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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・にょたルル
・藤堂とルルは婚約者(桐原さんグッジョブ)
・↑というわけで、四聖剣とルルナナは昔からのお知り合い
・騎士団にゼロバレ
・絶賛☆捏造中!!

以上、同意できる方のみ↓へ・・・










「・・・話はついたみたいだな。」

 音も無く、部屋に入ってきた者の声に、四聖剣が身構える。が、

「・・・ああ。ありがとう、C.C.・・・。」

 落ち着いた調子でルルーシュが笑みをうかべるので、害は無し、と判断した。

「・・・C.C.は知ってるの?」

「こいつが女ってことか?それとも、皇族だったことか?」

 そう問い返すということは、全部知っていると言っているのと同じで。

「ふーん・・・なんか、面白くない。」

 ムスッと朝比奈がむくれると、C.C.は何とも小馬鹿にしたような表情をうかべた。

「私は、こいつの共犯者だ。だから、全てを知っているし、全てを知っていなければいけない。そうでなければ、こいつのフォローなんて無理だからな。・・・だが、こいつ、最初は女であることを隠してたんだぞ、私に。」

「へ~、じゃあ、どうやって知ったんだ?」

 卜部が訊ねると、C.C.はにやりと笑ってルルーシュを見る。その視線に、ルルーシュはハッとして慌て出す。

「し、C.C.!!・・・言うなッ!」

「ナナリーに言われただろう?男言葉を使うなって。」

「・・・っっ!・・・C.C.!!」

「ふふ・・・面白半分で童貞坊やの体はどうなってる?と触ったら、あるハズのモノが無くて、ないハズのモノがあるじゃないか。さすがの私も驚いたぞ。」

「それ、セクハラ・・・。」

 朝比奈が呆然と呟き、千葉や卜部が顔を青くしたり赤くしたりしている。

「・・・その時は、風呂上りで・・・さすがにコルセットで締めるのは嫌だなって思ってたら、C.C.がベットの中に突然入ってきて・・・。」

「・・・なるほど・・・それは、さぞ、驚かれましたでしょうな・・・姫様は昔から純情でいらしたから・・・。」

 真っ赤な顔でその時の説明をするルルーシュに、仙波もいくらか頬を赤く染めて応じる。それは、いつぞやか藤堂がこぼしていたことだった。

 曰く“ルルーシュは純情すぎて、どこまで手を出して良いかわからない”という、惚気なんだか悩みなんだかわからない言葉だったのだが、仙波にしてみれば、職業軍人の藤堂が、10歳の少女相手にまともに悩んでいたので、ついつい、笑ってしまって、藤堂に睨まれたのだ。

「・・・うう。鏡志郎さんには言わないでッ・・・後生だからッッ!!」

― 言われずとも!!

 ルルーシュの懇願に、四聖剣全員が心の中で同時に叫んだ。こんなことを藤堂に言ったら、血の雨が降る。絶対。しかも、C.C.のとかルルーシュのとかじゃなくて、自分達の内の誰かのであることは間違いないのだから。





 黒の騎士団幹部のラウンジ


「お~・・・皆揃ってんなぁ・・・。」

 のんびりとした調子で言った卜部が、ラウンジに入ってくると、幹部達がにこやかに出迎えの言葉を口にしていく。

「・・・中佐もこっちにいましたか。」

「ああ。少し、扇と打ち合わせておかなければならない所があってな。何か、俺に用だったか?」

「あ~・・・まぁ、用っちゃ用なんですがね・・・。」

 歯切れの悪い卜部に、藤堂は訝しげに眉を顰めると、書類をテーブルに置いて、卜部に近寄る。

「・・・どうした?」

「あ・・・いや、プライベートなことで・・・あ~でも、幹部には知っといてもらった方が良いかと・・・。」

「お前らしくないな、はっきり言え。」

 肩を竦めた藤堂に、卜部は心の中で“俺は責任取りませんよ~”と呟く。

「中佐の婚約者・・・生きてたんですけど・・・っつーか、今、このラウンジの外、にいるんですよ。」

 卜部の言葉に、藤堂と幹部達が固まる。

「・・・え、藤堂さんの、婚約者?」

「キョウトの桐原公が、中佐に似合いだからと。でも、戦争終結の前後に死亡したっていう情報が流れて、それ以来会ってない。」

 扇の問いに、卜部が答える。それだけで、幾分か同情の視線が藤堂に向けられる。

「・・・彼女が、生きてる?」

「あ、はい。」

 藤堂に問われて、卜部はこくりと頷く。途端に、ガシッと腕を掴まれる。

「っ!?・・・中佐!?」

「本当に!?彼女がッ!!?」

「は、はい・・・その、色々と戸籍なんかをいじって、隠れてたみたいです。」

 必死に問う藤堂に、卜部は笑みをうかべる。これだけ藤堂が動揺するのは珍しい。やはり、彼女は藤堂の“特別”なのだ。もちろん、自分達四聖剣にとっても彼女は“特別”なのだが。

「逃げてるのか・・・あそこから。」

「ええ。ですからね、中佐。俺らが守ってやらねーと・・・でしょう?」

「・・・・・・・・・いるんだな?」

「・・・いますよ。」

 卜部は頷いて、視線だけで、ラウンジの入り口を指す。藤堂は入口まで走っていき、バンッ、と壁に手をつく。シュッとドアが開くが、幹部達のところからでは、藤堂の身体が邪魔で、婚約者とやらが見えない。

「っ・・・生きていたのか。」

「はい・・・何のお知らせもできなくて・・・すみません。」

 涼やかな声で応じる。その声が思ったよりも幼く聞こえ、幹部達がざわめく。

「・・・良かっ・・・たッ!!」

 藤堂がとうとう感極まったように言葉を詰まらせて、その身体を抱きしめる。するり、とその背に回された腕があまりにも白く細いので、またもざわめきが起こる。

「う、卜部さん。」

 扇が説明して欲しそうに卜部の顔を見る。

「・・・ま~、説明は中佐から聞いてくれな。俺からは何にも言えねぇよ・・・。」

「・・・です、よね・・・。」

 がっくりと肩を落とし、扇は藤堂の背中に回された腕を見つめる。あれだけ藤堂が感情をあらわにするのは珍しい。余程、大切な女性なのだろう。その腕の細さに、苦労をしてきただろうことが窺える。

「・・・今までどこに?」

「・・・アッシュフォードに匿って頂いていました。」

 その答えに、幹部達の視線がカレンに向く。

「アッシュフォードって。」

「うちの、学園関係者?・・・って、いっぱいいるから、私が知ってる人とは限らないわよね。」

 幼稚舎から大学院まであるアッシュフォード学園。関わりのある人間など、山ほどいる。

「だよなぁ・・・っていうか、早く紹介してくんねーかな。」

 ぼやいた玉城の言葉が聞こえたのか、藤堂がラウンジの方を振り返る。

「すまん・・・いろいろな事情があるんだが・・・まずは、紹介する。」

 藤堂が身体を退かし、婚約者という女性の姿が幹部達の前に晒される。その瞬間、その美貌に、ほぼ全員があんぐりと口を開けて呆然となる中、たった1人、カレンだけがさぁっと顔を青褪めさせた。

「あ、ああ、あんた!!ルルーシュ!!?」

「・・・・カレン、知り合い?」

 隣にいた井上が首を傾げるが、カレンの意識はすっかりルルーシュに向けられていた。

「ちょっと!!藤堂さんの婚約者って、ふざけてるのッ!?・・・だって、あんた、男じゃない!!!」

 そう叫ぶカレンの言葉に、幹部達がえっ、という顔をして、ルルーシュの顔をしげしげと眺める。

「・・・そうか、紅月君と。」

 藤堂が困ったように眉を顰め、ルルーシュを見る。

「はい・・・同級生で。生徒会でも一緒なんです。」

 藤堂に答える声は、いつも聞き慣れたテノールではなく、少し高めのアルト。

「・・・せ、説明してよ!!あんた本当は女なの!?」

 カレンの追及に、ルルーシュは苦笑をうかべて頷く。そして、藤堂を見上げる。

「鏡志郎さん。」

「ああ・・・行こう。」

 藤堂がエスコートして、少し上の段にある入口から、ラウンジの中心へとルルーシュが降りてくる。

「・・・ルルーシュ、よね?」

 ルルーシュの恰好はワイシャツに黒いスラックス。男性の格好だ。が、その胸のわずかなふくらみに目をやって、カレンは自分に、自信が持てなくなった。

「黙っていて、すまない。・・・“私”は女だ。ちょっとした事情があって、男と性別を偽っていた。」

「・・・これ、会長とか、リヴァルとか・・・・・・スザクとか、知ってるの?」

 眉を顰めるカレンに、ルルーシュは首を横に振った。

「・・・いや、知らない。・・・ナナリーも知らなかったんだ。“男”として生きるようにと親に言い聞かされていたから・・・。たぶん、アッシュフォードの理事長くらいは知ってると思うけど。」

「藤堂さんと婚約者って・・・君、ブリタニア人、だよね?」

 脇から扇に問われ、ルルーシュは困ったように笑って頷く。

「・・・7年前、枢木家にお世話になっていて・・・その時、桐原公に見初められて・・・鏡志郎さんの婚約者になれ、と。そう言われたんです。四聖剣の皆とも、その頃からの付き合いです。」

「7年前って・・・君、カレンと同い年だろ?ってことは・・・。」

「当時は10歳です。鏡志郎さんは、30歳、でしたよね?」

「ああ・・・。」

 20歳差という事実に、幹部達が愕然とする。

「・・・それって、犯罪じゃ・・・。」

 ぼそ、と呟いた玉城を隣にいた南が張り飛ばす。

「・・・言うな、馬鹿!」

「いや、そう、言われてもおかしくないことは理解している。・・・だが、立場が立場だ。それが、彼女の身を守る方法になるのならと、そう思ったのも確かだ。」

「・・・立場?身を守るって??」

 訊ねる杉山に、藤堂が渋い表情で答えた。

「当時、彼女の立場はとても微妙なものだった。・・・彼女は、ブリタニアからの留学生だった。表向きは。・・・実際は、人質だ。ブリタニアから攻め込まないという意思表示のための、な。」

「人質!?」

「ああ・・・だから、枢木家での扱いも悪かった。埃だらけで、天窓が1つだけしかない、土蔵に、彼女と彼女の妹を放り込んだ。・・・周りの日本人からも随分と冷たい態度を取られたらしいが。」

 その辺りの詳しいことは、ルルーシュに訊ねても話そうとしないので、藤堂自身良く知っているわけではないが、スザクから聞いた話だと、相当だったらしいと告げる。

「“私”はずっと本国から逃げ隠れて来た。・・・だから、表だって、ブリタニアに反抗することは出来なかった。・・・ルルーシュとしてできることなんて、日本人がブリタニア人に酷い扱いをされてるときに、仲裁するくらいだ。」

 以前、その場面に出くわしたことのあるカレンは、その後に交わした言葉を思い出して苦い表情をうかべる。

「・・・そんなこととは知らないで、あの時はごめんなさい。」

「いや・・・カレンが怒ったのも当然だよ。」

 肩を竦めるその様子は、いつものルルーシュで。

「男前すぎるわ・・・すっかり騙された。女の子だなんて思えないわよ。」

「・・・ずっと演じてきたから。」

 フッと視線を伏せて笑うルルーシュに、幹部達も同情的に視線を送る。そんな幹部達を困ったようにルルーシュは見つめる。

「・・・そんな、顔・・・しないで下さい。“私”は貴方方に同情して貰える人間じゃない。」

「姫さん!!」

「姫様!」

 卜部と仙波が声をあげる。

「姫さんはいつだって、小(ちい)姫のために自分の感情を押し殺してきたじゃねーか、ちょっとくらい、同情させておけよッッ!」

「姫様・・・姫様の悪いところですぞ。ご自分を大切にして下され。でないと、中佐が悲しまれますぞ。」

「・・・あ。」

 ルルーシュが口元を押さえて、藤堂を見上げる。すると、藤堂は少し困ったように笑んで、ルルーシュの頭を撫でる。

「・・・君が悪い訳じゃないだろう・・・君だって戦争の被害者だ。」

「でも・・・“私”に人質としての価値が無かったから・・・。」

 藤堂を見上げる純紫の瞳が潤む。

「・・・ルル。」

 藤堂はますます困ったように眉を顰める。やはり、どう扱って良いものかわからないのだ。それを見た千葉がフッと溜め息をつく。

「中佐、ビシッと言わないとダメですよ。・・・ルルーシュ、そうやって言うのは止せ。お前が悪いんじゃない。ブリタニアが悪い。お前達がいるのがわかっていながら攻めて来たんだから。」

「凪沙さん・・・。」

「もうそろそろ良いだろう。・・・ちょっと勘の良い者は気付いたと思うが、ルルーシュはブリタニアの中でも、人質になり得る地位にいた。」

 千葉の言葉に、何となく、そうだろうと気付いていた者は頷き、まったく気づかなかった者は訝しげに眉を顰める。

「・・・それが、どういう意味か、わかるか?」

 千葉は、敢えて幹部達に答えを導き出させようとする。

「・・・一般人じゃないよな?それは間違いない・・・。」

 扇が言いながら、考えをまとめていく。

「・・・人質?・・・枢木家に身柄を寄せていた??」

 扇はそこまで言って、ヒュッと息を呑んだ。

 それは、当時、ニュースとして報道された。まだ、子供であり、情勢の悪い中での話だったので、詳しいことは伏せられていた。だから、報道が過熱することも無く、そして、その後はブリタニアと本格的な戦争になってしまい、忘れてしまっていた。

「・・・そうか・・・ブリタニアの皇族だ。」

 扇が納得の声をあげる。その瞬間、幹部達がざわりとざわめく。

「・・・っ。」

 ビクリ、と震えたルルーシュを支える様に、藤堂がその肩に手を置く。その様子を見たカレンが、無意識の内にその2人を守るようにその前に立った。

「そう。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア・・・それが、ルルーシュの本当の名前だ。」

「本国から逃げてるんだよ。・・・もし、見つかれば、きっと、また、政治の道具にされてしまう。ルルちゃんの妹、ナナリーちゃんは足も不自由で目も見えない、だから、もう2度と危険な目に合わせたくないんだよ。」

 千葉と朝比奈の言葉に、幹部達のざわめきが消える。そして、ルルーシュの方へと視線を向け、怯えている当人を見て、自分達の反応を恥じた。あれだけの事情を聞かされておきながら、ブリタニアの名前にその事情が頭から一時抜けた。

「・・・でも、それじゃあ、ここにいるのってマズイんじゃないの?」

 井上が心配そうに言う。

「そうよ!どうして来たのよ?」

「・・・ん、やっぱり、ちゃんと、言っておいた方が良いって、ナナリーに言われて。」

「・・・あ!じゃあ、生徒会室で言ってた懐かしい人って!?」

「うん。鏡志郎さんのこと。」

 頷くルルーシュに、もう、怯えは見えない。元々、度胸はある方だから、当然なのだろうが。

「良く、ここがわかったわね。どうやって調べたの?」

「・・・・・・・・う。」

 カレンの純粋な問いに、ルルーシュは呻く。

「・・・それもそうだな?ここをどうやって知ったんだ?」

 藤堂もルルーシュの肩に手を置いたまま、訊ねる。

「な、凪沙さん・・・。」

 ルルーシュは助けを求める様に千葉を見る。が、千葉は気まずげにスイッと視線を逸らす。

「う~~卜部さん;」

 次に見つめたのは卜部。だが、卜部は首を振るばかりで、何も言わない。

「省吾さ・・・。」

「ごめんっルルちゃん!さすがに無理っ!」

 朝比奈に至っては、名前を呼ぶ前に本人から謝られる。

「・・・ルル?」

 藤堂に顔を覗きこまれたルルーシュは顔を真っ赤にする。

「・・・鏡志郎さん、怒らない?」

 ルルーシュに上目遣いで見つめられて、藤堂はウッと詰まって頬を赤く染める。が、いかんいかんと首を振り、厳しい表情を作る。

「・・・内容による。」

「・・・ロ・・・だから。」

 ぼそり、とルルーシュが呟く。が、良く聞こえなかった面々は、ん?と首を傾げる。

「・・・わ、私がッ・・・ぜ、ゼロだからッッ!!」

 自棄になって、ルルーシュが叫ぶ。それに、皆がビシッと固まり、ルルーシュは藤堂の反応をビクビクとしながら待つ。

「・・・そ。」

 わなわなと震えた藤堂が言葉を発する。その瞬間、四聖剣全員が耳を塞ぎ、ルルーシュもハッとなって耳を塞いだ。

「そういうことは、早く言いなさいッッッ!!!!」

 藤堂の怒声が、ラウンジ中に響いて、耳を塞ぎ損ねた幹部達を直撃したのだった。


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