Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・にょたルルです
・ルル姫はみんなに愛されていますw
・ギャグですww
・いろいろ矛盾がありますが、敢えては書きませんのであしからずw
・捏造満載w
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
謁見の間
普段は、政務官やら、警護の者が行き来するその場は、静けさを保っていた。
「・・・同じ謁見の間なんだけれどね。」
ポツリと漏らすと、隣でカノンが同意した。
「ええ。・・・こうして見ると、本当にこの部屋自体が威圧感を持っているようですわ。」
「・・・シュナイゼル殿下、お早いご到着ですね。」
声を掛けられ、見上げると、いつもシャルルが座る玉座の脇に、ナイト・オブ・ワンの姿を認める。
「ビスマルク・・・皇帝陛下はいらっしゃらないのかな?・・・それに、ルルーシュも。」
「お2人は、既にこちらでお待ちです。」
ビスマルクはそう言うと、玉座の後ろの壁に手をあてる。すると、その壁が音もなく消え、仄暗い空間が現れる。
「これは・・・。」
目を丸くするシュナイゼル達を、ビスマルクは冷静に促す。
「さぁ、殿下方、こちらへ。」
促されるままに、玉座の後ろまで来たシュナイゼルは、一歩踏み出した瞬間、周りの景色が一変したことに気付いて、息を呑んだ。
「で、殿下。」
カノンも同じ気持ちなのだろう。いくら、非現実的な能力があると聞かされていても、こう目の当たりにさせられると、改めて、その力に畏怖を感じる。
「ここは、アーカーシャの剣。かつて、ワシ等がそう呼んでいた場所だ。」
聞き慣れた父の声。ハッとそちらを向くと、祭壇のような場所に、シャルルがルルーシュと共に立っていた。
「よく来た。・・・シュナイゼル。」
シャルルの視線はいつになく冷たい。
父として慕ったことは記憶にある限りでは無かったように思うが、確かにこの人は自分の父なのだと思うことが稀にある。
それは、こうして、他人に興味を示さない冷たさを持った視線を向けられた時だ。なぜなら、自身もまた、限られた者以外には、こんな視線を向けているという自覚があるからだ。
「シュナイゼル兄様、こちらへ。」
穏やかな笑みをうかべた異母妹に促されるまま、シュナイゼルは祭壇のような場所まで昇っていく。
「・・・かつて、と仰いましたね。今は、違うのですか?」
「今は、意味を持たぬ単なる“通路”となった。ゆえに、呼び名はない。」
父に訊ねたところで、明確な回答は無いと思っていたからこそ、驚いた。シュナイゼルは、表情には出さなかったものの、一瞬、言葉が出てこなくなって、こくり、と喉を鳴らした。
「いいえ、お父様。ここは“神の揺り籠”ですわ。」
クスクスと笑うルルーシュに、シャルルが渋い表情をうかべた。
「“神の揺り籠”か・・・あながち間違ってはいない・・・だが、ルルーシュ、お前は何をしようとしている?いつになったら、ワシにも説明をしてくれるのだ。」
シャルルの言葉に、シュナイゼルはハッとし、次の瞬間、ああ、と納得した。ルルーシュは既にシャルルを従え、ブリタニアの全権を握ったのだろう。不思議にもストンと納得してしまって、こんな反乱もありかと思ってしまった。
「・・・ルルーシュ、君は・・・。」
「ふふ、シュナ兄様も、真実を知りたかったんでしょう?・・・貴方が疑い出したら、他の人にまで妙な疑いを持たれてしまいそうだったから・・・だから、真実をお話ししようと思って。」
幼い頃の呼び方でシュナイゼルを呼び、微笑みかけるルルーシュの表情は穏やかだ。反乱は成功し、ふっきれた、というところなのだろうかと思う。
「・・・ああ、でも、私の記憶をお父様がいじったのは本当ですよ?」
そう言ったルルーシュに、シュナイゼルはギョッとした。
「ならば、なぜ・・・。」
なぜ、有利なはずシャルルが、ルルーシュに従っているように見えるのか。
「それは、目的地に向かいながら、順を追って説明します。」
焦らすようにそう言って、ルルーシュはシュナイゼルに背を向ける。
「お父様、では、行って参ります。説明は・・・後ほど。」
「うむ・・・しばらくはあちらでゆっくりしてこい。その間に・・・“掃除”をしておく。」
ルルーシュは頷き、シュナイゼルとカノンを促し、一番後ろにビスマルクが付くと、スタスタと歩き始める。
ルルーシュに先導され進む中、周囲の景色は様々に変化した。それは、過去の映像だったり、何ともわからない映像だったり・・・その中でシュナイゼルは1つの真実を見つけた。
「・・・父上とマリアンヌ様は共犯だったのか・・・。」
「ええ。・・・お父様とお母様は、その死を偽装した。そのことを誰にも知らせないまま・・・“神”を殺すためだけに、突き進んできた。」
「君は、それを止めたんだね。」
「知ったのは、お父様に記憶を書き換えられてからです。それまでは本当にブリタニアが憎くてたまらなかった。・・・でも、憎悪という感情をきれいさっぱり拭われてしまって・・・やり方を変えなければならなくなりました。」
ルルーシュの答えに、シュナイゼルは頷く。その結果がこれなのだろう。
「父上が君に大人しく従っているのは・・・なぜだい?」
「ふふ、私に対する、罪悪感・・・でしょうか?それと、伯父様のせいでもありますね。」
「伯父・・・そうか。そういうことだったのか。」
納得した様子を見せたシュナイゼルに、ルルーシュは満足げに笑みをうかべた。
ギアス嚮団
「いらっしゃい、ルルーシュ。シュナイゼルもよく来たね。」
ニコリ、と笑って4人を出迎えたのは、長い金髪を床に垂らした少年。
過去の映像を見て、彼がルルーシュの言う“伯父”であることはわかってはいたものの、俄かには信じられず、シュナイゼルは戸惑ったような表情を見せる。
「伯父様、大体の説明は、Cの世界で済ませました。」
「うん、残りは、これからってことだね。まぁ、じっくりと話せばいいよ。時間はたっぷりあるしね。」
目を細めたV.V.は、パチン、と指を弾く。
「・・・お呼びですか、嚮主V.V.・・・。」
す、と現れたのは、ハニーブラウンの髪に、薄い紫の瞳をした少年。面影がナナリーに良く似ている。
「ロロ、ルルーシュの補佐をお願い。僕は、これから、実験の準備をしなきゃいけないからね。」
ニコ、と笑ったV.V.に頷き、ロロはルルーシュに向き直る。
「姫様、僭越ながら、姫様の補佐を仰せつかりました。よろしくお願い致します。」
「ふふ、そんなに硬くならなくても良いのに。・・・でも、よろしくね、ロロ。」
ニコニコと笑いながら、ルルーシュはロロの手を取り、きゅ、と握り締める。
「ッ///・・・は、はい。」
頬を真っ赤に染めたロロは、その表情を隠すように俯く。その様子を見たルルーシュは握った手をブンブンと振り回す。
「ロロったら、可愛い!・・・ロロを補佐につけてって、伯父様にお願いしておいて良かったわ。」
「ひ、姫様ッ///・・・か、可愛いなんて・・・そ、そんなッ///・・・ぼ、僕、男ですからッ///」
「ふふ、ロロはすっかりルルーシュのお気に入りだね。」
そんなルルーシュとロロを見て、V.V.はクスクスと笑う。
「だって、本当に、可愛いんですもの。・・・ありがとう、伯父様。」
「どういたしまして。・・・じゃあ、僕は準備があるから行くけど・・・ゆっくりしていってね。」
V.V.は満足そうにそう言って、ルルーシュ達に背を向けた。
「・・・それで・・・ルルーシュ様、ここは一体何の研究をなさっているところなのですか?」
V.V.の姿が見えなくなった頃、カノンが口を開く。
「ギアスのことは聞いているのですね?・・・ここは、そのギアスを研究しています。私の“絶対順守”やお父様の“記憶改竄”、お母様の“人の心を渡るギアス”だけではなく、個体によってその力は違います。命令型、結界型、憑依型、暗示型、それから、非常に珍しいのでは、喚起生成型というものもあります。」
「僕のギアスは“絶対停止の結界”です。先程、姫様が挙げられたカテゴリでは、結界型になります。」
ルルーシュに続いて、ロロが告げると、シュナイゼルは頷いた。
「なるほど・・・では、ルルーシュや父上は命令型、ということになるのかな?」
「ええ。それから、お母様は憑依型ですね。」
「・・・いろいろあるようだが・・・それはどうやって決まるんだい?」
「元々の素質もあるそうですけど・・・強く願っていることとか、そのギアスとの相性とか・・・そのようなもので決まると聞いたことがあります。」
ルルーシュが答えると、シュナイゼルはほう、と感嘆の声をあげた。
「では、私なら、どんなギアスなんだろうねぇ。」
「・・・・・・シュナ兄様のギアスですか?」
ルルーシュは首を傾げる。シュナイゼルが強く願うことなど想像できなくて、必然的に相性で決まるのだろうと考える。
「たぶん・・・私と同じようなギアスになるのではないでしょうか?」
答えたルルーシュに、シュナイゼルは首を傾げた。
「・・・そうかい?・・・私的には、もっと違うものかな、と思ったんだけどね。」
「違うもの?」
「そうだねぇ・・・例えば・・・暗示型の何か、とか。」
例をあげたシュナイゼルに、カノンがああ、と納得の声をあげる。
「殿下は、人を言葉巧みに操るのがお得意ですものね。」
クスクスと笑いながら言うカノンに、シュナイゼルは苦笑を漏らす。
「そうはっきり言われると、傷つくねぇ・・・。」
「シュナ兄様とマルディーニ伯って、本当に互いにわかり合ってるんですね。信頼し合っていて、本当にお似合いです。」
ニコニコとルルーシュが言うので、シュナイゼルは思わず首を振った。
「いやいや、ルルーシュ、違うからね、私とカノンはそういう関係じゃないからね?」
必死になって誤解を解こうとするシュナイゼルの様子に、カノンがクツクツと笑う。本当にシュナイゼルはルルーシュを気に入っているのだ。自分との関係が誤解されるのが嫌なほどに。
きっと、これを言ったのが、他の妹達だったなら、笑って聞き流しただろうに。
「あら、そんなに強く否定されるなんて・・・傷つきますわ、殿下。」
「・・・カノン。」
調子に乗るな、と言わんばかりの視線に、カノンは肩を竦める。
「ルルーシュ様、でも、そんな関係じゃありませんからね?」
「ふふ。わかっています。からかっただけですから。」
ニコリと笑ったルルーシュに、シュナイゼルが明らかにがっくりと肩を落とす。
「何だか、記憶を植えつけられたせいかもしれないけれど、性格までマリアンヌ様に似てきたんじゃないかい?」
「それは・・・否定できませんね・・・ふふ。でも、これはこれで、丁度イイかもしれません。私がこれからやろうとしていることは・・・ある意味、お父様達が企んでいたことと同じくらい“神”をも畏れぬ、乱暴なことですから。今までの私の性格では、余計なことまで考えてしまいそうですもの。」
クスクスと笑うルルーシュを、シュナイゼルとカノンは初めて“怖い”と感じた。その得体の知れない怖しさの意味をこれから知ると思うと、だんだんと憂鬱になっていく。
「でも、シュナ兄様。・・・私は、たとえ、この方法が独善的で、押し付けがましいことだとわかっていても、やり遂げなければならないんです。」
「ルルーシュ・・・つまり、そうでもしないと、人々は変われない。そういうことだろう?」
シュナイゼルの問いに、ルルーシュは苦笑をうかべた。
「ええ。・・・私は、それ程、お人好しではありませんから。・・・それに、こうやって、自分でも体験してしまえば・・・ね。」
「体験。・・・そうか、陛下のギアスは記憶の改竄だったね。」
「ええ。私の場合は、お父様やお母様の記憶を植えつけられただけでなく、負の感情を抑えこまれてしまったので。」
「・・・そういうことも可能なのかい?・・・なら、ルルーシュがやろうとしていることは。」
「・・・この世から争いを無くすことです。争い事や揉め事を起こそうとする考えを失わせる。・・・対話で済むことならば、話し合いをすればいい。・・・お父様達はそれを“神を殺し”完全に意思を統一することで成そうとしましたけど、私は・・・神に直接ギアスをかける。」
とうとう、ルルーシュが直接的な言葉を告げる。それが、どれ程大変なことなのか、ギアスのことを良く知らないシュナイゼルでさえわかる。
ブリタニアの闇どころか、世界中の闇を取り払ってしまおうと、今まで奮闘してきた異母妹に、シュナイゼルは脱帽した。
「・・・私では到底、考えの及ばぬことだね・・・やはり、ルルーシュは私が唯一恐れ、最も愛している異母妹だよ・・・。」
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謁見の間
普段は、政務官やら、警護の者が行き来するその場は、静けさを保っていた。
「・・・同じ謁見の間なんだけれどね。」
ポツリと漏らすと、隣でカノンが同意した。
「ええ。・・・こうして見ると、本当にこの部屋自体が威圧感を持っているようですわ。」
「・・・シュナイゼル殿下、お早いご到着ですね。」
声を掛けられ、見上げると、いつもシャルルが座る玉座の脇に、ナイト・オブ・ワンの姿を認める。
「ビスマルク・・・皇帝陛下はいらっしゃらないのかな?・・・それに、ルルーシュも。」
「お2人は、既にこちらでお待ちです。」
ビスマルクはそう言うと、玉座の後ろの壁に手をあてる。すると、その壁が音もなく消え、仄暗い空間が現れる。
「これは・・・。」
目を丸くするシュナイゼル達を、ビスマルクは冷静に促す。
「さぁ、殿下方、こちらへ。」
促されるままに、玉座の後ろまで来たシュナイゼルは、一歩踏み出した瞬間、周りの景色が一変したことに気付いて、息を呑んだ。
「で、殿下。」
カノンも同じ気持ちなのだろう。いくら、非現実的な能力があると聞かされていても、こう目の当たりにさせられると、改めて、その力に畏怖を感じる。
「ここは、アーカーシャの剣。かつて、ワシ等がそう呼んでいた場所だ。」
聞き慣れた父の声。ハッとそちらを向くと、祭壇のような場所に、シャルルがルルーシュと共に立っていた。
「よく来た。・・・シュナイゼル。」
シャルルの視線はいつになく冷たい。
父として慕ったことは記憶にある限りでは無かったように思うが、確かにこの人は自分の父なのだと思うことが稀にある。
それは、こうして、他人に興味を示さない冷たさを持った視線を向けられた時だ。なぜなら、自身もまた、限られた者以外には、こんな視線を向けているという自覚があるからだ。
「シュナイゼル兄様、こちらへ。」
穏やかな笑みをうかべた異母妹に促されるまま、シュナイゼルは祭壇のような場所まで昇っていく。
「・・・かつて、と仰いましたね。今は、違うのですか?」
「今は、意味を持たぬ単なる“通路”となった。ゆえに、呼び名はない。」
父に訊ねたところで、明確な回答は無いと思っていたからこそ、驚いた。シュナイゼルは、表情には出さなかったものの、一瞬、言葉が出てこなくなって、こくり、と喉を鳴らした。
「いいえ、お父様。ここは“神の揺り籠”ですわ。」
クスクスと笑うルルーシュに、シャルルが渋い表情をうかべた。
「“神の揺り籠”か・・・あながち間違ってはいない・・・だが、ルルーシュ、お前は何をしようとしている?いつになったら、ワシにも説明をしてくれるのだ。」
シャルルの言葉に、シュナイゼルはハッとし、次の瞬間、ああ、と納得した。ルルーシュは既にシャルルを従え、ブリタニアの全権を握ったのだろう。不思議にもストンと納得してしまって、こんな反乱もありかと思ってしまった。
「・・・ルルーシュ、君は・・・。」
「ふふ、シュナ兄様も、真実を知りたかったんでしょう?・・・貴方が疑い出したら、他の人にまで妙な疑いを持たれてしまいそうだったから・・・だから、真実をお話ししようと思って。」
幼い頃の呼び方でシュナイゼルを呼び、微笑みかけるルルーシュの表情は穏やかだ。反乱は成功し、ふっきれた、というところなのだろうかと思う。
「・・・ああ、でも、私の記憶をお父様がいじったのは本当ですよ?」
そう言ったルルーシュに、シュナイゼルはギョッとした。
「ならば、なぜ・・・。」
なぜ、有利なはずシャルルが、ルルーシュに従っているように見えるのか。
「それは、目的地に向かいながら、順を追って説明します。」
焦らすようにそう言って、ルルーシュはシュナイゼルに背を向ける。
「お父様、では、行って参ります。説明は・・・後ほど。」
「うむ・・・しばらくはあちらでゆっくりしてこい。その間に・・・“掃除”をしておく。」
ルルーシュは頷き、シュナイゼルとカノンを促し、一番後ろにビスマルクが付くと、スタスタと歩き始める。
ルルーシュに先導され進む中、周囲の景色は様々に変化した。それは、過去の映像だったり、何ともわからない映像だったり・・・その中でシュナイゼルは1つの真実を見つけた。
「・・・父上とマリアンヌ様は共犯だったのか・・・。」
「ええ。・・・お父様とお母様は、その死を偽装した。そのことを誰にも知らせないまま・・・“神”を殺すためだけに、突き進んできた。」
「君は、それを止めたんだね。」
「知ったのは、お父様に記憶を書き換えられてからです。それまでは本当にブリタニアが憎くてたまらなかった。・・・でも、憎悪という感情をきれいさっぱり拭われてしまって・・・やり方を変えなければならなくなりました。」
ルルーシュの答えに、シュナイゼルは頷く。その結果がこれなのだろう。
「父上が君に大人しく従っているのは・・・なぜだい?」
「ふふ、私に対する、罪悪感・・・でしょうか?それと、伯父様のせいでもありますね。」
「伯父・・・そうか。そういうことだったのか。」
納得した様子を見せたシュナイゼルに、ルルーシュは満足げに笑みをうかべた。
ギアス嚮団
「いらっしゃい、ルルーシュ。シュナイゼルもよく来たね。」
ニコリ、と笑って4人を出迎えたのは、長い金髪を床に垂らした少年。
過去の映像を見て、彼がルルーシュの言う“伯父”であることはわかってはいたものの、俄かには信じられず、シュナイゼルは戸惑ったような表情を見せる。
「伯父様、大体の説明は、Cの世界で済ませました。」
「うん、残りは、これからってことだね。まぁ、じっくりと話せばいいよ。時間はたっぷりあるしね。」
目を細めたV.V.は、パチン、と指を弾く。
「・・・お呼びですか、嚮主V.V.・・・。」
す、と現れたのは、ハニーブラウンの髪に、薄い紫の瞳をした少年。面影がナナリーに良く似ている。
「ロロ、ルルーシュの補佐をお願い。僕は、これから、実験の準備をしなきゃいけないからね。」
ニコ、と笑ったV.V.に頷き、ロロはルルーシュに向き直る。
「姫様、僭越ながら、姫様の補佐を仰せつかりました。よろしくお願い致します。」
「ふふ、そんなに硬くならなくても良いのに。・・・でも、よろしくね、ロロ。」
ニコニコと笑いながら、ルルーシュはロロの手を取り、きゅ、と握り締める。
「ッ///・・・は、はい。」
頬を真っ赤に染めたロロは、その表情を隠すように俯く。その様子を見たルルーシュは握った手をブンブンと振り回す。
「ロロったら、可愛い!・・・ロロを補佐につけてって、伯父様にお願いしておいて良かったわ。」
「ひ、姫様ッ///・・・か、可愛いなんて・・・そ、そんなッ///・・・ぼ、僕、男ですからッ///」
「ふふ、ロロはすっかりルルーシュのお気に入りだね。」
そんなルルーシュとロロを見て、V.V.はクスクスと笑う。
「だって、本当に、可愛いんですもの。・・・ありがとう、伯父様。」
「どういたしまして。・・・じゃあ、僕は準備があるから行くけど・・・ゆっくりしていってね。」
V.V.は満足そうにそう言って、ルルーシュ達に背を向けた。
「・・・それで・・・ルルーシュ様、ここは一体何の研究をなさっているところなのですか?」
V.V.の姿が見えなくなった頃、カノンが口を開く。
「ギアスのことは聞いているのですね?・・・ここは、そのギアスを研究しています。私の“絶対順守”やお父様の“記憶改竄”、お母様の“人の心を渡るギアス”だけではなく、個体によってその力は違います。命令型、結界型、憑依型、暗示型、それから、非常に珍しいのでは、喚起生成型というものもあります。」
「僕のギアスは“絶対停止の結界”です。先程、姫様が挙げられたカテゴリでは、結界型になります。」
ルルーシュに続いて、ロロが告げると、シュナイゼルは頷いた。
「なるほど・・・では、ルルーシュや父上は命令型、ということになるのかな?」
「ええ。それから、お母様は憑依型ですね。」
「・・・いろいろあるようだが・・・それはどうやって決まるんだい?」
「元々の素質もあるそうですけど・・・強く願っていることとか、そのギアスとの相性とか・・・そのようなもので決まると聞いたことがあります。」
ルルーシュが答えると、シュナイゼルはほう、と感嘆の声をあげた。
「では、私なら、どんなギアスなんだろうねぇ。」
「・・・・・・シュナ兄様のギアスですか?」
ルルーシュは首を傾げる。シュナイゼルが強く願うことなど想像できなくて、必然的に相性で決まるのだろうと考える。
「たぶん・・・私と同じようなギアスになるのではないでしょうか?」
答えたルルーシュに、シュナイゼルは首を傾げた。
「・・・そうかい?・・・私的には、もっと違うものかな、と思ったんだけどね。」
「違うもの?」
「そうだねぇ・・・例えば・・・暗示型の何か、とか。」
例をあげたシュナイゼルに、カノンがああ、と納得の声をあげる。
「殿下は、人を言葉巧みに操るのがお得意ですものね。」
クスクスと笑いながら言うカノンに、シュナイゼルは苦笑を漏らす。
「そうはっきり言われると、傷つくねぇ・・・。」
「シュナ兄様とマルディーニ伯って、本当に互いにわかり合ってるんですね。信頼し合っていて、本当にお似合いです。」
ニコニコとルルーシュが言うので、シュナイゼルは思わず首を振った。
「いやいや、ルルーシュ、違うからね、私とカノンはそういう関係じゃないからね?」
必死になって誤解を解こうとするシュナイゼルの様子に、カノンがクツクツと笑う。本当にシュナイゼルはルルーシュを気に入っているのだ。自分との関係が誤解されるのが嫌なほどに。
きっと、これを言ったのが、他の妹達だったなら、笑って聞き流しただろうに。
「あら、そんなに強く否定されるなんて・・・傷つきますわ、殿下。」
「・・・カノン。」
調子に乗るな、と言わんばかりの視線に、カノンは肩を竦める。
「ルルーシュ様、でも、そんな関係じゃありませんからね?」
「ふふ。わかっています。からかっただけですから。」
ニコリと笑ったルルーシュに、シュナイゼルが明らかにがっくりと肩を落とす。
「何だか、記憶を植えつけられたせいかもしれないけれど、性格までマリアンヌ様に似てきたんじゃないかい?」
「それは・・・否定できませんね・・・ふふ。でも、これはこれで、丁度イイかもしれません。私がこれからやろうとしていることは・・・ある意味、お父様達が企んでいたことと同じくらい“神”をも畏れぬ、乱暴なことですから。今までの私の性格では、余計なことまで考えてしまいそうですもの。」
クスクスと笑うルルーシュを、シュナイゼルとカノンは初めて“怖い”と感じた。その得体の知れない怖しさの意味をこれから知ると思うと、だんだんと憂鬱になっていく。
「でも、シュナ兄様。・・・私は、たとえ、この方法が独善的で、押し付けがましいことだとわかっていても、やり遂げなければならないんです。」
「ルルーシュ・・・つまり、そうでもしないと、人々は変われない。そういうことだろう?」
シュナイゼルの問いに、ルルーシュは苦笑をうかべた。
「ええ。・・・私は、それ程、お人好しではありませんから。・・・それに、こうやって、自分でも体験してしまえば・・・ね。」
「体験。・・・そうか、陛下のギアスは記憶の改竄だったね。」
「ええ。私の場合は、お父様やお母様の記憶を植えつけられただけでなく、負の感情を抑えこまれてしまったので。」
「・・・そういうことも可能なのかい?・・・なら、ルルーシュがやろうとしていることは。」
「・・・この世から争いを無くすことです。争い事や揉め事を起こそうとする考えを失わせる。・・・対話で済むことならば、話し合いをすればいい。・・・お父様達はそれを“神を殺し”完全に意思を統一することで成そうとしましたけど、私は・・・神に直接ギアスをかける。」
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