Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
― 懐かしい夢を見た・・・。
― まだ、エリア11と呼ばれるこの地が、日本だった頃・・・。ブリタニアが戦争をふっかけてきた、あの夏の日の・・・。
*
朝比奈は敬愛する藤堂に連れられ、道場から離れた枢木神社の土蔵の前までやってきた。苦み走った表情でその土蔵を見やってから、藤堂はその戸をトントンと叩いた。
「・・・あの、藤堂さん?」
「言いたいことはわかる。・・・だが、ここに住んでいるんだ。」
みなまで言わせない藤堂の言葉に、朝比奈は絶句する。おおよそ、人が住む場所では無いと思うほど、ボロボロな建物なのだ。
ここに、件(くだん)の皇子様と皇女様とやらが住んでいるとは俄かには信じられなかった。
「はい。」
「・・・俺だ。藤堂だ。」
どこか硬い返事が返ってきて、藤堂は出来る限り柔らかい声を出した。
「藤堂さん?」
途端、声が明るいものへと変わる。
「待って下さい。今、開けますから。」
ガタガタと建て付けの悪い戸の鍵を開ける音がし、埃っぽい空気が一緒に出てくる。
思わず眉を顰め、朝比奈は目を細める。こんな処に、ブリタニア皇族とはいえ、子供2人を放り込むなど。先ほど、藤堂が苦々しい表情を浮かべた理由が何となく理解でき、それと同時に、枢木首相への不信感が募る。
「お待たせしました。・・・あ、ええと・・・。」
出てきた“彼”は、それはもう、見目麗しく、利発そうなその瞳はアメジストをはめ込んだような紫色だった。初対面である朝比奈に対して、一瞬、キツイ視線を向けるが、藤堂が警戒していないのを悟ると、すぐに藤堂へと視線を戻し、説明を求める。
「ルルーシュ君、私の部下で朝比奈省吾という。・・・朝比奈、彼はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア殿下だ。」
「・・・あ、はじめまして。ルルーシュ殿下。」
「はじめまして。僕の事はルルーシュと。・・・日本の方に、殿下と呼んで頂くわけにはいきません。」
きっぱりと言われて、朝比奈はその毅然とした態度に、いたく感心した。
「うん、じゃあ、俺の事も省吾でいいよ。」
「・・・あの、年上の方を呼び捨てにするのはなんなので、省吾さん、で良いですか?」
「あー、うん。そうだね、それで良いよ。・・・よろしくね、ルルーシュ君。」
「よろしく、省吾さん。」
*
― その笑みを忘れまい。
戦火に焼かれた大地を見渡し、侵略を果たしたブリタニアを憎く思いながらも、彼の事だけは憎く思えなかった。
あの後、彼の妹である彼女にも会ったが、それは可愛らしくて、そして、生まれつきでは無いその障害の理由を聞いて、憤り、同時に、悲しく思ったのも事実だ。彼らは幼くして、祖国に捨てられ、そして、死んだ。
*
「朝比奈、どうした?」
「えっ、あ・・・すみません、ちょっと思い出しちゃって。」
千葉に声をかけられ、朝比奈は現実に意識を呼び戻す。今現在、朝比奈達四聖剣は、租界ぎりぎりのラインまで偵察に来ていた。
エリア11と呼ばれるようになった日本。そして、まざまざとその差を見せつけるように併設された租界とゲットー。
懐かしい夢を見たせいか、それらを見ていたら、思考があの頃にトリップしてしまったのだ。
「思い出した?何をだ?」
卜部が問えば、朝比奈はあはは~と笑ってごまかす。
「いや~・・・ちょっと、幸せだった頃をねぇ。」
「珍しいな。お前が感傷に浸るなぞ。」
仙波までもがそんな事を言い出すので、朝比奈は慌てて3人から距離をとる。
「聞き出そうとしたって、そうはいかないですからッ!」
「怪しいな。幸せって、いつの頃を思い出してんだよ。」
卜部がにやりと笑う。彼がこんな表情をする時は、決まってろくな結果にはならない。朝比奈にとって、だが。
「・・・嫌ですよ!絶対に話しませんからねッ・・・俺の大事な思い出なんですから!」
それに、四聖剣の皆がどう思うかわからない以上、彼らの事は話せなかった。
藤堂とは偶に思い出すと話題にしていたが、それも、周りを気遣って、2人きりの時だけだ。黒の騎士団に入ってからは、そんな時間も少なくなって、必然と、彼らの話題は出なくなった。
「・・・藤堂さんは、忘れちゃったのかなぁ・・・。」
思わず口に出してしまい、ニヤリと笑う同僚の顔を視線の端に捉え、朝比奈は深い溜め息をついた。
「なるほど、中佐関係か。」
「・・・中佐が忘れたとは、聞き逃し難いな。中佐の記憶力は半端じゃないぞ。」
「知ってますー。・・・そうじゃなくて、もう、覚えておく必要も無いって事かなーって思っただけですって。」
そう思えるほど、藤堂は彼らの事を口にしなくなった。朝比奈と2人きりの時でさえ。
「中佐が忘れた方が良いと判断するような事なのか?」
仙波が言葉の裏を読んでくるのに、朝比奈は舌を巻く。
「・・・そう、かもしれません。もう・・・死んだ人間の事なんて、忘れた方が良いんですよね。」
ましてや、それは、敵国の皇子なのだから。
「俺はそうは思わないな。・・・まあ、引きずり過ぎて、生活に支障が出るのは拙いが、ただ単に懐かしく思い出すくらいは良いんじゃねーか?」
「お前がそんなだから、中佐が話題にしないんじゃないか?・・・しっかり引きずってるだろう、お前。」
卜部と千葉に口々に言われ、朝比奈はああ、そうか、と納得する。自分でもびっくりするくらい、彼の事を引きずっていると、ようやく自覚したのだ。
「・・・好き、だったのかなぁ・・・。」
「へぇ~、もしかして、初恋ってやつかぁ?」
「・・・いや、その時、俺、20歳ですから。さすがに初恋じゃないですけど・・・っていうか、そう思ってみると、あの頃あの子は10歳だから・・・。」
「じゅっ・・・おいおい、お前、何、10歳の子どもに懸想してんだよ。」
卜部が朝比奈の呟きを聞いて、ギョッとした後、呆れたように言う。
「だって、すっごい可愛いんですよ!!ほんと、卜部さんだって、好きになりますって!!絶対!!・・・あ~男の子じゃなきゃな~・・・本気であの時手ぇ出してたかも。」
「って、男かよ!!」
性癖を疑いたくなるようなことばかりを暴露してくれる同僚に、3人の四聖剣は、呆然とする。
「・・・男の子に見えないくらい可愛いんですよ~・・・あ~写真の1枚でも撮っときゃよかった。」
同僚の心中なぞ知ったことかと言わんばかりに朝比奈のぼやきが続く。
「ほんとに可愛かったもんなぁ~・・・ル・・・。」
「ルルーシュっ!!」
「そう、ルルーシュって・・・えっ!?」
名を呟こうとした朝比奈の言葉に被せるように、叫び声が響く。
4人がそちらに視線を向けると、大柄な男達(恰好からして日本人だろう)に囲まれている少年(恐らく学生)が1人と、それをアワアワとしながら見つめる少年(同じ制服を着ているから、おそらくこちらも学生)が、視界に飛び込んでくる。
「ルルーシュ?・・・え?・・・まさか・・・。」
朝比奈が目を丸くして、角度的に背中しか見えない、その姿を見つめる。艶やかな黒髪が既視感を与える。そして、次の瞬間、朝比奈は飛び出していた。
「あ、おい!朝比奈!!」
目の前の光景に完全に周りの事が見えなくなっていた朝比奈に、卜部の制止の声は届かなかった。
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・過去捏造:ちびルルと朝比奈はお知り合いなど、いろいろ。
・本編の流れは軽く無視。
・いろんな人が出ますが、所詮は朝ルルの引き立て役;
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― 懐かしい夢を見た・・・。
― まだ、エリア11と呼ばれるこの地が、日本だった頃・・・。ブリタニアが戦争をふっかけてきた、あの夏の日の・・・。
*
朝比奈は敬愛する藤堂に連れられ、道場から離れた枢木神社の土蔵の前までやってきた。苦み走った表情でその土蔵を見やってから、藤堂はその戸をトントンと叩いた。
「・・・あの、藤堂さん?」
「言いたいことはわかる。・・・だが、ここに住んでいるんだ。」
みなまで言わせない藤堂の言葉に、朝比奈は絶句する。おおよそ、人が住む場所では無いと思うほど、ボロボロな建物なのだ。
ここに、件(くだん)の皇子様と皇女様とやらが住んでいるとは俄かには信じられなかった。
「はい。」
「・・・俺だ。藤堂だ。」
どこか硬い返事が返ってきて、藤堂は出来る限り柔らかい声を出した。
「藤堂さん?」
途端、声が明るいものへと変わる。
「待って下さい。今、開けますから。」
ガタガタと建て付けの悪い戸の鍵を開ける音がし、埃っぽい空気が一緒に出てくる。
思わず眉を顰め、朝比奈は目を細める。こんな処に、ブリタニア皇族とはいえ、子供2人を放り込むなど。先ほど、藤堂が苦々しい表情を浮かべた理由が何となく理解でき、それと同時に、枢木首相への不信感が募る。
「お待たせしました。・・・あ、ええと・・・。」
出てきた“彼”は、それはもう、見目麗しく、利発そうなその瞳はアメジストをはめ込んだような紫色だった。初対面である朝比奈に対して、一瞬、キツイ視線を向けるが、藤堂が警戒していないのを悟ると、すぐに藤堂へと視線を戻し、説明を求める。
「ルルーシュ君、私の部下で朝比奈省吾という。・・・朝比奈、彼はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア殿下だ。」
「・・・あ、はじめまして。ルルーシュ殿下。」
「はじめまして。僕の事はルルーシュと。・・・日本の方に、殿下と呼んで頂くわけにはいきません。」
きっぱりと言われて、朝比奈はその毅然とした態度に、いたく感心した。
「うん、じゃあ、俺の事も省吾でいいよ。」
「・・・あの、年上の方を呼び捨てにするのはなんなので、省吾さん、で良いですか?」
「あー、うん。そうだね、それで良いよ。・・・よろしくね、ルルーシュ君。」
「よろしく、省吾さん。」
*
― その笑みを忘れまい。
戦火に焼かれた大地を見渡し、侵略を果たしたブリタニアを憎く思いながらも、彼の事だけは憎く思えなかった。
あの後、彼の妹である彼女にも会ったが、それは可愛らしくて、そして、生まれつきでは無いその障害の理由を聞いて、憤り、同時に、悲しく思ったのも事実だ。彼らは幼くして、祖国に捨てられ、そして、死んだ。
*
「朝比奈、どうした?」
「えっ、あ・・・すみません、ちょっと思い出しちゃって。」
千葉に声をかけられ、朝比奈は現実に意識を呼び戻す。今現在、朝比奈達四聖剣は、租界ぎりぎりのラインまで偵察に来ていた。
エリア11と呼ばれるようになった日本。そして、まざまざとその差を見せつけるように併設された租界とゲットー。
懐かしい夢を見たせいか、それらを見ていたら、思考があの頃にトリップしてしまったのだ。
「思い出した?何をだ?」
卜部が問えば、朝比奈はあはは~と笑ってごまかす。
「いや~・・・ちょっと、幸せだった頃をねぇ。」
「珍しいな。お前が感傷に浸るなぞ。」
仙波までもがそんな事を言い出すので、朝比奈は慌てて3人から距離をとる。
「聞き出そうとしたって、そうはいかないですからッ!」
「怪しいな。幸せって、いつの頃を思い出してんだよ。」
卜部がにやりと笑う。彼がこんな表情をする時は、決まってろくな結果にはならない。朝比奈にとって、だが。
「・・・嫌ですよ!絶対に話しませんからねッ・・・俺の大事な思い出なんですから!」
それに、四聖剣の皆がどう思うかわからない以上、彼らの事は話せなかった。
藤堂とは偶に思い出すと話題にしていたが、それも、周りを気遣って、2人きりの時だけだ。黒の騎士団に入ってからは、そんな時間も少なくなって、必然と、彼らの話題は出なくなった。
「・・・藤堂さんは、忘れちゃったのかなぁ・・・。」
思わず口に出してしまい、ニヤリと笑う同僚の顔を視線の端に捉え、朝比奈は深い溜め息をついた。
「なるほど、中佐関係か。」
「・・・中佐が忘れたとは、聞き逃し難いな。中佐の記憶力は半端じゃないぞ。」
「知ってますー。・・・そうじゃなくて、もう、覚えておく必要も無いって事かなーって思っただけですって。」
そう思えるほど、藤堂は彼らの事を口にしなくなった。朝比奈と2人きりの時でさえ。
「中佐が忘れた方が良いと判断するような事なのか?」
仙波が言葉の裏を読んでくるのに、朝比奈は舌を巻く。
「・・・そう、かもしれません。もう・・・死んだ人間の事なんて、忘れた方が良いんですよね。」
ましてや、それは、敵国の皇子なのだから。
「俺はそうは思わないな。・・・まあ、引きずり過ぎて、生活に支障が出るのは拙いが、ただ単に懐かしく思い出すくらいは良いんじゃねーか?」
「お前がそんなだから、中佐が話題にしないんじゃないか?・・・しっかり引きずってるだろう、お前。」
卜部と千葉に口々に言われ、朝比奈はああ、そうか、と納得する。自分でもびっくりするくらい、彼の事を引きずっていると、ようやく自覚したのだ。
「・・・好き、だったのかなぁ・・・。」
「へぇ~、もしかして、初恋ってやつかぁ?」
「・・・いや、その時、俺、20歳ですから。さすがに初恋じゃないですけど・・・っていうか、そう思ってみると、あの頃あの子は10歳だから・・・。」
「じゅっ・・・おいおい、お前、何、10歳の子どもに懸想してんだよ。」
卜部が朝比奈の呟きを聞いて、ギョッとした後、呆れたように言う。
「だって、すっごい可愛いんですよ!!ほんと、卜部さんだって、好きになりますって!!絶対!!・・・あ~男の子じゃなきゃな~・・・本気であの時手ぇ出してたかも。」
「って、男かよ!!」
性癖を疑いたくなるようなことばかりを暴露してくれる同僚に、3人の四聖剣は、呆然とする。
「・・・男の子に見えないくらい可愛いんですよ~・・・あ~写真の1枚でも撮っときゃよかった。」
同僚の心中なぞ知ったことかと言わんばかりに朝比奈のぼやきが続く。
「ほんとに可愛かったもんなぁ~・・・ル・・・。」
「ルルーシュっ!!」
「そう、ルルーシュって・・・えっ!?」
名を呟こうとした朝比奈の言葉に被せるように、叫び声が響く。
4人がそちらに視線を向けると、大柄な男達(恰好からして日本人だろう)に囲まれている少年(恐らく学生)が1人と、それをアワアワとしながら見つめる少年(同じ制服を着ているから、おそらくこちらも学生)が、視界に飛び込んでくる。
「ルルーシュ?・・・え?・・・まさか・・・。」
朝比奈が目を丸くして、角度的に背中しか見えない、その姿を見つめる。艶やかな黒髪が既視感を与える。そして、次の瞬間、朝比奈は飛び出していた。
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