、仙波もいくらか頬を赤く染めて応じる。それは、いつぞやか藤堂がこぼしていたことだった。
曰く“ルルーシュは純情すぎて、どこまで手を出して良いかわからない”という、惚気なんだか悩みなんだかわからない言葉だったのだが、仙波にしてみれば、職業軍人の藤堂が、10歳の少女相手にまともに悩んでいたので、ついつい、笑ってしまって、藤堂に睨まれたのだ。
「・・・うう。鏡志郎さんには言わないでッ・・・後生だからッッ!!」
― 言われずとも!!
ルルーシュの懇願に、四聖剣全員が心の中で同時に叫んだ。こんなことを藤堂に言ったら、血の雨が降る。絶対。しかも、C.C.のとかルルーシュのとかじゃなくて、自分達の内の誰かのであることは間違いないのだから。
黒の騎士団幹部のラウンジ
「お~・・・皆揃ってんなぁ・・・。」
のんびりとした調子で言った卜部が、ラウンジに入ってくると、幹部達がにこやかに出迎えの言葉を口にしていく。
「・・・中佐もこっちにいましたか。」
「ああ。少し、扇と打ち合わせておかなければならない所があってな。何か、俺に用だったか?」
「あ~・・・まぁ、用っちゃ用なんですがね・・・。」
歯切れの悪い卜部に、藤堂は訝しげに眉を顰めると、書類をテーブルに置いて、卜部に近寄る。
「・・・どうした?」
「あ・・・いや、プライベートなことで・・・あ~でも、幹部には知っといてもらった方が良いかと・・・。」
「お前らしくないな、はっきり言え。」
肩を竦めた藤堂に、卜部は心の中で“俺は責任取りませんよ~”と呟く。
「中佐の婚約者・・・生きてたんですけど・・・っつーか、今、このラウンジの外、にいるんですよ。」
卜部の言葉に、藤堂と幹部達が固まる。
「・・・え、藤堂さんの、婚約者?」
「キョウトの桐原公が、中佐に似合いだからと。でも、戦争終結の前後に死亡したっていう情報が流れて、それ以来会ってない。」
扇の問いに、卜部が答える。それだけで、幾分か同情の視線が藤堂に向けられる。
「・・・彼女が、生きてる?」
「あ、はい。」
藤堂に問われて、卜部はこくりと頷く。途端に、ガシッと腕を掴まれる。
「っ!?・・・中佐!?」
「本当に!?彼女がッ!!?」
「は、はい・・・その、色々と戸籍なんかをいじって、隠れてたみたいです。」
必死に問う藤堂に、卜部は笑みをうかべる。これだけ藤堂が動揺するのは珍しい。やはり、彼女は藤堂の“特別”なのだ。もちろん、自分達四聖剣にとっても彼女は“特別”なのだが。
「逃げてるのか・・・あそこから。」
「ええ。ですからね、中佐。俺らが守ってやらねーと・・・でしょう?」
「・・・・・・・・・いるんだな?」
「・・・いますよ。」
卜部は頷いて、視線だけで、ラウンジの入り口を指す。藤堂は入口まで走っていき、バンッ、と壁に手をつく。シュッとドアが開くが、幹部達のところからでは、藤堂の身体が邪魔で、婚約者とやらが見えない。
「っ・・・生きていたのか。」
「はい・・・何のお知らせもできなくて・・・すみません。」
涼やかな声で応じる。その声が思ったよりも幼く聞こえ、幹部達がざわめく。
「・・・良かっ・・・たッ!!」
藤堂がとうとう感極まったように言葉を詰まらせて、その身体を抱きしめる。するり、とその背に回された腕があまりにも白く細いので、またもざわめきが起こる。
「う、卜部さん。」
扇が説明して欲しそうに卜部の顔を見る。
「・・・ま~、説明は中佐から聞いてくれな。俺からは何にも言えねぇよ・・・。」
「・・・です、よね・・・。」
がっくりと肩を落とし、扇は藤堂の背中に回された腕を見つめる。あれだけ藤堂が感情をあらわにするのは珍しい。余程、大切な女性なのだろう。その腕の細さに、苦労をしてきただろうことが窺える。
「・・・今までどこに?」
「・・・アッシュフォードに匿って頂いていました。」
その答えに、幹部達の視線がカレンに向く。
「アッシュフォードって。」
「うちの、学園関係者?・・・って、いっぱいいるから、私が知ってる人とは限らないわよね。」
幼稚舎から大学院まであるアッシュフォード学園。関わりのある人間など、山ほどいる。
「だよなぁ・・・っていうか、早く紹介してくんねーかな。」
ぼやいた玉城の言葉が聞こえたのか、藤堂がラウンジの方を振り返る。
「すまん・・・いろいろな事情があるんだが・・・まずは、紹介する。」
藤堂が身体を退かし、婚約者という女性の姿が幹部達の前に晒される。その瞬間、その美貌に、ほぼ全員があんぐりと口を開けて呆然となる中、たった1人、カレンだけがさぁっと顔を青褪めさせた。
「あ、ああ、あんた!!ルルーシュ!!?」
「・・・・カレン、知り合い?」
隣にいた井上が首を傾げるが、カレンの意識はすっかりルルーシュに向けられていた。
「ちょっと!!藤堂さんの婚約者って、ふざけてるのッ!?・・・だって、あんた、男じゃない!!!」
そう叫ぶカレンの言葉に、幹部達がえっ、という顔をして、ルルーシュの顔をしげしげと眺める。
「・・・そうか、紅月君と。」
藤堂が困ったように眉を顰め、ルルーシュを見る。
「はい・・・同級生で。生徒会でも一緒なんです。」
藤堂に答える声は、いつも聞き慣れたテノールではなく、少し高めのアルト。
「・・・せ、説明してよ!!あんた本当は女なの!?」
カレンの追及に、ルルーシュは苦笑をうかべて頷く。そして、藤堂を見上げる。
「鏡志郎さん。」
「ああ・・・行こう。」
藤堂がエスコートして、少し上の段にある入口から、ラウンジの中心へとルルーシュが降りてくる。
「・・・ルルーシュ、よね?」
ルルーシュの恰好はワイシャツに黒いスラックス。男性の格好だ。が、その胸のわずかなふくらみに目をやって、カレンは自分に、自信が持てなくなった。
「黙っていて、すまない。・・・“私”は女だ。ちょっとした事情があって、男と性別を偽っていた。」
「・・・これ、会長とか、リヴァルとか・・・・・・スザクとか、知ってるの?」
眉を顰めるカレンに、ルルーシュは首を横に振った。
「・・・いや、知らない。・・・ナナリーも知らなかったんだ。“男”として生きるようにと親に言い聞かされていたから・・・。たぶん、アッシュフォードの理事長くらいは知ってると思うけど。」
「藤堂さんと婚約者って・・・君、ブリタニア人、だよね?」
脇から扇に問われ、ルルーシュは困ったように笑って頷く。
「・・・7年前、枢木家にお世話になっていて・・・その時、桐原公に見初められて・・・鏡志郎さんの婚約者になれ、と。そう言われたんです。四聖剣の皆とも、その頃からの付き合いです。」
「7年前って・・・君、カレンと同い年だろ?ってことは・・・。」
「当時は10歳です。鏡志郎さんは、30歳、でしたよね?」
「ああ・・・。」
20歳差という事実に、幹部達が愕然とする。
「・・・それって、犯罪じゃ・・・。」
ぼそ、と呟いた玉城を隣にいた南が張り飛ばす。
「・・・言うな、馬鹿!」
「いや、そう、言われてもおかしくないことは理解している。・・・だが、立場が立場だ。それが、彼女の身を守る方法になるのならと、そう思ったのも確かだ。」
「・・・立場?身を守るって??」
訊ねる杉山に、藤堂が渋い表情で答えた。
「当時、彼女の立場はとても微妙なものだった。・・・彼女は、ブリタニアからの留学生だった。表向きは。・・・実際は、人質だ。ブリタニアから攻め込まないという意思表示のための、な。」
「人質!?」
「ああ・・・だから、枢木家での扱いも悪かった。埃だらけで、天窓が1つだけしかない、土蔵に、彼女と彼女の妹を放り込んだ。・・・周りの日本人からも随分と冷たい態度を取られたらしいが。」
その辺りの詳しいことは、ルルーシュに訊ねても話そうとしないので、藤堂自身良く知っているわけではないが、スザクから聞いた話だと、相当だったらしいと告げる。
「“私”はずっと本国から逃げ隠れて来た。・・・だから、表だって、ブリタニアに反抗することは出来なかった。・・・ルルーシュとしてできることなんて、日本人がブリタニア人に酷い扱いをされてるときに、仲裁するくらいだ。」
以前、その場面に出くわしたことのあるカレンは、その後に交わした言葉を思い出して苦い表情をうかべる。
「・・・そんなこととは知らないで、あの時はごめんなさい。」
「いや・・・カレンが怒ったのも当然だよ。」
肩を竦めるその様子は、いつものルルーシュで。
「男前すぎるわ・・・すっかり騙された。女の子だなんて思えないわよ。」
「・・・ずっと演じてきたから。」
フッと視線を伏せて笑うルルーシュに、幹部達も同情的に視線を送る。そんな幹部達を困ったようにルルーシュは見つめる。
「・・・そんな、顔・・・しないで下さい。“私”は貴方方に同情して貰える人間じゃない。」
「姫さん!!」
「姫様!」
卜部と仙波が声をあげる。
「姫さんはいつだって、小(ちい)姫のために自分の感情を押し殺してきたじゃねーか、ちょっとくらい、同情させておけよッッ!」
「姫様・・・姫様の悪いところですぞ。ご自分を大切にして下され。でないと、中佐が悲しまれますぞ。」
「・・・あ。」
ルルーシュが口元を押さえて、藤堂を見上げる。すると、藤堂は少し困ったように笑んで、ルルーシュの頭を撫でる。
「・・・君が悪い訳じゃないだろう・・・君だって戦争の被害者だ。」
「でも・・・“私”に人質としての価値が無かったから・・・。」
藤堂を見上げる純紫の瞳が潤む。
「・・・ルル。」
藤堂はますます困ったように眉を顰める。やはり、どう扱って良いものかわからないのだ。それを見た千葉がフッと溜め息をつく。
「中佐、ビシッと言わないとダメですよ。・・・ルルーシュ、そうやって言うのは止せ。お前が悪いんじゃない。ブリタニアが悪い。お前達がいるのがわかっていながら攻めて来たんだから。」
「凪沙さん・・・。」
「もうそろそろ良いだろう。・・・ちょっと勘の良い者は気付いたと思うが、ルルーシュはブリタニアの中でも、人質になり得る地位にいた。」
千葉の言葉に、何となく、そうだろうと気付いていた者は頷き、まったく気づかなかった者は訝しげに眉を顰める。
「・・・それが、どういう意味か、わかるか?」
千葉は、敢えて幹部達に答えを導き出させようとする。
「・・・一般人じゃないよな?それは間違いない・・・。」
扇が言いながら、考えをまとめていく。
「・・・人質?・・・枢木家に身柄を寄せていた??」
扇はそこまで言って、ヒュッと息を呑んだ。
それは、当時、ニュースとして報道された。まだ、子供であり、情勢の悪い中での話だったので、詳しいことは伏せられていた。だから、報道が過熱することも無く、そして、その後はブリタニアと本格的な戦争になってしまい、忘れてしまっていた。
「・・・そうか・・・ブリタニアの皇族だ。」
扇が納得の声をあげる。その瞬間、幹部達がざわりとざわめく。
「・・・っ。」
ビクリ、と震えたルルーシュを支える様に、藤堂がその肩に手を置く。その様子を見たカレンが、無意識の内にその2人を守るようにその前に立った。
「そう。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア・・・それが、ルルーシュの本当の名前だ。」
「本国から逃げてるんだよ。・・・もし、見つかれば、きっと、また、政治の道具にされてしまう。ルルちゃんの妹、ナナリーちゃんは足も不自由で目も見えない、だから、もう2度と危険な目に合わせたくないんだよ。」
千葉と朝比奈の言葉に、幹部達のざわめきが消える。そして、ルルーシュの方へと視線を向け、怯えている当人を見て、自分達の反応を恥じた。あれだけの事情を聞かされておきながら、ブリタニアの名前にその事情が頭から一時抜けた。
「・・・でも、それじゃあ、ここにいるのってマズイんじゃないの?」
井上が心配そうに言う。
「そうよ!どうして来たのよ?」
「・・・ん、やっぱり、ちゃんと、言っておいた方が良いって、ナナリーに言われて。」
「・・・あ!じゃあ、生徒会室で言ってた懐かしい人って!?」
「うん。鏡志郎さんのこと。」
頷くルルーシュに、もう、怯えは見えない。元々、度胸はある方だから、当然なのだろうが。
「良く、ここがわかったわね。どうやって調べたの?」
「・・・・・・・・う。」
カレンの純粋な問いに、ルルーシュは呻く。
「・・・それもそうだな?ここをどうやって知ったんだ?」
藤堂もルルーシュの肩に手を置いたまま、訊ねる。
「な、凪沙さん・・・。」
ルルーシュは助けを求める様に千葉を見る。が、千葉は気まずげにスイッと視線を逸らす。
「う~~卜部さん;」
次に見つめたのは卜部。だが、卜部は首を振るばかりで、何も言わない。
「省吾さ・・・。」
「ごめんっルルちゃん!さすがに無理っ!」
朝比奈に至っては、名前を呼ぶ前に本人から謝られる。
「・・・ルル?」
藤堂に顔を覗きこまれたルルーシュは顔を真っ赤にする。
「・・・鏡志郎さん、怒らない?」
ルルーシュに上目遣いで見つめられて、藤堂はウッと詰まって頬を赤く染める。が、いかんいかんと首を振り、厳しい表情を作る。
「・・・内容による。」
「・・・ロ・・・だから。」
ぼそり、とルルーシュが呟く。が、良く聞こえなかった面々は、ん?と首を傾げる。
「・・・わ、私がッ・・・ぜ、ゼロだからッッ!!」
自棄になって、ルルーシュが叫ぶ。それに、皆がビシッと固まり、ルルーシュは藤堂の反応をビクビクとしながら待つ。
「・・・そ。」
わなわなと震えた藤堂が言葉を発する。その瞬間、四聖剣全員が耳を塞ぎ、ルルーシュもハッとなって耳を塞いだ。
「そういうことは、早く言いなさいッッッ!!!!」
藤堂の怒声が、ラウンジ中に響いて、耳を塞ぎ損ねた幹部達を直撃したのだった。
長編目次に戻る→
・にょたルル
・藤堂とルルは婚約者(桐原さんグッジョブ)
・↑というわけで、四聖剣とルルナナは昔からのお知り合い
・騎士団にゼロバレ
・絶賛☆捏造中!!
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「・・・話はついたみたいだな。」
音も無く、部屋に入ってきた者の声に、四聖剣が身構える。が、
「・・・ああ。ありがとう、C.C.・・・。」
落ち着いた調子でルルーシュが笑みをうかべるので、害は無し、と判断した。
「・・・C.C.は知ってるの?」
「こいつが女ってことか?それとも、皇族だったことか?」
そう問い返すということは、全部知っていると言っているのと同じで。
「ふーん・・・なんか、面白くない。」
ムスッと朝比奈がむくれると、C.C.は何とも小馬鹿にしたような表情をうかべた。
「私は、こいつの共犯者だ。だから、全てを知っているし、全てを知っていなければいけない。そうでなければ、こいつのフォローなんて無理だからな。・・・だが、こいつ、最初は女であることを隠してたんだぞ、私に。」
「へ~、じゃあ、どうやって知ったんだ?」
卜部が訊ねると、C.C.はにやりと笑ってルルーシュを見る。その視線に、ルルーシュはハッとして慌て出す。
「し、C.C.!!・・・言うなッ!」
「ナナリーに言われただろう?男言葉を使うなって。」
「・・・っっ!・・・C.C.!!」
「ふふ・・・面白半分で童貞坊やの体はどうなってる?と触ったら、あるハズのモノが無くて、ないハズのモノがあるじゃないか。さすがの私も驚いたぞ。」
「それ、セクハラ・・・。」
朝比奈が呆然と呟き、千葉や卜部が顔を青くしたり赤くしたりしている。
「・・・その時は、風呂上りで・・・さすがにコルセットで締めるのは嫌だなって思ってたら、C.C.がベットの中に突然入ってきて・・・。」
「・・・なるほど・・・それは、さぞ、驚かれましたでしょうな・・・姫様は昔から純情でいらしたから・・・。」
真っ赤な顔でその時の説明をするルルーシュに、仙波もいくらか頬を赤く染めて応じる。それは、いつぞやか藤堂がこぼしていたことだった。
曰く“ルルーシュは純情すぎて、どこまで手を出して良いかわからない”という、惚気なんだか悩みなんだかわからない言葉だったのだが、仙波にしてみれば、職業軍人の藤堂が、10歳の少女相手にまともに悩んでいたので、ついつい、笑ってしまって、藤堂に睨まれたのだ。
「・・・うう。鏡志郎さんには言わないでッ・・・後生だからッッ!!」
― 言われずとも!!
ルルーシュの懇願に、四聖剣全員が心の中で同時に叫んだ。こんなことを藤堂に言ったら、血の雨が降る。絶対。しかも、C.C.のとかルルーシュのとかじゃなくて、自分達の内の誰かのであることは間違いないのだから。
黒の騎士団幹部のラウンジ
「お~・・・皆揃ってんなぁ・・・。」
のんびりとした調子で言った卜部が、ラウンジに入ってくると、幹部達がにこやかに出迎えの言葉を口にしていく。
「・・・中佐もこっちにいましたか。」
「ああ。少し、扇と打ち合わせておかなければならない所があってな。何か、俺に用だったか?」
「あ~・・・まぁ、用っちゃ用なんですがね・・・。」
歯切れの悪い卜部に、藤堂は訝しげに眉を顰めると、書類をテーブルに置いて、卜部に近寄る。
「・・・どうした?」
「あ・・・いや、プライベートなことで・・・あ~でも、幹部には知っといてもらった方が良いかと・・・。」
「お前らしくないな、はっきり言え。」
肩を竦めた藤堂に、卜部は心の中で“俺は責任取りませんよ~”と呟く。
「中佐の婚約者・・・生きてたんですけど・・・っつーか、今、このラウンジの外、にいるんですよ。」
卜部の言葉に、藤堂と幹部達が固まる。
「・・・え、藤堂さんの、婚約者?」
「キョウトの桐原公が、中佐に似合いだからと。でも、戦争終結の前後に死亡したっていう情報が流れて、それ以来会ってない。」
扇の問いに、卜部が答える。それだけで、幾分か同情の視線が藤堂に向けられる。
「・・・彼女が、生きてる?」
「あ、はい。」
藤堂に問われて、卜部はこくりと頷く。途端に、ガシッと腕を掴まれる。
「っ!?・・・中佐!?」
「本当に!?彼女がッ!!?」
「は、はい・・・その、色々と戸籍なんかをいじって、隠れてたみたいです。」
必死に問う藤堂に、卜部は笑みをうかべる。これだけ藤堂が動揺するのは珍しい。やはり、彼女は藤堂の“特別”なのだ。もちろん、自分達四聖剣にとっても彼女は“特別”なのだが。
「逃げてるのか・・・あそこから。」
「ええ。ですからね、中佐。俺らが守ってやらねーと・・・でしょう?」
「・・・・・・・・・いるんだな?」
「・・・いますよ。」
卜部は頷いて、視線だけで、ラウンジの入り口を指す。藤堂は入口まで走っていき、バンッ、と壁に手をつく。シュッとドアが開くが、幹部達のところからでは、藤堂の身体が邪魔で、婚約者とやらが見えない。
「っ・・・生きていたのか。」
「はい・・・何のお知らせもできなくて・・・すみません。」
涼やかな声で応じる。その声が思ったよりも幼く聞こえ、幹部達がざわめく。
「・・・良かっ・・・たッ!!」
藤堂がとうとう感極まったように言葉を詰まらせて、その身体を抱きしめる。するり、とその背に回された腕があまりにも白く細いので、またもざわめきが起こる。
「う、卜部さん。」
扇が説明して欲しそうに卜部の顔を見る。
「・・・ま~、説明は中佐から聞いてくれな。俺からは何にも言えねぇよ・・・。」
「・・・です、よね・・・。」
がっくりと肩を落とし、扇は藤堂の背中に回された腕を見つめる。あれだけ藤堂が感情をあらわにするのは珍しい。余程、大切な女性なのだろう。その腕の細さに、苦労をしてきただろうことが窺える。
「・・・今までどこに?」
「・・・アッシュフォードに匿って頂いていました。」
その答えに、幹部達の視線がカレンに向く。
「アッシュフォードって。」
「うちの、学園関係者?・・・って、いっぱいいるから、私が知ってる人とは限らないわよね。」
幼稚舎から大学院まであるアッシュフォード学園。関わりのある人間など、山ほどいる。
「だよなぁ・・・っていうか、早く紹介してくんねーかな。」
ぼやいた玉城の言葉が聞こえたのか、藤堂がラウンジの方を振り返る。
「すまん・・・いろいろな事情があるんだが・・・まずは、紹介する。」
藤堂が身体を退かし、婚約者という女性の姿が幹部達の前に晒される。その瞬間、その美貌に、ほぼ全員があんぐりと口を開けて呆然となる中、たった1人、カレンだけがさぁっと顔を青褪めさせた。
「あ、ああ、あんた!!ルルーシュ!!?」
「・・・・カレン、知り合い?」
隣にいた井上が首を傾げるが、カレンの意識はすっかりルルーシュに向けられていた。
「ちょっと!!藤堂さんの婚約者って、ふざけてるのッ!?・・・だって、あんた、男じゃない!!!」
そう叫ぶカレンの言葉に、幹部達がえっ、という顔をして、ルルーシュの顔をしげしげと眺める。
「・・・そうか、紅月君と。」
藤堂が困ったように眉を顰め、ルルーシュを見る。
「はい・・・同級生で。生徒会でも一緒なんです。」
藤堂に答える声は、いつも聞き慣れたテノールではなく、少し高めのアルト。
「・・・せ、説明してよ!!あんた本当は女なの!?」
カレンの追及に、ルルーシュは苦笑をうかべて頷く。そして、藤堂を見上げる。
「鏡志郎さん。」
「ああ・・・行こう。」
藤堂がエスコートして、少し上の段にある入口から、ラウンジの中心へとルルーシュが降りてくる。
「・・・ルルーシュ、よね?」
ルルーシュの恰好はワイシャツに黒いスラックス。男性の格好だ。が、その胸のわずかなふくらみに目をやって、カレンは自分に、自信が持てなくなった。
「黙っていて、すまない。・・・“私”は女だ。ちょっとした事情があって、男と性別を偽っていた。」
「・・・これ、会長とか、リヴァルとか・・・・・・スザクとか、知ってるの?」
眉を顰めるカレンに、ルルーシュは首を横に振った。
「・・・いや、知らない。・・・ナナリーも知らなかったんだ。“男”として生きるようにと親に言い聞かされていたから・・・。たぶん、アッシュフォードの理事長くらいは知ってると思うけど。」
「藤堂さんと婚約者って・・・君、ブリタニア人、だよね?」
脇から扇に問われ、ルルーシュは困ったように笑って頷く。
「・・・7年前、枢木家にお世話になっていて・・・その時、桐原公に見初められて・・・鏡志郎さんの婚約者になれ、と。そう言われたんです。四聖剣の皆とも、その頃からの付き合いです。」
「7年前って・・・君、カレンと同い年だろ?ってことは・・・。」
「当時は10歳です。鏡志郎さんは、30歳、でしたよね?」
「ああ・・・。」
20歳差という事実に、幹部達が愕然とする。
「・・・それって、犯罪じゃ・・・。」
ぼそ、と呟いた玉城を隣にいた南が張り飛ばす。
「・・・言うな、馬鹿!」
「いや、そう、言われてもおかしくないことは理解している。・・・だが、立場が立場だ。それが、彼女の身を守る方法になるのならと、そう思ったのも確かだ。」
「・・・立場?身を守るって??」
訊ねる杉山に、藤堂が渋い表情で答えた。
「当時、彼女の立場はとても微妙なものだった。・・・彼女は、ブリタニアからの留学生だった。表向きは。・・・実際は、人質だ。ブリタニアから攻め込まないという意思表示のための、な。」
「人質!?」
「ああ・・・だから、枢木家での扱いも悪かった。埃だらけで、天窓が1つだけしかない、土蔵に、彼女と彼女の妹を放り込んだ。・・・周りの日本人からも随分と冷たい態度を取られたらしいが。」
その辺りの詳しいことは、ルルーシュに訊ねても話そうとしないので、藤堂自身良く知っているわけではないが、スザクから聞いた話だと、相当だったらしいと告げる。
「“私”はずっと本国から逃げ隠れて来た。・・・だから、表だって、ブリタニアに反抗することは出来なかった。・・・ルルーシュとしてできることなんて、日本人がブリタニア人に酷い扱いをされてるときに、仲裁するくらいだ。」
以前、その場面に出くわしたことのあるカレンは、その後に交わした言葉を思い出して苦い表情をうかべる。
「・・・そんなこととは知らないで、あの時はごめんなさい。」
「いや・・・カレンが怒ったのも当然だよ。」
肩を竦めるその様子は、いつものルルーシュで。
「男前すぎるわ・・・すっかり騙された。女の子だなんて思えないわよ。」
「・・・ずっと演じてきたから。」
フッと視線を伏せて笑うルルーシュに、幹部達も同情的に視線を送る。そんな幹部達を困ったようにルルーシュは見つめる。
「・・・そんな、顔・・・しないで下さい。“私”は貴方方に同情して貰える人間じゃない。」
「姫さん!!」
「姫様!」
卜部と仙波が声をあげる。
「姫さんはいつだって、小(ちい)姫のために自分の感情を押し殺してきたじゃねーか、ちょっとくらい、同情させておけよッッ!」
「姫様・・・姫様の悪いところですぞ。ご自分を大切にして下され。でないと、中佐が悲しまれますぞ。」
「・・・あ。」
ルルーシュが口元を押さえて、藤堂を見上げる。すると、藤堂は少し困ったように笑んで、ルルーシュの頭を撫でる。
「・・・君が悪い訳じゃないだろう・・・君だって戦争の被害者だ。」
「でも・・・“私”に人質としての価値が無かったから・・・。」
藤堂を見上げる純紫の瞳が潤む。
「・・・ルル。」
藤堂はますます困ったように眉を顰める。やはり、どう扱って良いものかわからないのだ。それを見た千葉がフッと溜め息をつく。
「中佐、ビシッと言わないとダメですよ。・・・ルルーシュ、そうやって言うのは止せ。お前が悪いんじゃない。ブリタニアが悪い。お前達がいるのがわかっていながら攻めて来たんだから。」
「凪沙さん・・・。」
「もうそろそろ良いだろう。・・・ちょっと勘の良い者は気付いたと思うが、ルルーシュはブリタニアの中でも、人質になり得る地位にいた。」
千葉の言葉に、何となく、そうだろうと気付いていた者は頷き、まったく気づかなかった者は訝しげに眉を顰める。
「・・・それが、どういう意味か、わかるか?」
千葉は、敢えて幹部達に答えを導き出させようとする。
「・・・一般人じゃないよな?それは間違いない・・・。」
扇が言いながら、考えをまとめていく。
「・・・人質?・・・枢木家に身柄を寄せていた??」
扇はそこまで言って、ヒュッと息を呑んだ。
それは、当時、ニュースとして報道された。まだ、子供であり、情勢の悪い中での話だったので、詳しいことは伏せられていた。だから、報道が過熱することも無く、そして、その後はブリタニアと本格的な戦争になってしまい、忘れてしまっていた。
「・・・そうか・・・ブリタニアの皇族だ。」
扇が納得の声をあげる。その瞬間、幹部達がざわりとざわめく。
「・・・っ。」
ビクリ、と震えたルルーシュを支える様に、藤堂がその肩に手を置く。その様子を見たカレンが、無意識の内にその2人を守るようにその前に立った。
「そう。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア・・・それが、ルルーシュの本当の名前だ。」
「本国から逃げてるんだよ。・・・もし、見つかれば、きっと、また、政治の道具にされてしまう。ルルちゃんの妹、ナナリーちゃんは足も不自由で目も見えない、だから、もう2度と危険な目に合わせたくないんだよ。」
千葉と朝比奈の言葉に、幹部達のざわめきが消える。そして、ルルーシュの方へと視線を向け、怯えている当人を見て、自分達の反応を恥じた。あれだけの事情を聞かされておきながら、ブリタニアの名前にその事情が頭から一時抜けた。
「・・・でも、それじゃあ、ここにいるのってマズイんじゃないの?」
井上が心配そうに言う。
「そうよ!どうして来たのよ?」
「・・・ん、やっぱり、ちゃんと、言っておいた方が良いって、ナナリーに言われて。」
「・・・あ!じゃあ、生徒会室で言ってた懐かしい人って!?」
「うん。鏡志郎さんのこと。」
頷くルルーシュに、もう、怯えは見えない。元々、度胸はある方だから、当然なのだろうが。
「良く、ここがわかったわね。どうやって調べたの?」
「・・・・・・・・う。」
カレンの純粋な問いに、ルルーシュは呻く。
「・・・それもそうだな?ここをどうやって知ったんだ?」
藤堂もルルーシュの肩に手を置いたまま、訊ねる。
「な、凪沙さん・・・。」
ルルーシュは助けを求める様に千葉を見る。が、千葉は気まずげにスイッと視線を逸らす。
「う~~卜部さん;」
次に見つめたのは卜部。だが、卜部は首を振るばかりで、何も言わない。
「省吾さ・・・。」
「ごめんっルルちゃん!さすがに無理っ!」
朝比奈に至っては、名前を呼ぶ前に本人から謝られる。
「・・・ルル?」
藤堂に顔を覗きこまれたルルーシュは顔を真っ赤にする。
「・・・鏡志郎さん、怒らない?」
ルルーシュに上目遣いで見つめられて、藤堂はウッと詰まって頬を赤く染める。が、いかんいかんと首を振り、厳しい表情を作る。
「・・・内容による。」
「・・・ロ・・・だから。」
ぼそり、とルルーシュが呟く。が、良く聞こえなかった面々は、ん?と首を傾げる。
「・・・わ、私がッ・・・ぜ、ゼロだからッッ!!」
自棄になって、ルルーシュが叫ぶ。それに、皆がビシッと固まり、ルルーシュは藤堂の反応をビクビクとしながら待つ。
「・・・そ。」
わなわなと震えた藤堂が言葉を発する。その瞬間、四聖剣全員が耳を塞ぎ、ルルーシュもハッとなって耳を塞いだ。
「そういうことは、早く言いなさいッッッ!!!!」
藤堂の怒声が、ラウンジ中に響いて、耳を塞ぎ損ねた幹部達を直撃したのだった。
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