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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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「ひっく…ひっく…。」

 幼い少女の押し殺した泣き声が、静かな森の中に響く。

「っく…ひっ…く…。」


 ガサガサッ

「!!?…だれ?」

 少女は怯え、揺れた茂みの方を向いて、小さくささやくように訪ねる。

「…巫女姫?…このような所で、何をなさっているの?」

 茂みから出てきたのは、背中まである美しい黒髪を後ろで束ね、優しそうに微笑む、20歳程の女性。

 そして、その特徴とも言える、その眼。

「白眼…?日向?」

「ええ、そうですよ。巫女姫。」

「…。」

 微笑む女性を、少女は不躾なまでに眺め回す。

「み…巫女姫?」

 初めて、女性に動揺が生まれる。

「…変化、してる?」

 少女はことり、と首を傾げ、おもむろに術を解く印を結び、女性に突きつける。

「解!」

「っきゃ!?」

 ボフンッ

 術が解かれる音がして、煙がたつ。

 しばらくして、煙が晴れると、女性は少女と同じ年頃の少女になっていた。

「…ヒナタ?」

「ナ…ナルトちゃん…。」

 2人は顔を見つめあわせ、呆然と互いの名をつぶやく。

「…ナルトちゃん…解の術…使えるの?…印を結ぶのもすごく速かったし…、どうして…。」

「ヒナタこそ…何か…いつもと雰囲気が違う…。」

「私…は…。」

 口を開いたヒナタが、ピクリと肩を揺らす。

「敵?…今、白眼で確認を…。」

「…ヒナタ…逃げた方が良いわ。」

 ヒナタの言葉を遮り、ナルトがスクっと立ち上がる。

「ナルトちゃん!?」

「黙っててごめんね…私…本当は…暗部に入隊しているの。」

 そう告白したナルトは、印を素早く組む。

「変化!!」

 ボフンッ

 その場に現れたのは、銀髪の美女。

「っつ!!」

 ヒナタは、思わずその目を見開いた。

「暗部…。」

 ヒュッ

 ヒナタのつぶやきを、クナイの飛来する音がかき消す。

「ヒナタ!逃げて!」

 ナルトが叫ぶ。

 が、ヒナタはゆっくりと首を横に振る。

「ヒナタッ!?」

「私も戦える。…ナルトちゃんがそうだったように、私も…。」

 ヒナタは先ほどの姿に変化する。

「白眼!!」

 全てを見通すその眼。ヒナタの眼は、敵忍の姿を捉える。

「戌亥の方角から、1部隊…その木の影にフォーマンセル。…卯の方角から2部隊。」

「ヒナタ……わかった!」

 一瞬、言葉に詰まったナルトだが、それどころではない事はわかっている。自分の中の疑問を押し込めて、敵忍を迎撃することに専念する。

 ナルトは、ヒナタが言い当てた敵忍のいる方角を向く。

「出ていらっしゃい。」

 凛と響いたナルトの声に、敵忍は殺気を放ちながら出てくる。

「…雨隠れ…。」

 ヒナタがつぶやき、ナルトが口の端をつり上げる。

「ふふ…じゃあ、始めましょう。」

「!!?」

 妖艶な笑みを浮かべたナルトの姿が一瞬で消える。

 瞬身の術だと気づいた時には、敵の身体は、忍刀で真っ二つに切り裂かれていた。

「あと、3部隊残っているのよね?」

「…ええ。もうすぐ2部隊がこちらに来るわ。」

 ナルトとヒナタは背中あわせになって、その場に立つ。

「来る!」

 ヒナタの声に、ナルトはチャクラを瞬時に練り上げ、術を放った。




 数分後。

 そこに生きているモノは、ナルトとヒナタだけになる。

「ナルトちゃん…。」

 息を切らす事なく、敵を柔拳で地に沈めたヒナタは、変化を解いて、ナルトの名を呼ぶ。

「…ヒナタ。」

 ナルトも同様に変化を解き、ヒナタと向かい合う。

「…ナルトちゃんは、何で、ここで泣いていたの?」

「…時々あるの…気持ちが不安定になって…表と裏を使い分けたりしているからかな?」

 戦いの最中に見せた笑みとは違う、儚げな笑みを浮かべて、ナルトはヒナタを見つめる。

「…わかるよ。私もそうだから。…私、3歳位の時に誘拐されそうになったでしょう?…その時の敵の忍を殺したのは私なの。…無我夢中で抵抗して、気がついたら相手はピクリとも動かなくて。」

「それで、ヒアシさんが実力を偽るように言って、更には、ヒザシさんが…?」

「うん…叔父上には本当に申し訳ないと思ってるの…ネジ兄さんにも…。」

「…ネジはこの事は…?」

「知ってるよ。…父上とハナビ、ネジ兄さんだけが知ってる。」

 ヒナタはそっとナルトの手を握る。

「私で良ければ、いつでも相談にのるから…だから…1人で泣かないで。」

「…っ。」

 目を見開き、ナルトはジッとヒナタを見つめ、そして、ふっと肩の力を抜く。

「…アリガト、ヒナタ。」

 にこりと微笑むナルトに、ヒナタも綺麗な微笑みを向けた。

「私は、いつだってナルトちゃんの味方だからね?」


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