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Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)

このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。

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注意
・ラブラブですよ~
・時間軸はゼロ・皇族バレから数週間後あたり?
・幹部達(含:藤堂+残りの四聖剣)はルルが大好き
・ルルのフェイバリットフードはもちろん“あれ”です!
・捏造満載!!

以上、同意できる方のみ↓へ・・・










「けほっ。こほんっ。」

 作戦会議の真っ最中。書類を見ながら斥候に行った杉山と南の報告を聞いていたルルーシュが、軽く咳き込む。

「・・・ルルーシュ君?風邪?」

 すぐに反応したのは、やはりというか朝比奈で。カレンも心配そうにルルーシュの顔を見やっている。

「・・・あ、いえ。ちょっと、むせただけです。」

 ニッコリと笑ってルルーシュが答えるが、納得していない様子の朝比奈がルルーシュの額に手をあてる。

「ホントに?・・・あッ、熱、あるじゃない!!」

「だ、大丈夫ですって!・・・心配症だな、省吾さんは。・・・っ、こほっ、けほけほっ。」

 またも(本人曰く)むせたルルーシュに、眉を顰め、その腕を掴み、立ち上がらせる。

「会議、中止で良いですよね!?藤堂さん!」

「省吾さんっ!?」

「ああ。」

「と、藤堂さんっ・・・。」

 てっきり止めると思った藤堂まで頷くので、ルルーシュは慌てて幹部達を見回すが、皆が皆、会議の中止に疑問など持ってはいなかった。

「え、どうして?・・・あの、俺、平気ですから!」

「ダメダメ~。とにかく、ラクシャータのとこに行くよー。平気かどうかは、そこで判断しようねぇ?」

 うろたえるルルーシュをあやすようにそう言って、朝比奈はぐんぐんとルルーシュを医務室へと引っ張って行った。





「・・・37度8分・・・風邪ですねぇ。」

 ルルーシュの喉を見て、胸を開かせて聴診器を当て、熱を測った後、ラクシャータが下した診断は“風邪”だった。

 熱と腫れあがった喉。それに、目がウルウルしていて、良く見ればとてもだるそうにしている。これで、風邪でないと言い張っていたのだから、呆れてしまう。

「ここ最近、冷えましたからねぇ。」

 寒の戻り、というのか、春になったばかりのエリア11はまだまだ寒かった。環境の変化に加えて、そんな気候が続けば、いくら気をつけていても、体力の無いルルーシュが風邪をひくのも当然と思えた。

「ゆっくり休むことですねぇ。作戦も、暫くは控えましょう~?」

 ラクシャータがそう言うと、ルルーシュは眉を顰めた。

「しかし・・・。」

「しかしもなにもナイの!!休むったら休む!!」

 ぴしゃり、と朝比奈に言われ、ルルーシュはびくんと身体を震わせ、それから、むっつりと黙り込んだ。

「・・・。」

「不機嫌になってもダメ。・・・イイ?ルルーシュ君。体調が悪い時に無理をするのは一番いけないことなんだよ?もし、作戦中にもっと具合が悪くなったらどうするの?皆に迷惑かけるでしょ?」

 皆に迷惑をかけると言われてしまうと、何も言い返せなくなってしまったルルーシュは、はぁぁ、と溜め息をつき、最後の足掻きを見せた。

「大袈裟すぎます・・・。」

「当たり前。皆、ルルーシュ君が心配なの。・・・もちろん、一番心配してるのは、俺。」

 胸を張って、きっぱりと言ってのけた朝比奈に、ルルーシュはポカン、とその顔を見つめ、次の瞬間、プッと吹き出した。

「あ、あは、ははっ・・・っく、けほっ、こほっ・・・ふふっ。」

 咳き込みながらなのでとても苦しそうである。が、しかし、余程ツボにハマったらしく、ケラケラと腹を抱えて笑っている。そんなルルーシュを見たのは初めてなので、朝比奈もラクシャータも目を丸くしている。

「は・・・あはっ・・・ごほっごほっ!」

「ルルーシュ様!!・・・と、とにかく、落ち着いて下さい。朝比奈ぁ、あんた、外出てなぁ!」

「え、あ、ちょっと、ラクシャータ!!」

 ルルーシュの背中をさすり、ベッドに横たえると、ラクシャータは朝比奈を追い出しにかかる。

「あんたがいると、ルルーシュ様が落ち着かないでしょぉ?・・・今は、外出てなさぁい。」

 こっそりとそう言われてしまえば、朝比奈も折れるしかない。

「わかったよ・・・ルルーシュ君をよろしくね?」

「任せなさぁい。」

 ラクシャータはキセルをくるりと回して、自信たっぷりに頷いてみせた。





 戻って来た朝比奈を見て、幹部達がそわそわと立ち上がる。

「・・・朝比奈、ルルーシュ君は?」

 藤堂が問うと、朝比奈は肩を竦めた。

「完璧風邪です。熱も測ったら37度8分もありましたし・・・。今、ラクシャータが見てくれてます。」

「・・・珍しいな、お前、大人しく追い出されてきたのか?」

 卜部が目を丸くすると、朝比奈は苦笑をうかべた。

「だって、ルルーシュ君の笑いのツボを刺激しちゃったみたいで、咳き込みながら笑うんですよー?・・・俺がいたら、思い出しちゃって、落ち着かないからって言われちゃえば、出てくるしかないじゃないですか。」

「・・・お前、何を言ったんだ?」

 今度は呆れたように藤堂に問われ、朝比奈は困ったように笑って答えた。

「え~・・・。皆、心配してるけど、一番心配してるのは俺だよって言っただけですよ?」

「それで、ルルーシュは笑いのツボにハマっちまったのか?・・・どこが面白いんだ?」

「いやー・・・俺にもさっぱり。なんか、すごい爆笑していたというか・・・あんなルルーシュ君見るの、初めてです。」

「・・・る、ルルーシュが、爆笑???」

 カレンが呟き、一瞬、その映像を想像する。が、ゼロの時の高笑いしか想像できなくて、首を傾げた。

「・・・・・・た、高笑いじゃなくて、ですか?」

「うん。高笑いじゃなくて、爆笑。・・・こう、お腹抱えて、ケラケラと。」

「・・・箸が転がってもおかしい年頃ってヤツか?」

 卜部が想像出来ん、と唸る。

「そうかもしれないですし、熱に浮かされてるせいかもしれませんしねぇ。・・・とにかく、今はそっとしておくのが一番ってことで。・・・作戦も暫くは中止の方向で。良いですよね、藤堂さん。」

「ああ、俺は構わん。が、・・・扇、お前が副指令だ。最終決定はお前がやるんだ。」

「あ、は、はい。・・・えと、総司令の穴は埋め難いので、作戦は、総司令が戻るまで中止・・・とする。」

 オロオロとしながら扇が言えば、幹部達も異議なしと頷く。

「じゃあ、とりあえず、俺は買い物行ってきまーす。」

 くるり、と背を向けた朝比奈に、幹部達が一斉に首を傾げた。

「おい、朝比奈!・・・ルルーシュが心配じゃねぇのかよ?」

 玉城が問えば、朝比奈はひょい、と肩を竦めた。

「だから言ったでしょ?今は、そっとしておくのが一番って。」

「で、何で、買い物なんだよ。」

「え・・・あ~、風邪ひいたら、あれでしょ。」

「「「「「あ・・・あれ?」」」」」

 当然とばかりに答えた朝比奈だが、幹部達には何のことだかさっぱりわからない。

「ふふん、まぁ、この事を知ってるのは俺と、ルルーシュ君本人と、ナナリーちゃんだけだからねぇ?・・・とにかく、行ってきま~すw」

 優越感に浸った様子で言う朝比奈に、幹部達が悔しそうな表情をうかべる。

 幼少時代のルルーシュと朝比奈のことを知っているはずの藤堂でさえ、意味がわからないと首を傾げているのだから、相当極秘事項なのだろう。

「ずるいわ!朝比奈さんばっかり!!」

「何言ってるのさ、紅月さん。紅月さんだって、紅月さんしか知らないルルーシュ君っていうの、あるでしょ?それと一緒だよー。」

 カレンがむくれると、朝比奈は苦笑をうかべた。

 それも尤もなので、カレンがぐっと詰まり、黙り込むと、幹部達の羨ましげな視線がカレンにも向けられる。

「じゃあ、もし、ルルーシュ君の状態をラクシャータが教えに来たら、俺は買い物に行ったって言っといて下さいねぇ?」

 ひらひらと手を振り、ラウンジを出て行った朝比奈の背を見送り、幹部達は地団太を踏む。

「くそ~!!なんだよあの余裕!!最近、ホントに余裕かますようになったよな、朝比奈の奴!!」

 玉城の言葉に幹部達が同意するようにうんうん、と頷く。

「う~ん、ルルーシュと一緒にいる時間も長くなって、完璧にルルーシュをオトしたりもしたしなぁ。」

 卜部が呻けば、千葉が肩を落とす。

「その一助は私と卜部さんの一撃ですしね・・・。」

「あー・・・。忘れろや、千葉。ありゃ事故だ。不幸な事故!」

 認めたくないらしい卜部の発言に、藤堂が苦笑をうかべる。

「まぁ、そう言ってやるな、卜部。・・・ああ見えて、朝比奈もルルーシュ君も、皆には気を使っているんだ。」

「そりゃ・・・まぁ、そうなんでしょうけどねぇ・・・でも、中佐、俺達の前でラブラブだった時よりも、質悪いですぜ?」

「?」

 卜部の言葉に、藤堂が首を傾げる。

「・・・視線だけで会話が成立してんですよ。ルルーシュがちょっと視線向けるだけで、朝比奈の奴はわかっちまうみたいで・・・で、さっきみたいな余裕の表情でこっちを見たりして。」

「・・・あぁ・・・それは、また・・・;」

 さすがに藤堂もフォローしきれなくなってきたらしい。額を押さえ、唸る。

「・・・あらぁ・・・朝比奈はぁ?」

 その時、ラウンジにラクシャータが入ってくる。幹部達は一斉にそちらに視線を向け、ルルーシュの状況を訊ねる。

「・・・だいぶ落ち着いたわぁ・・・薬も飲んだしねぇ。まだ、軽いうちだったから良かったわぁ。・・・で、朝比奈は、どこにいるのぉ?」

 再度訊ねるラクシャータに、藤堂が答える。

「朝比奈は買い物に出ている。」

「・・・あぁ、そう。ルルーシュ様の言った通りねぇ・・・。」

 呆れたように言ったラクシャータにどういうことか訊ねるが、詳しいことはわからないと言われてしまい、幹部達は、とりあえずルルーシュを見舞うことにする。





「ルルーシュ君・・・大丈夫か?」

 病室に入るなり、藤堂がそう訊ねれば、ルルーシュは目を丸くし、それから、ふんわりと笑った。

「はい。大丈夫です。ご心配をおかけしました。」

「あまり、無理はしないことだ。・・・体調管理も、立派な仕事だぞ?」

「・・・はい。」

 素直に頷くルルーシュに藤堂もご満悦だ。

 口々に労いの言葉をかけてくる幹部達に、丁寧に応対するルルーシュは、まだ本調子ではないからか、顔色が悪いし、笑顔も儚げだ。

「朝比奈の奴、おっそいなぁ・・・ったく、ルルーシュのことほっぽって、どこで買い物してんだよ。」

 ブツブツと言うのは玉城だ。ルルーシュは一瞬キョトン、とし、困ったように笑った。

「風邪をひいた時は、あれだから。」

 朝比奈と同じことを言うルルーシュに、幹部達が“あれ”とは何かと尋ねようとした瞬間、病室のドアが開いた。

「うわ!何この人口密度!・・・病人の部屋にこんなに押し掛けてどうするのさ・・・まったく。藤堂さんもいて、何やってるんですか。」

 呆れた様子の朝比奈が入って来て、溜め息を漏らす。

「あ、ああ・・・そうだったな、すまない、ルルーシュ君。」

「いえ。別に、俺は構いませんから。」

 面目なさげな藤堂にクツクツと笑うルルーシュ。そんなルルーシュに、朝比奈がご機嫌で近寄り、ビニール袋を見せる。

「はい。買ってきたよ?」

 その一言と、ビニール袋を見た瞬間。ルルーシュの表情が一変する。

 擬音で表現するなら“ぱあああっ”だろうか。それくらいに、ルルーシュの表情は明るく、満面の笑みをうかべて、目をキラキラと輝かせている。

 ガサガサとビニール袋をあさり、朝比奈が取り出したのは・・・。

「プリン・・・?」

 そう。租界じゃなくても、ゲットーのマーケットに行けば手に入るような、大衆向けのプリン。それこそ、昔懐かしの、俗にいう、ぷっちんプリン、だ。

「省吾さんっ、ありがとう!!大好きですッ(プリンが。もちろん、省吾さんも。)!!」

「どういたしまして~。俺も大好きだよ~~~(ルルーシュ君が。)」

 眩しいほどの笑顔にクラクラとしながら、幹部達は一斉に思った。

― ・・・プリン1つでこれかよッ。なんて羨ましい!!!




 今度から、ルルーシュのご機嫌を窺う時は、プリンを持参しようと決めた幹部達だった。


おしまい


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