Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・R2のようでR2でない世界
・あんなに頭の良いルルが、何の負い目もないのに大人しくしているわけがない!
・↑ということで、ルルがその有り余る才能を使いまくっています
・ミレイとルルは相思相愛
・機情はルルに陥落(笑)
・ギャグ??
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「・・・あ~え~と・・・ごめんなさい?」
ルルーシュはぼんやりと目の前に立つ人物を見ながら首を傾げた。
時は遡ること1年前。ルルーシュはゼロであること、皇族であること、それらに関すること全ての記憶を皇帝のギアスにより奪われ、エリア11、アッシュフォード学園へと戻って来た。
様々な齟齬から、ルルーシュが真実に気付かないように、と、生徒会のメンバーを除く学園全ての人間が総入れ替えになり、残っていた生徒会やアッシュフォード家の者達にも記憶操作が施された。
そして、監視役として皇帝直属の機密情報局(機情)が設置され、本国で報告を受ける責任者として、ラウンズの枢木スザク、エリア11での責任者及びアッシュフォード学園の教師としてヴィレッタ、ナナリーの存在を埋める弟役としてロロ。この3人がメインとなり、他の機情のメンバーも学園関係者になり済まし、ルルーシュを24時間体制で監視するという徹底ぶりだった。
これならば、いつ、ルルーシュがゼロとして復活しても、察知できる。そう、誰もが思っていた。これは、完璧な監視だ、と。
が、ルルーシュが記憶を失い、憎しみや隠れなければならないという強迫観念、そういった全てから解放されて、ただ安穏と生きるような人間ではなかったということを、皇帝を始めとした監視者達は、全く気付いていなかった。
“ルルーシュは目立つことを嫌う”それは、ゼロだったという認識と、以前の彼の慎ましやかな生活が、そう思わせていただけであり、全てから解放されたルルーシュが何をしでかすかなど、まったくもって、わからなかったのである。
アッシュフォードへ戻されたルルーシュに待っていたのは、あちこちに設置されたカメラや盗聴器、そして、偽の弟だった。
だが、ルルーシュは記憶を改竄されており、一般臣民として過ごしてきたと信じ込んでおり、カメラや盗聴器を気にするわけもなく、そして、弟がいるという記憶に書き換えられているので、何の問題もなく、スムーズにロロは溶け込めるはずだった。が・・・
「・・・誰だ?」
目を覚ました瞬間、ルルーシュはそんなことをのたまってくれた。ロロはひやりとするが、初めて会話することを巧みに誤魔化した。
「っ・・・や、やだなぁ、兄さんってば、寝ぼけてるの?・・・兄さんの弟のロロだよ?それに、夕べ、オヤスミって挨拶したじゃない?」
二コリ、と笑みをうかべる。ロロにしてみれば、こんなに表情筋を使ったことはなく、絶対に引き攣っているだろうという自覚があった。が、目の前にいるこの麗しい反逆者様(現在はロロの兄だが)は、ワタワタと慌てだした。
「す、すまない!誰だなんて・・・たった1人の弟に俺はなんて酷いことを!!・・・ロロッ。本当にすまない!!!」
おろおろとした挙句、自分を抱きしめて謝罪するルルーシュに、ロロは呆気なく陥落してしまった。
「に、兄さん・・・本当に、び、びっくりしたよぉぉ(泣)」
弟役の特権だ。しっかりとルルーシュにしがみついて、ルルーシュの愛情をめいっぱい受けたのだった。
今までルルーシュは、隠れているのだから目立ってはいけないという強迫観念から、何事も普通にこなしてきた。が、ゼロであることや皇族であることを忘れたところで、ルルーシュはルルーシュなので、優秀であることには変わりはなく、そして、それを隠す理由も無いわけだから、成績はダントツ。生活も品行方正。
リヴァルがいくら賭けチェスに誘っても、ロロが心配するからの一点張り。すっかり、超優等生になってしまったルルーシュを見て、シャーリーは「やっぱりルルはやれば出来る子なんだよ!」と感激してしまっていたりする。
更には、プログラミングや、医療に興味を向けたルルーシュは、凄まじい勢いでそれに関する資料を読みあさり、医療システムの開発まで手掛けて特許を取得し、人種や階級に関係なく、その技術を必要とする人達に惜しみなく貸し与えた。
と、ここまで来ると、さすがの機情のメンバーも慌てだした。ルルーシュ・ランペルージの名がじわじわとエリア11内で有名になりつつある。このままでは、彼の出生を知る者の耳に入る可能性すら出てくる。あくまでも彼は籠の鳥でなければならない。なのに、大人しく納まってくれる気配はまったくない。良いことをしてくれるのは構わないのだが、あまり目立たれるのも困るのだ。
「・・・ど、どうしましょう。」
「どうって言われても・・・。」
今日もまた、機情では、堂々巡りの話し合いが持たれていた。ルルーシュ自体、良いことをしているのだから、それをやめろというわけにもいかず。(むしろ言ったら逆に怪しまれる。)
更に、彼の保護者であるアッシュフォードまでが乗り気で、再び、医療用フレームの技術開発に乗り出してしまったり、ミレイとルルーシュの婚約話まで持ち上げてしまって、最早、機情だけで止められる域ではなくなってしまった。
「・・・枢木卿をお呼びしますか・・・?」
機情の誰かが言うと、ヴィレッタは頭を抱えた。
「・・・いや・・・枢木卿をお呼びしたところで、問題が解決するとは思えん。というか、むしろ、更に混乱する。・・・どうにかして、止めさせられないのか?」
ヴィレッタの言葉に、機情のメンバーは黙り込む。彼に慈善活動を止めろなんて、誰も言えないし、言いたくないのだ。
「・・・要するに、兄さんを“ゼロ”に戻さなければ良いんでしょう?なら、このままで良いじゃないですか。」
大人達の混乱をよそに、しれっと言い放ったロロに、戸惑った視線が集まる。
「・・・良いんじゃない?このまま有名になったって。それに、皇族であることを忘れてる兄さんに、兄さんの出生を知る貴族からコンタクトが来ないようにすることくらい、機情でできるでしょう?」
「・・・ま、まあ。情報操作なら・・・。」
「兄さんの素晴らしさを理解できないなんて、可哀想に・・・。」
曖昧に答えるヴィレッタに、ロロは同情に満ちた視線を向けた。が、それを注意する者はいない。
初対面以来、すっかりお兄ちゃん子になっているロロに、何も言えないのは、機情のメンバーも、ルルーシュの優秀さや気取らない態度、そして何より、困った人を助けたいというルルーシュの優しい心に絆されてしまって、多少のことなら見逃してやろう、なんて暗黙の了解があったりするからだ。
こんなことが上に知れたら、かなりマズいことになるのはわかっているのだが、もう、どうしようもない。
「・・・と、とにかく・・・これまで同様、ルルーシュの監視を続ける。良いな?」
「「「イエス・マイ・ロード。」」」
完全アウェイな立場のヴィレッタが、その空気を振り払うように命じると、メンバーから機械的な返事が返って来たのだった。
「・・・で、ルルちゃん?私は、どう反応すれば良いと思う?」
生徒会室で向き合っているルルーシュとミレイ。ルルーシュは困ったような表情を浮かべ、ミレイはどちらかというと、ルルーシュさえ腹が決まればどうでも良いといった感じだ。
「・・・あの、それって、俺が決めないとマズいことですか?」
「うん。だって、私はおじい様がそうしろと言ったら、逆らえないもの。」
ケロッとしてミレイが言えば、ルルーシュは頭を抱える。
「・・・会長は、婚約者、いませんでした?」
「ああ、ロイドさん?・・・っていうか、スザク君と本国に行くってなった時に、婚約解消したわよ?皇帝陛下の騎士になったスザク君の後見役なんて人と婚約なんて無理よ~。私じゃ荷が重すぎるわ。」
「・・・そう、ですか?・・・でも・・・本当に、良いんですか?」
ルルーシュが言っているのは、気持ちの問題なのだろう。だが、むしろ、ミレイは昔からルルーシュが好きだった。それを口に出して言えない立場だったから、ロイドとの婚約も甘んじて受けたのだ。と、そこまで考えて、ん?とミレイは何か引っかかりを覚えた。
「・・・口に出して言えない立場って何?」
「・・・会長?」
「あ、ううん!何でもないわよ、ルルちゃん。・・・私は、もう、腹は決まったわよ?っていうか、こういっちゃなんだけど、私、ルルちゃんのこと、好きよ?」
開き直ったミレイが言えば、ルルーシュはボッと顔を赤らめる。
「か、会長!・・・か、からかわないで下さい!」
「あら~。からかってなんかいないわよ?・・・前にも言ったじゃない。ほら、生徒会役員だけの男女逆転祭りパート2の時。ずっとルルーシュが好きだったって。あれ、本気だったんだけどなぁ?」
「・・・っ///」
目を真ん丸くして、ルルーシュはミレイをまじまじと見つめた。幼い頃から世話になっていたアッシュフォード家の御令嬢。いつも申し訳ないという思いを抱えて暮らしていたルルーシュだったが、その奔放さに少なからず惹かれていたのは間違いない。
「あのね、ルルちゃん。・・・ずっと考えてたの。ロイドさんと婚約している時もね、このままで本当にイイのかなって。私が本当に好きな人に、私の気持ちを伝えられないままって・・・どうなんだろうって。・・・ルルちゃんもはっきり言ってイイのよ?本当はシャーリーが好きなんでしょ?」
苦笑をうかべるミレイに、ルルーシュは慌てて首を振った。
「・・・しゃ、シャーリーとはそんなんじゃありません。・・・た、確かに・・・シャーリーが俺のことを好いてくれているのは知ってますが・・・俺は・・・。」
ルルーシュは意を決したように、ミレイを真っ直ぐに見つめた。
「俺は、ミレイさんが好きだった・・・リヴァルに遠慮してたって言うのもあるし、お世話になってる以上、そんなこと言えない立場だって思ってたから・・・だから!」
「わ、わかった!わかったから!!・・・もう!恥ずかしいから!!何でいきなり積極的にアタック始めるの~///」
恥ずかしさのあまり手で顔を覆ってしまったミレイを見て、ルルーシュは今更ながらに自分がかなり恥ずかしいことを言っていたことに気づいて、顔が熱くなる。
「・・・あ、えっと・・・すみません///」
「ちょっと~、謝らないでよ。・・・もう///」
「すみませ・・・あ・・・じゃあ、ありがとう?」
「ルルちゃん・・・お礼言うトコでもないと思うんだけど・・・。」
さすがにミレイが苦笑をうかべると、ルルーシュも困ったように眉根を寄せた。
「・・・だって、なんて言ったらいいか・・・。えっと、とにかく、この話を進めて下さい。俺には異存はありません。」
「うん。わかったわ。おじい様には言っておく。・・・じゃあ、改めて・・・よろしくね、ルルーシュ。」
「・・・はい、よろしく。会長。」
「あ!それストップ!・・・2人っきりの時はさっきの呼び方の方がいいなぁ?」
「・・・み、ミレイさん?」
頬を真っ赤に染めて己の名を呼ぶルルーシュに、ミレイは満面の笑みをうかべる。
「うん。ミレイさん大満足。・・・じゃ、おじい様に言ってくるわね~。」
そう言ってひらりと手を振り、ミレイは生徒会室を出ていく。
「・・・どうしよう・・・すごい・・・嬉しい。」
1人生徒会室に残されたルルーシュは、ミレイの出て行ったドアを見つめ、ボソッと呟いて、口元を押さえたのだった。
そして、ブラックリベリオンと呼ばれた戦いから1年が経った。世界は相変わらずブリタニア(+各エリア)と、僅かながらにブリタニアに抵抗する国とに分かれて争いを続けていた。
だが、エリア11においては、他のブリタニアの支配を受けるエリアとは違う点があった。それは、エリア11では最先端医療技術が誰でも受けられるという点だった。
本国からも多くの人間がエリア11へとやって来て、その恩恵に預かるなどして、エリア11はたった半年ほどで、矯正エリアから途上エリアへ昇格し、更には、間もなく衛星エリアへ昇格するのではないかという程に治安が安定し、医療技術の開発も盛んになったことで、生産力向上も見られるようになってきた。
それらが全て、たった1人の学生の手によるものだと、エリア11でその恩恵を受けた者なら誰もが知っていた。
それは、その医療システムの開発チームが地元の名士であるアッシュフォード家の支援を受けており、そのチーフになっているのが、アッシュフォード学園の生徒会副会長である。という話がどこからか洩れ聞こえて行ったからだった。
「・・・どういうことです?」
画面の向こうで目を細めたのは、ナイト・オブ・セブンの枢木スザク。本来、機情はルルーシュをゼロに戻さないための監視が最優先。なのだが、本国にまで、ルルーシュの名が知れ渡り始めてきてしまい、いつ、ルルーシュの出生を知る貴族からコンタクトがあるかわからない状況になってしまった。
もし、それがきっかけとなり、ルルーシュがブリタニアへ向ける憎悪を思い出してしまえば、今までの苦労は水の泡だ。
「・・・も、申し訳ありません。・・・い、いつの間にか、このような事態になっておりまして。」
「・・・監視をしていて、何か変化があれば報告をと、そう言いましたよね?」
「は、はい・・・申し訳、ありません。」
ひたすら平身低頭のヴィレッタに、スザクは溜め息をついた。
「・・・はぁ・・・。(ルルーシュが本来はこういう人間だとは知ってたけど・・・まさか、ここまでとは。)」
あのまま皇子でいたなら、復讐など考えていなかったなら、元は、とても優しい人だったのだから、きっとこうしていたのではないか。そう、スザクが考えていた通りの行動をしているルルーシュに、スザクは複雑な思いを抱えていた。
「(こんなにも優しい君が・・・どうして・・・。)」
「あの・・・枢木卿、我々はどうしたら・・・。」
沈黙してしまったスザクに、ヴィレッタがおずおずと尋ねる。スザクは眉間に深いしわを寄せながら、それに答えた。
「ここまでの事態になってしまったら、いくら皇帝陛下でも沈静化は難しい。しかし、ルルーシュ自身もゼロに戻るのは難しくなったはず。・・・ですが、黒の騎士団の残党やC.C.がルルーシュの頭脳をあきらめるとは思えない。それに、今のエリア11では、ルルーシュ自身に“ゼロ”の仮面無しで、皆を一斉蜂起させる力があると思って良いでしょう。・・・だから、彼に以前の記憶を取り戻させるのは非常にマズイ。よって、今まで通り監視を続けて下さい。・・・ああ、報告は怠らずに。」
「・・・い、イエス・マイ・ロード。」
ヴィレッタは敬礼をし、通信を終えると、ぐったりとイスにもたれた。
「・・・はぁ・・・なんで、こんなことに・・・。」
「・・・やっぱり、モールの辺りは賑やかだな。」
名も顔もかなり売れてしまったルルーシュは、念の為と言われて街を歩く時は軽い変装をするようになっていた。とは言っても、ルルーシュ自身を良く知る人間なら一発でわかる程度である。
街を歩けばわかることだが、エリア11に住む人々の顔は明るい。イレヴンと呼ばれているゲットーに住む人々も、ルルーシュの開発したシステムの恩恵を受けて、健康的な生活が維持されている。今ではアッシュフォード学園の奉仕活動として、ゲットーで炊き出しまでするようになったので、以前見られたようなガリガリに痩せた孤児や、ボロを着た浮浪者、リフレイン患者もガクンと減った。
「・・・これが本来あるべき姿なんだよな・・・ゲットーに住むナンバーズに厳しく当ったところで、生産性はない。支配をするなら、ムチよりもアメの方がよっぽど効率が良いだろうに。」
総督府の誰かに訊かれたらかなりマズイことを口走りながら、ルルーシュは商店街を抜け、ゲットー方面へと歩いて行く。
― シンジュクゲットー。故クロヴィス総督が総攻撃を加えた場所。そこへ行って、もし、医療システムが必要ならば、導入しよう。
それは、不意に思い立ったことであり、全く他意はなかった。ということで、監視も緩くなっている中、ルルーシュはたった1人で、この場にやって来ていた。
「・・・さすがに、人はいないか。」
復興はされているが、イレヴンにとっては、行政特区日本と同じくらい忌まわしい土地なのだろう。ここに近寄る人間は少ないようだった。
「・・・こんなに土地が余っているなら・・・病院や仮設住宅だって建てられるのに・・・。」
だが、こればかりは気持ちの問題であり、心の傷は簡単には癒えないものなのだ。それに、ルルーシュ個人がどうにかできる問題でもないことは嫌というほど自覚していた。
「・・・もっと、力があれば良いのに。」
ぽつりと呟いた時、背後に気配を感じて、バッとルルーシュは振り返る。
「!」
相手も驚いた様子で目を丸くしているが、その見覚えのある顔にルルーシュは目を丸くした。
「・・・か・・・カレンさん?」
「久しぶり、ね。」
「・・・あ、ああ。えっと、確か・・・黒の騎士団・・・だったんだよ、な?」
ルルーシュはすっかり自分がゼロだったことを忘れているのだと教えられていたが、カレンは改めてそれを目の当たりにして愕然とした。
「・・・ええ。今は、残った仲間と一緒に逃げてるわ。・・・貴方は、随分有名になったのね。」
「まぁ、それは。・・・それよりも、指名手配されてるんだよな?」
「ええ。」
「・・・こんな処にいて大丈夫なのか?」
「それはこっちのセリフ。ここはゲットーなの。いくら治安が良くなったって言っても、ブリタニア人がうろつくのは危険よ?」
カレンが呆れたように言えば、ルルーシュは肩を竦める。
「・・・ここにも医療システムが必要かどうか、それを確かめに来たんだ。すぐに帰るよ。」
「ねえ・・・どうして、イレヴンにまで、そうやって救いの手を差し伸べるの?」
「それが人として当たり前の行動だからだよ。・・・だって、ブリタニア人だろうがナンバーズだろうが、同じ人間じゃないか。どうして差別なんてされなければいけないんだ?俺は、そんなのは間違ってるって思う。ただの学生が出来ることなんて限られているけど、それでも、やらなきゃいけないって、そう思ったんだ。・・・カレンさんだって、行動こそは違っても、そう思ったから、黒の騎士団に入ったんだろう?」
ルルーシュの思想の根本は変わっていない。ただ、以前のように目立つことを避けていた彼とは真逆の行動力に、カレンは思わず先の言葉を紡げなくなってしまった。
「(・・・ずるいわよ・・・そんなこと言われたら・・・戻ってきてなんて、言えないじゃない。)」
「カレンさん?」
「カレン・・・それでもだ。」
目の前で首を傾げるルルーシュと、カレンの背後から現れた彼女が同時に言葉を発した。ルルーシュはその人物を見て目を丸くし、カレンは困ったようにそのルルーシュを見つめた。
「・・・ごめんなさい、ルルーシュ。今の貴方は嫌いじゃない。でも・・・私達には、ゼロが必要なの。」
「・・・???」
意味がわかっていない様子のルルーシュに、カレンの背後から現れたC.C.がツカツカと歩み寄る。
「そう・・・ゼロがいないと、やはり、黒の騎士団は烏合の衆なんだよ・・・。」
そう言ったのと同時に、C.C.はルルーシュと唇を合わせる。ルルーシュの目が、一瞬大きく見開かれ、フッと暗い色を帯びた。
「・・・しー・・・つー・・・?」
「・・・ああ。そうだよ、ルルーシュ。」
記憶が戻ったらしいとわかり、C.C.とカレンは緊張する。色々と記憶がごちゃまぜになって、混乱しているのだろうと、ルルーシュの次の言葉を待つ。が、
「・・・あ~え~と・・・ごめんなさい?」
ルルーシュはぼんやりと目の前に立つC.C.とカレンを見ながら首を傾げた。
「「は?」」
2人が間抜けな声をあげると、ルルーシュは困ったように眉を顰めた。
「いや、さすがにここまで有名になってしまうと・・・その・・・ゼロになることは難しい・・・んじゃないか・・・と。」
「そ、それは・・・まぁ・・・。」
「そうなんだが・・・。」
C.C.もカレンもその辺りはわかっているのか、歯切れの悪い返事だ。
「・・・それに、今のエリア11はかなり平和なんだ。だから・・・。」
「そうなのよね。・・・こんなにナンバーズも優遇されてるエリアはないわ。まあ、公的な政策じゃなくて、民間の慈善事業なわけだけど。政庁さえも口出しできないほど、広まってるわけだし。・・・それをまた、戦火に巻き込むのはちょっと、気が引けるのよね。」
「・・・扇達は捕まってるんだよな?・・・今、残っているメンバーは?」
「・・・えっと、私とC.C.と卜部さん。後は、一般隊員達ばかりよ。」
カレンが言えば、ルルーシュは一瞬眉を顰め、ぼそりと呟いた。
「・・・今なら、いける・・・か?」
「何?どういうこと?」
「・・・いや、今なら、政庁に多少なりとも顔が利くから。」
「あ、なるほど。」
「・・・ゼロにはなれない・・・だが、キョウトは間に合わなかったが、彼等くらいは・・・。」
ルルーシュなりに妥協してくれていることがわかって、カレンはホッと息をつく。
「だが、どうやって?」
首を傾げるC.C.に、ルルーシュはC.C.に渡されたギアスを抑えるコンタクトをしながら、クスッと笑ってみせた。
「まあ、見ていろ。」
あの時のルルーシュはすごかった、と後にカレンは呟く。
慈善事業のおかげで本国にいた頃より力をつけたアッシュフォード家と、すでに籠絡されていた機情の協力(むしろ進んで協力を申し出てくれた時は、ルルーシュ本人もびっくりしていた。)を取り付けた上、政庁に乗り込んで、カラレス総督に恩恵を受けたその分を融通しろといきなり交渉し始めたのだ。
そして、復興も未だ終わらぬシンジュクゲットーの開発権を民間委託としてアッシュフォードに譲り渡すことと、黒の騎士団として捉えられていたメンバーを、充分な監視をつけた上、シンジュクゲットーより外に出ないという約束を守る限り恒久的に仮釈放とすることを約束させたのだ。
ルルーシュの交渉力に舌を巻いたのは、なにもカレンだけではなかった。アッシュフォードを代表して一緒について来ていたミレイや、いつもはふてぶてしい態度のC.C.までもが、呆然と呟いたのだ。
「ルルちゃんったら、本当に何やらせてもすごいって思ってたけど・・・天才ね。」
「ルルーシュ・・・お前、言葉だけで、世界を征服できるんじゃないか?」
「そうか?・・さて、許可も貰ったことだし、合法的に、黒の騎士団の皆を開放しに行こうか?」
ニッコリと笑うその顔はとっても爽やかだった。
その後、エリア11は衛星エリアに昇格し、シンジュクゲットーが日本自治区として認められ、日本解放の第一歩を踏み出したのだった。
~おまけ~
☆黒の騎士団との再会(カレン視点)
黒の騎士団が捉えられている場所に来ると、カレンとC.C.の姿を認めた幹部達が絶望の声をあげた。
「・・・カレン、C.C.お前達も捕まったのか・・・。」
扇が呟けば、カレンは苦笑した。
「扇さん、ちょっと痩せました?」
「カレン・・・何、呑気なこと・・・。」
「黒の騎士団副指令、扇要を始めとした幹部、及び、一般隊員は本日、条件付きで仮釈放とする。」
扇の言葉を遮り、ルルーシュが持っていた書状を読み上げる。
「・・・へ?」
玉城が間抜けな声をあげると、カレンは苦笑をうかべた。
「いや、だから、仮釈放。・・・わかる?」
ひらり、とルルーシュから受け取った書状を、玉城に見せてやる。そこに書かれている文字を目で追っていた玉城は、ハッとして顔をあげる。
「釈放!?」
「だから、そう言ってるんだけど・・・。」
苦笑をうかべながら、カレンは鉄格子の鍵を開けてやる。
「ほら、合法的にここから出られるんだから、もっと喜んだらどうなんだ?」
クツクツと笑うC.C.を見て、それぞれが曖昧な顔つきをして、手放しでは喜べない様子を見せる。
「・・・しかし、どうして・・・というか、彼等は?」
藤堂が視線をルルーシュとミレイに向ければ、カレンが肩を竦めた。
「噂くらいは耳に入ってると思うんですけど・・・ルルーシュ・ランペルージとアッシュフォードの御令嬢ですよ。」
その名には全員が反応する。
「ま、まさか・・・こんな処で会えるなんて・・・。」
「すげぇ・・・カレン、知り合いだったのか?」
感激する幹部達に、ルルーシュは居心地が悪そうに身動ぎをする。
「まぁ、同じ生徒会のメンバーだったしね・・・彼が、皆を解放してくれるようにって、総督と交渉してくれたのよ?」
カレンがそう言えば、皆が感謝の視線を向けてくる。
「いや、そんな、感謝されるようなことは・・・本当に、すみません・・・。」
ルルーシュは困りきったようなそんな表情で、手前にいた騎士団の幹部達に頭を下げた。
「え、何で謝るんだよ?」
「そうだよ、君のおかげで、我々は助かったのに。」
心底不思議そうに言う幹部達に、ルルーシュは泣きそうになる。
「・・・し、C.C.・・・。」
半泣き状態のルルーシュの視線が自分に向けられると、C.C.ははぁ、と溜め息をついた。
「・・・カレン。」
「どうして私?・・・っていうか、言ってイイの?」
「構わないさ。・・・ここには私達しかいないし、ミレイにも話はしてあるんだ。」
C.C.の許可が下りると、カレンはあっさりと事実を告げた。
「了解。・・・えーと、驚かないでね?つまり、彼がゼロだったの。」
一瞬の間。
「「「「「「ええええええええっっっ!?」」」」」」
騎士団全員の叫びに、ルルーシュはビクゥッと身体を震わせる。
「・・・ルルーシュ、お前、いちいち反応が可愛過ぎるぞ・・・。」
ぼそ、とC.C.が言えば、カレンもうんうんと頷く。
「うん。少しこう、なんて言うか、そう!受け度がUPしたような・・・。」
「・・・う、うけ?」
首をかくんと傾げたルルーシュに、C.C.が意地悪な笑みをうかべた。
「まあ、お前は昔から受け気質だったが、この1年間殺伐とした世界から身を引いていたもんだから、更に受け度が増したんだな。総受けだ総受け。オオカミさんには気をつけろよ?喰われてしまうぞ?」
「・・・“そううけ”がオオカミに喰われるって・・・何かの隠語か?」
C.C.の言葉に、ミレイや黒の騎士団の面々はそれぞれ顔を青くさせたり赤くさせたりしているのだが、全く理解していないルルーシュはただ眉を顰めるばかりだ。
「・・・わからない方が身の為よ、ルルーシュ。」
ポン、とカレンがルルーシュの肩に手を置く。
「・・・そ、そうなのか?」
「そうなの。」
少し怒ったようにカレンが言えば、
「・・・カレン、何で怒ってるんだ?」
ビクビクと訊ねるルルーシュに、カレンは内心、可愛い!!!と悶えたりしているのだが、彼の婚約者であり、この黒の騎士団救出にも一役買ってくれたミレイの手前、さすがに申し訳がないので、とにかく抱きつきたい衝動を我慢したのだった。
おしまい
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・R2のようでR2でない世界
・あんなに頭の良いルルが、何の負い目もないのに大人しくしているわけがない!
・↑ということで、ルルがその有り余る才能を使いまくっています
・ミレイとルルは相思相愛
・機情はルルに陥落(笑)
・ギャグ??
・捏造満載
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「・・・あ~え~と・・・ごめんなさい?」
ルルーシュはぼんやりと目の前に立つ人物を見ながら首を傾げた。
時は遡ること1年前。ルルーシュはゼロであること、皇族であること、それらに関すること全ての記憶を皇帝のギアスにより奪われ、エリア11、アッシュフォード学園へと戻って来た。
様々な齟齬から、ルルーシュが真実に気付かないように、と、生徒会のメンバーを除く学園全ての人間が総入れ替えになり、残っていた生徒会やアッシュフォード家の者達にも記憶操作が施された。
そして、監視役として皇帝直属の機密情報局(機情)が設置され、本国で報告を受ける責任者として、ラウンズの枢木スザク、エリア11での責任者及びアッシュフォード学園の教師としてヴィレッタ、ナナリーの存在を埋める弟役としてロロ。この3人がメインとなり、他の機情のメンバーも学園関係者になり済まし、ルルーシュを24時間体制で監視するという徹底ぶりだった。
これならば、いつ、ルルーシュがゼロとして復活しても、察知できる。そう、誰もが思っていた。これは、完璧な監視だ、と。
が、ルルーシュが記憶を失い、憎しみや隠れなければならないという強迫観念、そういった全てから解放されて、ただ安穏と生きるような人間ではなかったということを、皇帝を始めとした監視者達は、全く気付いていなかった。
“ルルーシュは目立つことを嫌う”それは、ゼロだったという認識と、以前の彼の慎ましやかな生活が、そう思わせていただけであり、全てから解放されたルルーシュが何をしでかすかなど、まったくもって、わからなかったのである。
アッシュフォードへ戻されたルルーシュに待っていたのは、あちこちに設置されたカメラや盗聴器、そして、偽の弟だった。
だが、ルルーシュは記憶を改竄されており、一般臣民として過ごしてきたと信じ込んでおり、カメラや盗聴器を気にするわけもなく、そして、弟がいるという記憶に書き換えられているので、何の問題もなく、スムーズにロロは溶け込めるはずだった。が・・・
「・・・誰だ?」
目を覚ました瞬間、ルルーシュはそんなことをのたまってくれた。ロロはひやりとするが、初めて会話することを巧みに誤魔化した。
「っ・・・や、やだなぁ、兄さんってば、寝ぼけてるの?・・・兄さんの弟のロロだよ?それに、夕べ、オヤスミって挨拶したじゃない?」
二コリ、と笑みをうかべる。ロロにしてみれば、こんなに表情筋を使ったことはなく、絶対に引き攣っているだろうという自覚があった。が、目の前にいるこの麗しい反逆者様(現在はロロの兄だが)は、ワタワタと慌てだした。
「す、すまない!誰だなんて・・・たった1人の弟に俺はなんて酷いことを!!・・・ロロッ。本当にすまない!!!」
おろおろとした挙句、自分を抱きしめて謝罪するルルーシュに、ロロは呆気なく陥落してしまった。
「に、兄さん・・・本当に、び、びっくりしたよぉぉ(泣)」
弟役の特権だ。しっかりとルルーシュにしがみついて、ルルーシュの愛情をめいっぱい受けたのだった。
今までルルーシュは、隠れているのだから目立ってはいけないという強迫観念から、何事も普通にこなしてきた。が、ゼロであることや皇族であることを忘れたところで、ルルーシュはルルーシュなので、優秀であることには変わりはなく、そして、それを隠す理由も無いわけだから、成績はダントツ。生活も品行方正。
リヴァルがいくら賭けチェスに誘っても、ロロが心配するからの一点張り。すっかり、超優等生になってしまったルルーシュを見て、シャーリーは「やっぱりルルはやれば出来る子なんだよ!」と感激してしまっていたりする。
更には、プログラミングや、医療に興味を向けたルルーシュは、凄まじい勢いでそれに関する資料を読みあさり、医療システムの開発まで手掛けて特許を取得し、人種や階級に関係なく、その技術を必要とする人達に惜しみなく貸し与えた。
と、ここまで来ると、さすがの機情のメンバーも慌てだした。ルルーシュ・ランペルージの名がじわじわとエリア11内で有名になりつつある。このままでは、彼の出生を知る者の耳に入る可能性すら出てくる。あくまでも彼は籠の鳥でなければならない。なのに、大人しく納まってくれる気配はまったくない。良いことをしてくれるのは構わないのだが、あまり目立たれるのも困るのだ。
「・・・ど、どうしましょう。」
「どうって言われても・・・。」
今日もまた、機情では、堂々巡りの話し合いが持たれていた。ルルーシュ自体、良いことをしているのだから、それをやめろというわけにもいかず。(むしろ言ったら逆に怪しまれる。)
更に、彼の保護者であるアッシュフォードまでが乗り気で、再び、医療用フレームの技術開発に乗り出してしまったり、ミレイとルルーシュの婚約話まで持ち上げてしまって、最早、機情だけで止められる域ではなくなってしまった。
「・・・枢木卿をお呼びしますか・・・?」
機情の誰かが言うと、ヴィレッタは頭を抱えた。
「・・・いや・・・枢木卿をお呼びしたところで、問題が解決するとは思えん。というか、むしろ、更に混乱する。・・・どうにかして、止めさせられないのか?」
ヴィレッタの言葉に、機情のメンバーは黙り込む。彼に慈善活動を止めろなんて、誰も言えないし、言いたくないのだ。
「・・・要するに、兄さんを“ゼロ”に戻さなければ良いんでしょう?なら、このままで良いじゃないですか。」
大人達の混乱をよそに、しれっと言い放ったロロに、戸惑った視線が集まる。
「・・・良いんじゃない?このまま有名になったって。それに、皇族であることを忘れてる兄さんに、兄さんの出生を知る貴族からコンタクトが来ないようにすることくらい、機情でできるでしょう?」
「・・・ま、まあ。情報操作なら・・・。」
「兄さんの素晴らしさを理解できないなんて、可哀想に・・・。」
曖昧に答えるヴィレッタに、ロロは同情に満ちた視線を向けた。が、それを注意する者はいない。
初対面以来、すっかりお兄ちゃん子になっているロロに、何も言えないのは、機情のメンバーも、ルルーシュの優秀さや気取らない態度、そして何より、困った人を助けたいというルルーシュの優しい心に絆されてしまって、多少のことなら見逃してやろう、なんて暗黙の了解があったりするからだ。
こんなことが上に知れたら、かなりマズいことになるのはわかっているのだが、もう、どうしようもない。
「・・・と、とにかく・・・これまで同様、ルルーシュの監視を続ける。良いな?」
「「「イエス・マイ・ロード。」」」
完全アウェイな立場のヴィレッタが、その空気を振り払うように命じると、メンバーから機械的な返事が返って来たのだった。
「・・・で、ルルちゃん?私は、どう反応すれば良いと思う?」
生徒会室で向き合っているルルーシュとミレイ。ルルーシュは困ったような表情を浮かべ、ミレイはどちらかというと、ルルーシュさえ腹が決まればどうでも良いといった感じだ。
「・・・あの、それって、俺が決めないとマズいことですか?」
「うん。だって、私はおじい様がそうしろと言ったら、逆らえないもの。」
ケロッとしてミレイが言えば、ルルーシュは頭を抱える。
「・・・会長は、婚約者、いませんでした?」
「ああ、ロイドさん?・・・っていうか、スザク君と本国に行くってなった時に、婚約解消したわよ?皇帝陛下の騎士になったスザク君の後見役なんて人と婚約なんて無理よ~。私じゃ荷が重すぎるわ。」
「・・・そう、ですか?・・・でも・・・本当に、良いんですか?」
ルルーシュが言っているのは、気持ちの問題なのだろう。だが、むしろ、ミレイは昔からルルーシュが好きだった。それを口に出して言えない立場だったから、ロイドとの婚約も甘んじて受けたのだ。と、そこまで考えて、ん?とミレイは何か引っかかりを覚えた。
「・・・口に出して言えない立場って何?」
「・・・会長?」
「あ、ううん!何でもないわよ、ルルちゃん。・・・私は、もう、腹は決まったわよ?っていうか、こういっちゃなんだけど、私、ルルちゃんのこと、好きよ?」
開き直ったミレイが言えば、ルルーシュはボッと顔を赤らめる。
「か、会長!・・・か、からかわないで下さい!」
「あら~。からかってなんかいないわよ?・・・前にも言ったじゃない。ほら、生徒会役員だけの男女逆転祭りパート2の時。ずっとルルーシュが好きだったって。あれ、本気だったんだけどなぁ?」
「・・・っ///」
目を真ん丸くして、ルルーシュはミレイをまじまじと見つめた。幼い頃から世話になっていたアッシュフォード家の御令嬢。いつも申し訳ないという思いを抱えて暮らしていたルルーシュだったが、その奔放さに少なからず惹かれていたのは間違いない。
「あのね、ルルちゃん。・・・ずっと考えてたの。ロイドさんと婚約している時もね、このままで本当にイイのかなって。私が本当に好きな人に、私の気持ちを伝えられないままって・・・どうなんだろうって。・・・ルルちゃんもはっきり言ってイイのよ?本当はシャーリーが好きなんでしょ?」
苦笑をうかべるミレイに、ルルーシュは慌てて首を振った。
「・・・しゃ、シャーリーとはそんなんじゃありません。・・・た、確かに・・・シャーリーが俺のことを好いてくれているのは知ってますが・・・俺は・・・。」
ルルーシュは意を決したように、ミレイを真っ直ぐに見つめた。
「俺は、ミレイさんが好きだった・・・リヴァルに遠慮してたって言うのもあるし、お世話になってる以上、そんなこと言えない立場だって思ってたから・・・だから!」
「わ、わかった!わかったから!!・・・もう!恥ずかしいから!!何でいきなり積極的にアタック始めるの~///」
恥ずかしさのあまり手で顔を覆ってしまったミレイを見て、ルルーシュは今更ながらに自分がかなり恥ずかしいことを言っていたことに気づいて、顔が熱くなる。
「・・・あ、えっと・・・すみません///」
「ちょっと~、謝らないでよ。・・・もう///」
「すみませ・・・あ・・・じゃあ、ありがとう?」
「ルルちゃん・・・お礼言うトコでもないと思うんだけど・・・。」
さすがにミレイが苦笑をうかべると、ルルーシュも困ったように眉根を寄せた。
「・・・だって、なんて言ったらいいか・・・。えっと、とにかく、この話を進めて下さい。俺には異存はありません。」
「うん。わかったわ。おじい様には言っておく。・・・じゃあ、改めて・・・よろしくね、ルルーシュ。」
「・・・はい、よろしく。会長。」
「あ!それストップ!・・・2人っきりの時はさっきの呼び方の方がいいなぁ?」
「・・・み、ミレイさん?」
頬を真っ赤に染めて己の名を呼ぶルルーシュに、ミレイは満面の笑みをうかべる。
「うん。ミレイさん大満足。・・・じゃ、おじい様に言ってくるわね~。」
そう言ってひらりと手を振り、ミレイは生徒会室を出ていく。
「・・・どうしよう・・・すごい・・・嬉しい。」
1人生徒会室に残されたルルーシュは、ミレイの出て行ったドアを見つめ、ボソッと呟いて、口元を押さえたのだった。
そして、ブラックリベリオンと呼ばれた戦いから1年が経った。世界は相変わらずブリタニア(+各エリア)と、僅かながらにブリタニアに抵抗する国とに分かれて争いを続けていた。
だが、エリア11においては、他のブリタニアの支配を受けるエリアとは違う点があった。それは、エリア11では最先端医療技術が誰でも受けられるという点だった。
本国からも多くの人間がエリア11へとやって来て、その恩恵に預かるなどして、エリア11はたった半年ほどで、矯正エリアから途上エリアへ昇格し、更には、間もなく衛星エリアへ昇格するのではないかという程に治安が安定し、医療技術の開発も盛んになったことで、生産力向上も見られるようになってきた。
それらが全て、たった1人の学生の手によるものだと、エリア11でその恩恵を受けた者なら誰もが知っていた。
それは、その医療システムの開発チームが地元の名士であるアッシュフォード家の支援を受けており、そのチーフになっているのが、アッシュフォード学園の生徒会副会長である。という話がどこからか洩れ聞こえて行ったからだった。
「・・・どういうことです?」
画面の向こうで目を細めたのは、ナイト・オブ・セブンの枢木スザク。本来、機情はルルーシュをゼロに戻さないための監視が最優先。なのだが、本国にまで、ルルーシュの名が知れ渡り始めてきてしまい、いつ、ルルーシュの出生を知る貴族からコンタクトがあるかわからない状況になってしまった。
もし、それがきっかけとなり、ルルーシュがブリタニアへ向ける憎悪を思い出してしまえば、今までの苦労は水の泡だ。
「・・・も、申し訳ありません。・・・い、いつの間にか、このような事態になっておりまして。」
「・・・監視をしていて、何か変化があれば報告をと、そう言いましたよね?」
「は、はい・・・申し訳、ありません。」
ひたすら平身低頭のヴィレッタに、スザクは溜め息をついた。
「・・・はぁ・・・。(ルルーシュが本来はこういう人間だとは知ってたけど・・・まさか、ここまでとは。)」
あのまま皇子でいたなら、復讐など考えていなかったなら、元は、とても優しい人だったのだから、きっとこうしていたのではないか。そう、スザクが考えていた通りの行動をしているルルーシュに、スザクは複雑な思いを抱えていた。
「(こんなにも優しい君が・・・どうして・・・。)」
「あの・・・枢木卿、我々はどうしたら・・・。」
沈黙してしまったスザクに、ヴィレッタがおずおずと尋ねる。スザクは眉間に深いしわを寄せながら、それに答えた。
「ここまでの事態になってしまったら、いくら皇帝陛下でも沈静化は難しい。しかし、ルルーシュ自身もゼロに戻るのは難しくなったはず。・・・ですが、黒の騎士団の残党やC.C.がルルーシュの頭脳をあきらめるとは思えない。それに、今のエリア11では、ルルーシュ自身に“ゼロ”の仮面無しで、皆を一斉蜂起させる力があると思って良いでしょう。・・・だから、彼に以前の記憶を取り戻させるのは非常にマズイ。よって、今まで通り監視を続けて下さい。・・・ああ、報告は怠らずに。」
「・・・い、イエス・マイ・ロード。」
ヴィレッタは敬礼をし、通信を終えると、ぐったりとイスにもたれた。
「・・・はぁ・・・なんで、こんなことに・・・。」
「・・・やっぱり、モールの辺りは賑やかだな。」
名も顔もかなり売れてしまったルルーシュは、念の為と言われて街を歩く時は軽い変装をするようになっていた。とは言っても、ルルーシュ自身を良く知る人間なら一発でわかる程度である。
街を歩けばわかることだが、エリア11に住む人々の顔は明るい。イレヴンと呼ばれているゲットーに住む人々も、ルルーシュの開発したシステムの恩恵を受けて、健康的な生活が維持されている。今ではアッシュフォード学園の奉仕活動として、ゲットーで炊き出しまでするようになったので、以前見られたようなガリガリに痩せた孤児や、ボロを着た浮浪者、リフレイン患者もガクンと減った。
「・・・これが本来あるべき姿なんだよな・・・ゲットーに住むナンバーズに厳しく当ったところで、生産性はない。支配をするなら、ムチよりもアメの方がよっぽど効率が良いだろうに。」
総督府の誰かに訊かれたらかなりマズイことを口走りながら、ルルーシュは商店街を抜け、ゲットー方面へと歩いて行く。
― シンジュクゲットー。故クロヴィス総督が総攻撃を加えた場所。そこへ行って、もし、医療システムが必要ならば、導入しよう。
それは、不意に思い立ったことであり、全く他意はなかった。ということで、監視も緩くなっている中、ルルーシュはたった1人で、この場にやって来ていた。
「・・・さすがに、人はいないか。」
復興はされているが、イレヴンにとっては、行政特区日本と同じくらい忌まわしい土地なのだろう。ここに近寄る人間は少ないようだった。
「・・・こんなに土地が余っているなら・・・病院や仮設住宅だって建てられるのに・・・。」
だが、こればかりは気持ちの問題であり、心の傷は簡単には癒えないものなのだ。それに、ルルーシュ個人がどうにかできる問題でもないことは嫌というほど自覚していた。
「・・・もっと、力があれば良いのに。」
ぽつりと呟いた時、背後に気配を感じて、バッとルルーシュは振り返る。
「!」
相手も驚いた様子で目を丸くしているが、その見覚えのある顔にルルーシュは目を丸くした。
「・・・か・・・カレンさん?」
「久しぶり、ね。」
「・・・あ、ああ。えっと、確か・・・黒の騎士団・・・だったんだよ、な?」
ルルーシュはすっかり自分がゼロだったことを忘れているのだと教えられていたが、カレンは改めてそれを目の当たりにして愕然とした。
「・・・ええ。今は、残った仲間と一緒に逃げてるわ。・・・貴方は、随分有名になったのね。」
「まぁ、それは。・・・それよりも、指名手配されてるんだよな?」
「ええ。」
「・・・こんな処にいて大丈夫なのか?」
「それはこっちのセリフ。ここはゲットーなの。いくら治安が良くなったって言っても、ブリタニア人がうろつくのは危険よ?」
カレンが呆れたように言えば、ルルーシュは肩を竦める。
「・・・ここにも医療システムが必要かどうか、それを確かめに来たんだ。すぐに帰るよ。」
「ねえ・・・どうして、イレヴンにまで、そうやって救いの手を差し伸べるの?」
「それが人として当たり前の行動だからだよ。・・・だって、ブリタニア人だろうがナンバーズだろうが、同じ人間じゃないか。どうして差別なんてされなければいけないんだ?俺は、そんなのは間違ってるって思う。ただの学生が出来ることなんて限られているけど、それでも、やらなきゃいけないって、そう思ったんだ。・・・カレンさんだって、行動こそは違っても、そう思ったから、黒の騎士団に入ったんだろう?」
ルルーシュの思想の根本は変わっていない。ただ、以前のように目立つことを避けていた彼とは真逆の行動力に、カレンは思わず先の言葉を紡げなくなってしまった。
「(・・・ずるいわよ・・・そんなこと言われたら・・・戻ってきてなんて、言えないじゃない。)」
「カレンさん?」
「カレン・・・それでもだ。」
目の前で首を傾げるルルーシュと、カレンの背後から現れた彼女が同時に言葉を発した。ルルーシュはその人物を見て目を丸くし、カレンは困ったようにそのルルーシュを見つめた。
「・・・ごめんなさい、ルルーシュ。今の貴方は嫌いじゃない。でも・・・私達には、ゼロが必要なの。」
「・・・???」
意味がわかっていない様子のルルーシュに、カレンの背後から現れたC.C.がツカツカと歩み寄る。
「そう・・・ゼロがいないと、やはり、黒の騎士団は烏合の衆なんだよ・・・。」
そう言ったのと同時に、C.C.はルルーシュと唇を合わせる。ルルーシュの目が、一瞬大きく見開かれ、フッと暗い色を帯びた。
「・・・しー・・・つー・・・?」
「・・・ああ。そうだよ、ルルーシュ。」
記憶が戻ったらしいとわかり、C.C.とカレンは緊張する。色々と記憶がごちゃまぜになって、混乱しているのだろうと、ルルーシュの次の言葉を待つ。が、
「・・・あ~え~と・・・ごめんなさい?」
ルルーシュはぼんやりと目の前に立つC.C.とカレンを見ながら首を傾げた。
「「は?」」
2人が間抜けな声をあげると、ルルーシュは困ったように眉を顰めた。
「いや、さすがにここまで有名になってしまうと・・・その・・・ゼロになることは難しい・・・んじゃないか・・・と。」
「そ、それは・・・まぁ・・・。」
「そうなんだが・・・。」
C.C.もカレンもその辺りはわかっているのか、歯切れの悪い返事だ。
「・・・それに、今のエリア11はかなり平和なんだ。だから・・・。」
「そうなのよね。・・・こんなにナンバーズも優遇されてるエリアはないわ。まあ、公的な政策じゃなくて、民間の慈善事業なわけだけど。政庁さえも口出しできないほど、広まってるわけだし。・・・それをまた、戦火に巻き込むのはちょっと、気が引けるのよね。」
「・・・扇達は捕まってるんだよな?・・・今、残っているメンバーは?」
「・・・えっと、私とC.C.と卜部さん。後は、一般隊員達ばかりよ。」
カレンが言えば、ルルーシュは一瞬眉を顰め、ぼそりと呟いた。
「・・・今なら、いける・・・か?」
「何?どういうこと?」
「・・・いや、今なら、政庁に多少なりとも顔が利くから。」
「あ、なるほど。」
「・・・ゼロにはなれない・・・だが、キョウトは間に合わなかったが、彼等くらいは・・・。」
ルルーシュなりに妥協してくれていることがわかって、カレンはホッと息をつく。
「だが、どうやって?」
首を傾げるC.C.に、ルルーシュはC.C.に渡されたギアスを抑えるコンタクトをしながら、クスッと笑ってみせた。
「まあ、見ていろ。」
あの時のルルーシュはすごかった、と後にカレンは呟く。
慈善事業のおかげで本国にいた頃より力をつけたアッシュフォード家と、すでに籠絡されていた機情の協力(むしろ進んで協力を申し出てくれた時は、ルルーシュ本人もびっくりしていた。)を取り付けた上、政庁に乗り込んで、カラレス総督に恩恵を受けたその分を融通しろといきなり交渉し始めたのだ。
そして、復興も未だ終わらぬシンジュクゲットーの開発権を民間委託としてアッシュフォードに譲り渡すことと、黒の騎士団として捉えられていたメンバーを、充分な監視をつけた上、シンジュクゲットーより外に出ないという約束を守る限り恒久的に仮釈放とすることを約束させたのだ。
ルルーシュの交渉力に舌を巻いたのは、なにもカレンだけではなかった。アッシュフォードを代表して一緒について来ていたミレイや、いつもはふてぶてしい態度のC.C.までもが、呆然と呟いたのだ。
「ルルちゃんったら、本当に何やらせてもすごいって思ってたけど・・・天才ね。」
「ルルーシュ・・・お前、言葉だけで、世界を征服できるんじゃないか?」
「そうか?・・さて、許可も貰ったことだし、合法的に、黒の騎士団の皆を開放しに行こうか?」
ニッコリと笑うその顔はとっても爽やかだった。
その後、エリア11は衛星エリアに昇格し、シンジュクゲットーが日本自治区として認められ、日本解放の第一歩を踏み出したのだった。
~おまけ~
☆黒の騎士団との再会(カレン視点)
黒の騎士団が捉えられている場所に来ると、カレンとC.C.の姿を認めた幹部達が絶望の声をあげた。
「・・・カレン、C.C.お前達も捕まったのか・・・。」
扇が呟けば、カレンは苦笑した。
「扇さん、ちょっと痩せました?」
「カレン・・・何、呑気なこと・・・。」
「黒の騎士団副指令、扇要を始めとした幹部、及び、一般隊員は本日、条件付きで仮釈放とする。」
扇の言葉を遮り、ルルーシュが持っていた書状を読み上げる。
「・・・へ?」
玉城が間抜けな声をあげると、カレンは苦笑をうかべた。
「いや、だから、仮釈放。・・・わかる?」
ひらり、とルルーシュから受け取った書状を、玉城に見せてやる。そこに書かれている文字を目で追っていた玉城は、ハッとして顔をあげる。
「釈放!?」
「だから、そう言ってるんだけど・・・。」
苦笑をうかべながら、カレンは鉄格子の鍵を開けてやる。
「ほら、合法的にここから出られるんだから、もっと喜んだらどうなんだ?」
クツクツと笑うC.C.を見て、それぞれが曖昧な顔つきをして、手放しでは喜べない様子を見せる。
「・・・しかし、どうして・・・というか、彼等は?」
藤堂が視線をルルーシュとミレイに向ければ、カレンが肩を竦めた。
「噂くらいは耳に入ってると思うんですけど・・・ルルーシュ・ランペルージとアッシュフォードの御令嬢ですよ。」
その名には全員が反応する。
「ま、まさか・・・こんな処で会えるなんて・・・。」
「すげぇ・・・カレン、知り合いだったのか?」
感激する幹部達に、ルルーシュは居心地が悪そうに身動ぎをする。
「まぁ、同じ生徒会のメンバーだったしね・・・彼が、皆を解放してくれるようにって、総督と交渉してくれたのよ?」
カレンがそう言えば、皆が感謝の視線を向けてくる。
「いや、そんな、感謝されるようなことは・・・本当に、すみません・・・。」
ルルーシュは困りきったようなそんな表情で、手前にいた騎士団の幹部達に頭を下げた。
「え、何で謝るんだよ?」
「そうだよ、君のおかげで、我々は助かったのに。」
心底不思議そうに言う幹部達に、ルルーシュは泣きそうになる。
「・・・し、C.C.・・・。」
半泣き状態のルルーシュの視線が自分に向けられると、C.C.ははぁ、と溜め息をついた。
「・・・カレン。」
「どうして私?・・・っていうか、言ってイイの?」
「構わないさ。・・・ここには私達しかいないし、ミレイにも話はしてあるんだ。」
C.C.の許可が下りると、カレンはあっさりと事実を告げた。
「了解。・・・えーと、驚かないでね?つまり、彼がゼロだったの。」
一瞬の間。
「「「「「「ええええええええっっっ!?」」」」」」
騎士団全員の叫びに、ルルーシュはビクゥッと身体を震わせる。
「・・・ルルーシュ、お前、いちいち反応が可愛過ぎるぞ・・・。」
ぼそ、とC.C.が言えば、カレンもうんうんと頷く。
「うん。少しこう、なんて言うか、そう!受け度がUPしたような・・・。」
「・・・う、うけ?」
首をかくんと傾げたルルーシュに、C.C.が意地悪な笑みをうかべた。
「まあ、お前は昔から受け気質だったが、この1年間殺伐とした世界から身を引いていたもんだから、更に受け度が増したんだな。総受けだ総受け。オオカミさんには気をつけろよ?喰われてしまうぞ?」
「・・・“そううけ”がオオカミに喰われるって・・・何かの隠語か?」
C.C.の言葉に、ミレイや黒の騎士団の面々はそれぞれ顔を青くさせたり赤くさせたりしているのだが、全く理解していないルルーシュはただ眉を顰めるばかりだ。
「・・・わからない方が身の為よ、ルルーシュ。」
ポン、とカレンがルルーシュの肩に手を置く。
「・・・そ、そうなのか?」
「そうなの。」
少し怒ったようにカレンが言えば、
「・・・カレン、何で怒ってるんだ?」
ビクビクと訊ねるルルーシュに、カレンは内心、可愛い!!!と悶えたりしているのだが、彼の婚約者であり、この黒の騎士団救出にも一役買ってくれたミレイの手前、さすがに申し訳がないので、とにかく抱きつきたい衝動を我慢したのだった。
おしまい
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