Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・完全捏造設定です!
・原作かなり無視しています!
・オリジナルキャラクターがわんさか出ます
・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「・・・さて、もう黙ってなくても良いんだよなァ?説明してもらおうか?」
ニッコリと笑う銀時が怖い。
ものすごく怖い。
背後に真っ黒オーラが出ている気がする。っていうか気のせいじゃないと思う。
銀時の前に一列で正座させられた六花は一様に怯えて、彼を見上げた。
***
時は少し遡り、出発した港へと戻ってきた銀時達は真選組の隊士達に出迎えられた。
「局長!副長!!沖田隊長!!お疲れ様です!!ご無事なお姿を拝見出来て安心しております!」
「おう、テメェ等も無事で何よりだ」
近藤は笑顔で応じ、それから声を顰めた。
「・・・で、保科様達はどうしてる?」
「は、俺達はターミナルの警備と攘夷浪士の相手をしていたので、詳しくは」
なるほど、真選組が責任を問われないように天導衆の警備から外したらしい。
そう納得すると、土方は銀時を振り返る。
「おい、さっきの話・・・テメェと高杉は驚いてなかったな?」
「・・・まぁ、俺と晋助は気付いてたからな。なんとなーくだけど。・・・晋ちゃんはそれどころじゃなかったっていうのもあるんだろうけどなー」
銀時に散々からかわれて撃沈していた高杉を思い出し、土方は口元を引き攣らせた。
「相変わらず容赦ねェドSだな・・・」
「え~?何のことですかァ~?」
二ヘラ、と笑う銀時に“白夜叉”だったり、それ以上の状態だったりした時の面影は全くない。
「それで、気付いてたっていつからだ?」
「ん?あの上様との謁見の時からかな。・・・アイツ等、俺に隠し事しようなんざ100年・・・いや、1000年早いんだよ」
「・・・いやいや、生きてねェだろそれ。・・・っていうか、気付いてたから黙ってたのか?」
「ん~・・・俺のためにやろうとしてたんだし止められねェだろ。・・・それに、俺もあの時はいっぱいいっぱいだって言ったろ?」
殺気を抑えるので精一杯だった様子の銀時を見ていた土方はコクリと頷く。
「・・・そうだな。六花を止められるとしたらテメェだけだが、テメェも黒夜叉のことで頭がいっぱいだったんじゃ、どうしようもねェよな」
「そそ、アイツ等止めるのだって結構苦労するんだぞ~」
「違いねェ・・・」
第一、天導衆がどうなろうが上の方が納得しているのならばどうでもいいことだ。
それに、真選組にメリットが無いわけでもない。
「これで、嫌々天人のド腐れ野郎共の護衛なんてモンをやる必要が無くなりそうだし。これからは対等にやらせてもらいたいもんだな」
「・・・そうだよなぁ。地球人を見下してた連中は肝を冷やしただろうなぁ・・・こんな形であの人の考えが実行されるとはなァ」
クツクツと笑う銀時に、土方は首を傾げた。
「はぁ?どういう意味だ?」
「・・・松陽先生の考えってのが、天人の技術を取り入れて奴等と対等に付き合っていくっていうモンだったんだよ」
土方の問いに答えたのは銀時ではなく、高杉だった。
「マジでか・・・確か、松陽先生ってのはテメェ等がガキの頃に殺されたんだよな?」
「ああ。・・・当時ではかなり異端な考え方だったからな。幕府からも煙たがられて、天人共にも危険視された」
「・・・それでか」
土方が視線を落とす。
恩師が殺されて攘夷戦争に出た。理由としてはこれ以上のものは無いと思ったが、事情を聞けば更に納得できる。
「幕府への怒りは・・・残党狩りをされた恨みだけじゃねェ、恩師を軽視された恨みもあったってワケだな」
「まぁ、そういうことだ。・・・六花の連中が天導衆だけを排除したとは考えにくい。幕府内も綺麗に掃除したんだろ」
「・・・その為の上様と松平のとっつあんか」
「だろうな」
別口で動くことがある、めんどくせェけどやるしかない。などとぼやいていた松平を思い出し、土方は溜息をついた。
「・・・少しはやりやすくなるって思えば、まぁ、良いか」
「ククッ・・・テメェ等にとっちゃ、めんどくせェ相手が一気に減って良かったって話じゃねェか」
高杉の言葉に、土方はハッとする。
「・・・攘夷、止めんのか?」
それを聞いた他の面々からの視線を背後に感じつつ、高杉はニヤリと笑った。
「さてな。・・・ただ、真選組を狙うのだけは止めてやらァ」
世界を壊す―――ただそれだけのために突っ走ってきたが思わぬところで水入りとなった。
ならば、目的を変えても良いだろうと思っただけに過ぎない。
「今度は・・・春雨でも乗っ取ろうかねェ」
元々利用しようと思って近付いた。キリのいい所で離れようとも思ったが存外面白い奴もいて、中々に楽しめそうだと思い始めていた所だ。
“彼”と一緒ならば春雨を乗っ取るのも面白い。
「根っからのお祭り好きめ・・・相変わらず、デケーことばっかりやりやがる」
銀時が呆れたような視線を向けてくるので、高杉は肩を竦める。
「地球にばっかり囚われんのはもう止めだ。辰馬みてェに商売するような質じゃねェからな・・・宇宙で派手な喧嘩してくらァ」
「・・・ハァ、やれやれ。やっちまえ。で、獣の呻きが止んだらこっちに帰って来い」
「そう、だな」
銀時の言い様に苦笑いをうかべる。
「・・・で、テメェはどうするんでィ、桂」
先程まで黙っていた沖田が口を開く。
将軍に手を出すなと言われた以上、今は何もできないが、今後も攘夷活動を続けるようであればその命令を撤回してもらわねばならないだろう。
「・・・幕府が頭を挿げ替え、良い方向に変わっていくのであれば俺は何も言うまいよ。ただ・・・悪い方向へと進もうとしたら、また討幕派として立ち上がるだけだ」
「ふぅん・・・なら、当分は大人しくしてて欲しいもんでさァ。旦那の旧友をぶった斬るのはさすがに心が痛むからねィ(まぁ、倒幕派として立ち上がってきたらさっさとぶった斬ってやらぁな・・・あぁ、そう思ったらマジで斬りたくなってきた)」
「沖田くーん!?それウソでしょ!!?めっちゃ早く斬りてェとか思ってんでしょ!?心痛むとか、無いでしょ!?絶対!!」
銀時が激しくツッコミを入れれば、沖田は舌を出す。
「てへぺろ☆」
「ちょっとー!!局長さん!!おたくの坊ちゃん何とかしてぇええ!!」
「あ、無理!」
「あ、無理!じゃねェよ!!何とかしろよ!!テメェんトコの幹部だろうが!!それとも何か、ゴリラ局長じゃ無理か。そうかじゃあ鬼副長が何とかしろよ!!」
「あ、無理」
「あ、無理って四連チャンでセリフ出ちゃってんじゃん!!なんなのコレ!!嫌がらせですか!!」
「・・・銀さんツッコミ絶好調ですねェ」
ゼェゼェと息切れしながらツッコミを入れている銀時を眺めて、新八がのほほんと呟く。
「あー、銀がツッコミ属性とはなぁ・・・ボケ体質だと思ってたんだけど・・・世の中は広いなぁ・・・」
その呟きに、久坂ものほほんと応じる。
「そうネ、銀ちゃんが総ツッコミになる時代も近いアル」
神楽がうんうんと頷くと、入江と古田が苦笑する。
「銀時が総ツッコミかぁ~。でも、これだけボケが揃ってたらそうなるのか~」
「これでようやく俺の苦労が銀時にもわかるということだな」
「あ、そっか。稔麿って俺等のツッコミ役だったもんな~」
「・・・大変だったんだぞ・・・しまいには小太郎までボケに回ったからな」
「うん、ごめん・・・俺等が悪かったよ~」
遠い目をした古田の肩をポン、と叩き、入江はその苦労をねぎらった。
と、その時、すごい勢いで走ってきたパトカーが彼等の前にドリフト駐車する。
「よぉ~、お前等~・・・お疲れちゃん」
「!・・・とっつあん!!」
銀時にフルスロットルでツッコミを入れられていた土方は、聞き覚えのある声にハッとして振り返る。
そこには、巨大なバズーカを抱えた松平片栗虎が立っていた。
「お~い、万事屋ぁ・・・保科様がなァ、ちーっと話があるんだってよォ」
ニヒルな笑みをうかべながら松平が身体をずらすと、そこには妙に大人しい六花の4人が並んで立っていた。
お互い様ではあるが、おびただしい量の返り血を浴びたとわかる格好に一同が息を呑む。
氷柱の恰好でどんな作戦を取ったか理解した銀時はこめかみに青筋を立てた。
「・・・そこ並べ、俺の言いたいことはわかってんな?」
ギロリ、と睨まれて竦み上がった六花の4人は、そそ、と銀時の前に一列に並んで正座をした。
そして、冒頭のシーンに戻る。
「で?・・・言い訳ぐらいは聞いてやんよ?」
背後の黒いオーラを気にしつつ、夏霧が口を開く。
「そのー・・・天導衆を始末するには、俺達のテリトリーに招く必要がありまして・・・」
「ほうほう」
「せ、接待・・・も、一応しておかないと、えーと・・・怪しまれるといいますか」
「へぇー・・・で?」
「色々な皆さんに協力していただきまして・・・そのぅ・・・ちょっと派手にやりすぎたな~とは、思ったんですけど・・・」
「ふぅーん」
「・・・・・・ふえっ・・・ごめんなさい~っ!!」
ボタボタと大粒の涙が氷柱の目からこぼれ落ちる。
銀時に怒られるのが久しぶりだったために、堪え切れなくなってしまったのだ。
「・・・はぁああ・・・大まかな計画を立てたのは夏霧だな?」
「・・・はい」
頷く夏霧に銀時が近付き、その頭に拳を振り下ろす。
「ッ!~~~!!!」
頭を押さえて撃沈する夏霧を青褪めた表情で見ていた春霞は、フッと頭上が暗くなるのを感じておそるおそる視線をあげる。
「春霞、俺に黙ってやるって決めたのはお前だな?つーか、お前しかいないよな?」
「・・・・・・よ、よくご存知で・・・いだっ!!」
返事を聞くや否や、春霞にげんこつを喰らわせる。
「で?水澄・・・お前が一番返り血多いなァ?ん~?楽しかったですかァ~?」
「あー・・・えーと・・・天導衆の逃げ回る姿を見るのが楽しかったでーす・・・」
「うんうん、正直過ぎて涙が出てくるね。・・・ッの、馬鹿!!殺しを楽しむなッつったろうがッ!!!」
ゴチン、と今までで最大の音がして、水澄は目の前に星が飛ぶという体験をする羽目になった。
そして、号泣する氷柱の前にしゃがんだ銀時は、深い溜息をついた。
「・・・もう“色”はするなっつったな、俺は。覚えてっか?」
「・・・くすん・・・ハイ」
「はぁああ・・・触らせなかっただろうなァ?」
「・・・・・・腰、ちょっとだけ・・・着物の上から」
「・・・後でその着物は燃しとけ」
「・・・・・・はい」
―――ああ、あの人/アイツ、女は殴れないよな~。
その場の全員が納得の瞬間である。
それぞれ頭を押さえて涙目になっている野郎共と、号泣しつつもただ諭すように言われただけの氷柱の扱いの差は激しく大きい。
「・・・ったく、しょうがねェ奴らだな」
心底呆れたように言われ、六花の4人は身体を強張らせる。
「・・・でも、ありがとよ。俺のために頑張ってくれたんだろ?・・・お前等みたいな部下を持てて、俺ァ、幸せだよ」
銀時がフッと笑った気配がして、4人は顔をガバッとあげた。
やわらかな笑みをうかべた銀時。その表情は戦場では決して見ることの叶わなかったもの。
「・・・っ・・・その笑顔を、その言葉を頂けただけで・・・俺達はッ・・・!」
感極まった夏霧が言葉を詰まらせる。
銀時の心を護りきれたのだと思ったら、途端に力が抜けた。
パタパタと倒れてしまった六花の4人を見て、銀時は苦笑した。
「・・・どんだけ気ィ、張ってたんだか・・・」
「よく出来ました、と言ってあげよう」
ポン、と銀時の頭の上に手を乗せて久坂が微笑む。
「まぁ、帰ってきたら言ってやらねェとって思ってたからなァ・・・それに、晋助にも言ってやれって言われたし」
「・・・へぇ、晋がねェ」
久坂に笑みを含んだ声音で言われて視線を向けられると、高杉はフイッと顔を背ける。
「松平殿、申し訳ないが・・・この4人をそのパトカーで運んでもらえるか?」
「あぁ、構わねェよ・・・どうせ乗っけてきたんだァ。帰りも送ってやらァ」
桂が頭を下げ、松平がニヤリと笑う。どうやらこうなることは予測していたらしい。
「・・・で、とっつあん、死体どうすんの?」
近藤が訊ねれば、松平は肩を竦める。
「そりゃ、明日以降だ。テメェ等もくたびれてんだろうが・・・とりあえず、屯所に戻って身体休めろや。・・・保科様も屯所に運ぶ。屋敷中に死体がゴロゴロ転がったままだからなァ・・・」
「・・・高杉達も死体と一緒に寝るのは嫌だろう?今宵は俺達のアジトに来ると良い」
桂が誘えば、否やは無いと高杉は頷く。
「じゃ、俺達は万事屋に帰ェるか」
くるり、と神楽と新八の方を振り返る。
「ですね!!」
「早く帰って寝るアル!!夜更かしはお肌の大敵って姉御が言ってたネ!!」
ぴったりと銀時にひっついた子ども達の頭を撫で回し、銀時は笑みをうかべた。
***
長い一日が終わった。
ふっと目を開けた銀時は、両隣にいる神楽と新八を見て目元を緩める。
“白夜叉”の姿はきっと怖ろしかったに違いない。それでもこの子ども達は自分を丸ごと受け入れてくれた。
「・・・ありがとな。神楽、新八」
今までだって彼らの存在に救われてきたが、今日は特別嬉しかった。
もう黒夜叉も天導衆もいない。堂々と胸を張って江戸の町を歩き回れるというわけだ。
まぁ、今までもそうやってきたが。
六花が銀時のために時間をかけて天導衆を排除する計画を練ってくれたわけだから、今まで以上に楽しく過ごそう。彼等の望みが銀時の平穏な暮らしぶりを見ることなのだから。
「六花の連中にもなんか礼をしないとなぁ・・・つーか、笑顔と礼を言われただけで満足とか、どんだけ欲がねェんだよ」
銀時にしてみれば彼等を救った恩など十分に返してもらっている、と思う。
それなのに、彼等は多くを望みもせずに銀時に仕えてくれる。
今頃、真選組の屯所で寝ているだろう彼等を思い出し、銀時は目を細めた。
「あぁ・・・ホント、俺って恵まれてるよな」
今まで出会ってきた人々との絆があって今の銀時がある。
誰一人欠けてはならない友人であり、家族だ。
彼等に出会えて本当に幸せだ。
ゆるりと笑い、銀時は静かに目を閉じた。
***
空に浮かぶ月を眺め、煙を燻らせる。
「・・・眠れんのか」
幼馴染の声に振り返り、高杉は苦笑した。
「・・・いや、眠る気になれねェんだよ。・・・数日前にはこんな風にテメェのアジトでのんびりとできるなんざ、思ってもいなかったぜ」
「それは俺も同じだ。あの紅桜の件より、お前と仲直りすることは諦めていた」
桂は高杉を真っ直ぐに見つめてそう告げる。
「はァ・・・俺達が喧嘩してっと銀時が傷つくってか。・・・六花の連中の銀時至上主義は徹底してやがんなァ」
何を措いても銀時の心が一番大事。高杉達が考えているよりも六花の銀時への忠誠心は篤かった。
「そうなるように仕向けたのは俺達だがな」
「・・・まぁな・・・」
だとしても国ごとひっくり返すようなことをしでかすとは思いもしなかった。
「俺が世界をブッ壊してやるつもりだったんだがなァ」
「先にブッ壊されてしまったな」
「ククッ・・・まぁ、天人共の反応が気になるところだが・・・アイツ等に手抜かりはねェだろう」
その辺りの手腕も認めているから、今回の件は大人しく六花の計画の邪魔をしなかった。
「このまま、氷柱は鬼兵隊で預かるのか?」
「・・・アイツが望むならな」
「そうか・・・」
「テメェこそ、水澄はどうすんだ」
「・・・アイツは、銀時の傍にいたいだろう」
六花の中でも特に甘えたがりな水澄は、他の六花相手でも嫉妬を隠そうとしない。
「だろうな・・・」
「まぁ、他の六花がそれを許すかといえば・・・許さないだろうがな」
桂が言えば、高杉はクツクツと笑った。
六花の中で暗黙の了解になっている抜け駆け禁止は、戦争の真っ只中で取り決められたことを思い出したからだ。
「・・・銀時は、今まで通りに暮らすんだろうなァ」
「そうだろうな。ようやく得た安住の地だからな」
「しばらくは神威の興味をアイツから逸らしといてやるか・・・」
でなければすぐにでも銀時の元に行きそうな気がする。
「神威、とやらは確かリーダーの兄だったか」
「・・・ああ。というか、なんでお前はあの餓鬼をリーダーって呼ぶんだ?」
「・・・・・・企業秘密だ」
企業だったのか―――とツッコミを入れることすらアホらしくなり、高杉は肩を竦めた。
「ったく、銀時の周りはいつも騒がしいな・・・」
「アレで本人はささやかな幸せを感じているんだ。邪魔をするなよ?」
「もうしねェよ・・・」
再び手を取り合ってみれば、もう離せなくなっていた。
憎しみでも何でも繋がりさえあれば良いと思っていたが、やはり“仲間”であり“友”である繋がりの方が心地が良い。
松陽がいた頃はいつも3人一緒だった。そこに久坂達も絡んできて、切磋琢磨して成長してきた。
松陽が死んでからその関係は徐々に形を変え、戦争が終わる頃には気持ちまでもがバラバラになっていた。
それでも銀時達との繋がりを信じていた。似蔵に“同志”と揶揄されて腹立つくらいには。
「あー、なんか物足りねェ・・・天導衆の死体、ぐちゃぐちゃにして良いか?」
「・・・既にぐちゃぐちゃになってそうだがな」
「・・・畜生、六花ばかりに任せんじゃなかった」
「とかなんとか言って、お前、妙にスッキリした顔してるじゃないか」
桂が苦笑をうかべる。
「そうかァ?」
ぺたり、と頬に触れて首を傾げる。
結局、3人一緒でなければ落ち着かなかっただけなのか。
あの憤りが嘘のように晴れたのは、黒夜叉が死んだからでも天導衆が壊滅したからでもなく、また銀時や桂達幼馴染と(ついでに辰馬とも)共に戦えたからなのだろうか。
「お前、意外と寂しがりだったからな」
「・・・やっぱ、テメェはムカつく」
ニヤリと笑った桂に頭突きをして、額を押さえて蹲る彼を見下ろす。
「っの・・・石頭め・・・ッ!」
「・・・フン、ちったァ頭も鍛えとけ。だからヅラなんだよテメェは」
「ヅラじゃない桂だ!!」
お決まりのセリフを叫んだ桂にひらりと手を振り、高杉は割り当てられた自室へと戻っていく。
「高杉ッ・・・今度は、銀時も交えて酒を飲もう!!」
桂の真面目くさった声に笑みを漏らす。
「あァ・・・そうだな」
悪くない。
そう呟いて、高杉は襖を閉めた。
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・完全捏造設定です!
・原作かなり無視しています!
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・二次創作だということをご理解したうえでお読みください!
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「・・・さて、もう黙ってなくても良いんだよなァ?説明してもらおうか?」
ニッコリと笑う銀時が怖い。
ものすごく怖い。
背後に真っ黒オーラが出ている気がする。っていうか気のせいじゃないと思う。
銀時の前に一列で正座させられた六花は一様に怯えて、彼を見上げた。
***
時は少し遡り、出発した港へと戻ってきた銀時達は真選組の隊士達に出迎えられた。
「局長!副長!!沖田隊長!!お疲れ様です!!ご無事なお姿を拝見出来て安心しております!」
「おう、テメェ等も無事で何よりだ」
近藤は笑顔で応じ、それから声を顰めた。
「・・・で、保科様達はどうしてる?」
「は、俺達はターミナルの警備と攘夷浪士の相手をしていたので、詳しくは」
なるほど、真選組が責任を問われないように天導衆の警備から外したらしい。
そう納得すると、土方は銀時を振り返る。
「おい、さっきの話・・・テメェと高杉は驚いてなかったな?」
「・・・まぁ、俺と晋助は気付いてたからな。なんとなーくだけど。・・・晋ちゃんはそれどころじゃなかったっていうのもあるんだろうけどなー」
銀時に散々からかわれて撃沈していた高杉を思い出し、土方は口元を引き攣らせた。
「相変わらず容赦ねェドSだな・・・」
「え~?何のことですかァ~?」
二ヘラ、と笑う銀時に“白夜叉”だったり、それ以上の状態だったりした時の面影は全くない。
「それで、気付いてたっていつからだ?」
「ん?あの上様との謁見の時からかな。・・・アイツ等、俺に隠し事しようなんざ100年・・・いや、1000年早いんだよ」
「・・・いやいや、生きてねェだろそれ。・・・っていうか、気付いてたから黙ってたのか?」
「ん~・・・俺のためにやろうとしてたんだし止められねェだろ。・・・それに、俺もあの時はいっぱいいっぱいだって言ったろ?」
殺気を抑えるので精一杯だった様子の銀時を見ていた土方はコクリと頷く。
「・・・そうだな。六花を止められるとしたらテメェだけだが、テメェも黒夜叉のことで頭がいっぱいだったんじゃ、どうしようもねェよな」
「そそ、アイツ等止めるのだって結構苦労するんだぞ~」
「違いねェ・・・」
第一、天導衆がどうなろうが上の方が納得しているのならばどうでもいいことだ。
それに、真選組にメリットが無いわけでもない。
「これで、嫌々天人のド腐れ野郎共の護衛なんてモンをやる必要が無くなりそうだし。これからは対等にやらせてもらいたいもんだな」
「・・・そうだよなぁ。地球人を見下してた連中は肝を冷やしただろうなぁ・・・こんな形であの人の考えが実行されるとはなァ」
クツクツと笑う銀時に、土方は首を傾げた。
「はぁ?どういう意味だ?」
「・・・松陽先生の考えってのが、天人の技術を取り入れて奴等と対等に付き合っていくっていうモンだったんだよ」
土方の問いに答えたのは銀時ではなく、高杉だった。
「マジでか・・・確か、松陽先生ってのはテメェ等がガキの頃に殺されたんだよな?」
「ああ。・・・当時ではかなり異端な考え方だったからな。幕府からも煙たがられて、天人共にも危険視された」
「・・・それでか」
土方が視線を落とす。
恩師が殺されて攘夷戦争に出た。理由としてはこれ以上のものは無いと思ったが、事情を聞けば更に納得できる。
「幕府への怒りは・・・残党狩りをされた恨みだけじゃねェ、恩師を軽視された恨みもあったってワケだな」
「まぁ、そういうことだ。・・・六花の連中が天導衆だけを排除したとは考えにくい。幕府内も綺麗に掃除したんだろ」
「・・・その為の上様と松平のとっつあんか」
「だろうな」
別口で動くことがある、めんどくせェけどやるしかない。などとぼやいていた松平を思い出し、土方は溜息をついた。
「・・・少しはやりやすくなるって思えば、まぁ、良いか」
「ククッ・・・テメェ等にとっちゃ、めんどくせェ相手が一気に減って良かったって話じゃねェか」
高杉の言葉に、土方はハッとする。
「・・・攘夷、止めんのか?」
それを聞いた他の面々からの視線を背後に感じつつ、高杉はニヤリと笑った。
「さてな。・・・ただ、真選組を狙うのだけは止めてやらァ」
世界を壊す―――ただそれだけのために突っ走ってきたが思わぬところで水入りとなった。
ならば、目的を変えても良いだろうと思っただけに過ぎない。
「今度は・・・春雨でも乗っ取ろうかねェ」
元々利用しようと思って近付いた。キリのいい所で離れようとも思ったが存外面白い奴もいて、中々に楽しめそうだと思い始めていた所だ。
“彼”と一緒ならば春雨を乗っ取るのも面白い。
「根っからのお祭り好きめ・・・相変わらず、デケーことばっかりやりやがる」
銀時が呆れたような視線を向けてくるので、高杉は肩を竦める。
「地球にばっかり囚われんのはもう止めだ。辰馬みてェに商売するような質じゃねェからな・・・宇宙で派手な喧嘩してくらァ」
「・・・ハァ、やれやれ。やっちまえ。で、獣の呻きが止んだらこっちに帰って来い」
「そう、だな」
銀時の言い様に苦笑いをうかべる。
「・・・で、テメェはどうするんでィ、桂」
先程まで黙っていた沖田が口を開く。
将軍に手を出すなと言われた以上、今は何もできないが、今後も攘夷活動を続けるようであればその命令を撤回してもらわねばならないだろう。
「・・・幕府が頭を挿げ替え、良い方向に変わっていくのであれば俺は何も言うまいよ。ただ・・・悪い方向へと進もうとしたら、また討幕派として立ち上がるだけだ」
「ふぅん・・・なら、当分は大人しくしてて欲しいもんでさァ。旦那の旧友をぶった斬るのはさすがに心が痛むからねィ(まぁ、倒幕派として立ち上がってきたらさっさとぶった斬ってやらぁな・・・あぁ、そう思ったらマジで斬りたくなってきた)」
「沖田くーん!?それウソでしょ!!?めっちゃ早く斬りてェとか思ってんでしょ!?心痛むとか、無いでしょ!?絶対!!」
銀時が激しくツッコミを入れれば、沖田は舌を出す。
「てへぺろ☆」
「ちょっとー!!局長さん!!おたくの坊ちゃん何とかしてぇええ!!」
「あ、無理!」
「あ、無理!じゃねェよ!!何とかしろよ!!テメェんトコの幹部だろうが!!それとも何か、ゴリラ局長じゃ無理か。そうかじゃあ鬼副長が何とかしろよ!!」
「あ、無理」
「あ、無理って四連チャンでセリフ出ちゃってんじゃん!!なんなのコレ!!嫌がらせですか!!」
「・・・銀さんツッコミ絶好調ですねェ」
ゼェゼェと息切れしながらツッコミを入れている銀時を眺めて、新八がのほほんと呟く。
「あー、銀がツッコミ属性とはなぁ・・・ボケ体質だと思ってたんだけど・・・世の中は広いなぁ・・・」
その呟きに、久坂ものほほんと応じる。
「そうネ、銀ちゃんが総ツッコミになる時代も近いアル」
神楽がうんうんと頷くと、入江と古田が苦笑する。
「銀時が総ツッコミかぁ~。でも、これだけボケが揃ってたらそうなるのか~」
「これでようやく俺の苦労が銀時にもわかるということだな」
「あ、そっか。稔麿って俺等のツッコミ役だったもんな~」
「・・・大変だったんだぞ・・・しまいには小太郎までボケに回ったからな」
「うん、ごめん・・・俺等が悪かったよ~」
遠い目をした古田の肩をポン、と叩き、入江はその苦労をねぎらった。
と、その時、すごい勢いで走ってきたパトカーが彼等の前にドリフト駐車する。
「よぉ~、お前等~・・・お疲れちゃん」
「!・・・とっつあん!!」
銀時にフルスロットルでツッコミを入れられていた土方は、聞き覚えのある声にハッとして振り返る。
そこには、巨大なバズーカを抱えた松平片栗虎が立っていた。
「お~い、万事屋ぁ・・・保科様がなァ、ちーっと話があるんだってよォ」
ニヒルな笑みをうかべながら松平が身体をずらすと、そこには妙に大人しい六花の4人が並んで立っていた。
お互い様ではあるが、おびただしい量の返り血を浴びたとわかる格好に一同が息を呑む。
氷柱の恰好でどんな作戦を取ったか理解した銀時はこめかみに青筋を立てた。
「・・・そこ並べ、俺の言いたいことはわかってんな?」
ギロリ、と睨まれて竦み上がった六花の4人は、そそ、と銀時の前に一列に並んで正座をした。
そして、冒頭のシーンに戻る。
「で?・・・言い訳ぐらいは聞いてやんよ?」
背後の黒いオーラを気にしつつ、夏霧が口を開く。
「そのー・・・天導衆を始末するには、俺達のテリトリーに招く必要がありまして・・・」
「ほうほう」
「せ、接待・・・も、一応しておかないと、えーと・・・怪しまれるといいますか」
「へぇー・・・で?」
「色々な皆さんに協力していただきまして・・・そのぅ・・・ちょっと派手にやりすぎたな~とは、思ったんですけど・・・」
「ふぅーん」
「・・・・・・ふえっ・・・ごめんなさい~っ!!」
ボタボタと大粒の涙が氷柱の目からこぼれ落ちる。
銀時に怒られるのが久しぶりだったために、堪え切れなくなってしまったのだ。
「・・・はぁああ・・・大まかな計画を立てたのは夏霧だな?」
「・・・はい」
頷く夏霧に銀時が近付き、その頭に拳を振り下ろす。
「ッ!~~~!!!」
頭を押さえて撃沈する夏霧を青褪めた表情で見ていた春霞は、フッと頭上が暗くなるのを感じておそるおそる視線をあげる。
「春霞、俺に黙ってやるって決めたのはお前だな?つーか、お前しかいないよな?」
「・・・・・・よ、よくご存知で・・・いだっ!!」
返事を聞くや否や、春霞にげんこつを喰らわせる。
「で?水澄・・・お前が一番返り血多いなァ?ん~?楽しかったですかァ~?」
「あー・・・えーと・・・天導衆の逃げ回る姿を見るのが楽しかったでーす・・・」
「うんうん、正直過ぎて涙が出てくるね。・・・ッの、馬鹿!!殺しを楽しむなッつったろうがッ!!!」
ゴチン、と今までで最大の音がして、水澄は目の前に星が飛ぶという体験をする羽目になった。
そして、号泣する氷柱の前にしゃがんだ銀時は、深い溜息をついた。
「・・・もう“色”はするなっつったな、俺は。覚えてっか?」
「・・・くすん・・・ハイ」
「はぁああ・・・触らせなかっただろうなァ?」
「・・・・・・腰、ちょっとだけ・・・着物の上から」
「・・・後でその着物は燃しとけ」
「・・・・・・はい」
―――ああ、あの人/アイツ、女は殴れないよな~。
その場の全員が納得の瞬間である。
それぞれ頭を押さえて涙目になっている野郎共と、号泣しつつもただ諭すように言われただけの氷柱の扱いの差は激しく大きい。
「・・・ったく、しょうがねェ奴らだな」
心底呆れたように言われ、六花の4人は身体を強張らせる。
「・・・でも、ありがとよ。俺のために頑張ってくれたんだろ?・・・お前等みたいな部下を持てて、俺ァ、幸せだよ」
銀時がフッと笑った気配がして、4人は顔をガバッとあげた。
やわらかな笑みをうかべた銀時。その表情は戦場では決して見ることの叶わなかったもの。
「・・・っ・・・その笑顔を、その言葉を頂けただけで・・・俺達はッ・・・!」
感極まった夏霧が言葉を詰まらせる。
銀時の心を護りきれたのだと思ったら、途端に力が抜けた。
パタパタと倒れてしまった六花の4人を見て、銀時は苦笑した。
「・・・どんだけ気ィ、張ってたんだか・・・」
「よく出来ました、と言ってあげよう」
ポン、と銀時の頭の上に手を乗せて久坂が微笑む。
「まぁ、帰ってきたら言ってやらねェとって思ってたからなァ・・・それに、晋助にも言ってやれって言われたし」
「・・・へぇ、晋がねェ」
久坂に笑みを含んだ声音で言われて視線を向けられると、高杉はフイッと顔を背ける。
「松平殿、申し訳ないが・・・この4人をそのパトカーで運んでもらえるか?」
「あぁ、構わねェよ・・・どうせ乗っけてきたんだァ。帰りも送ってやらァ」
桂が頭を下げ、松平がニヤリと笑う。どうやらこうなることは予測していたらしい。
「・・・で、とっつあん、死体どうすんの?」
近藤が訊ねれば、松平は肩を竦める。
「そりゃ、明日以降だ。テメェ等もくたびれてんだろうが・・・とりあえず、屯所に戻って身体休めろや。・・・保科様も屯所に運ぶ。屋敷中に死体がゴロゴロ転がったままだからなァ・・・」
「・・・高杉達も死体と一緒に寝るのは嫌だろう?今宵は俺達のアジトに来ると良い」
桂が誘えば、否やは無いと高杉は頷く。
「じゃ、俺達は万事屋に帰ェるか」
くるり、と神楽と新八の方を振り返る。
「ですね!!」
「早く帰って寝るアル!!夜更かしはお肌の大敵って姉御が言ってたネ!!」
ぴったりと銀時にひっついた子ども達の頭を撫で回し、銀時は笑みをうかべた。
***
長い一日が終わった。
ふっと目を開けた銀時は、両隣にいる神楽と新八を見て目元を緩める。
“白夜叉”の姿はきっと怖ろしかったに違いない。それでもこの子ども達は自分を丸ごと受け入れてくれた。
「・・・ありがとな。神楽、新八」
今までだって彼らの存在に救われてきたが、今日は特別嬉しかった。
もう黒夜叉も天導衆もいない。堂々と胸を張って江戸の町を歩き回れるというわけだ。
まぁ、今までもそうやってきたが。
六花が銀時のために時間をかけて天導衆を排除する計画を練ってくれたわけだから、今まで以上に楽しく過ごそう。彼等の望みが銀時の平穏な暮らしぶりを見ることなのだから。
「六花の連中にもなんか礼をしないとなぁ・・・つーか、笑顔と礼を言われただけで満足とか、どんだけ欲がねェんだよ」
銀時にしてみれば彼等を救った恩など十分に返してもらっている、と思う。
それなのに、彼等は多くを望みもせずに銀時に仕えてくれる。
今頃、真選組の屯所で寝ているだろう彼等を思い出し、銀時は目を細めた。
「あぁ・・・ホント、俺って恵まれてるよな」
今まで出会ってきた人々との絆があって今の銀時がある。
誰一人欠けてはならない友人であり、家族だ。
彼等に出会えて本当に幸せだ。
ゆるりと笑い、銀時は静かに目を閉じた。
***
空に浮かぶ月を眺め、煙を燻らせる。
「・・・眠れんのか」
幼馴染の声に振り返り、高杉は苦笑した。
「・・・いや、眠る気になれねェんだよ。・・・数日前にはこんな風にテメェのアジトでのんびりとできるなんざ、思ってもいなかったぜ」
「それは俺も同じだ。あの紅桜の件より、お前と仲直りすることは諦めていた」
桂は高杉を真っ直ぐに見つめてそう告げる。
「はァ・・・俺達が喧嘩してっと銀時が傷つくってか。・・・六花の連中の銀時至上主義は徹底してやがんなァ」
何を措いても銀時の心が一番大事。高杉達が考えているよりも六花の銀時への忠誠心は篤かった。
「そうなるように仕向けたのは俺達だがな」
「・・・まぁな・・・」
だとしても国ごとひっくり返すようなことをしでかすとは思いもしなかった。
「俺が世界をブッ壊してやるつもりだったんだがなァ」
「先にブッ壊されてしまったな」
「ククッ・・・まぁ、天人共の反応が気になるところだが・・・アイツ等に手抜かりはねェだろう」
その辺りの手腕も認めているから、今回の件は大人しく六花の計画の邪魔をしなかった。
「このまま、氷柱は鬼兵隊で預かるのか?」
「・・・アイツが望むならな」
「そうか・・・」
「テメェこそ、水澄はどうすんだ」
「・・・アイツは、銀時の傍にいたいだろう」
六花の中でも特に甘えたがりな水澄は、他の六花相手でも嫉妬を隠そうとしない。
「だろうな・・・」
「まぁ、他の六花がそれを許すかといえば・・・許さないだろうがな」
桂が言えば、高杉はクツクツと笑った。
六花の中で暗黙の了解になっている抜け駆け禁止は、戦争の真っ只中で取り決められたことを思い出したからだ。
「・・・銀時は、今まで通りに暮らすんだろうなァ」
「そうだろうな。ようやく得た安住の地だからな」
「しばらくは神威の興味をアイツから逸らしといてやるか・・・」
でなければすぐにでも銀時の元に行きそうな気がする。
「神威、とやらは確かリーダーの兄だったか」
「・・・ああ。というか、なんでお前はあの餓鬼をリーダーって呼ぶんだ?」
「・・・・・・企業秘密だ」
企業だったのか―――とツッコミを入れることすらアホらしくなり、高杉は肩を竦めた。
「ったく、銀時の周りはいつも騒がしいな・・・」
「アレで本人はささやかな幸せを感じているんだ。邪魔をするなよ?」
「もうしねェよ・・・」
再び手を取り合ってみれば、もう離せなくなっていた。
憎しみでも何でも繋がりさえあれば良いと思っていたが、やはり“仲間”であり“友”である繋がりの方が心地が良い。
松陽がいた頃はいつも3人一緒だった。そこに久坂達も絡んできて、切磋琢磨して成長してきた。
松陽が死んでからその関係は徐々に形を変え、戦争が終わる頃には気持ちまでもがバラバラになっていた。
それでも銀時達との繋がりを信じていた。似蔵に“同志”と揶揄されて腹立つくらいには。
「あー、なんか物足りねェ・・・天導衆の死体、ぐちゃぐちゃにして良いか?」
「・・・既にぐちゃぐちゃになってそうだがな」
「・・・畜生、六花ばかりに任せんじゃなかった」
「とかなんとか言って、お前、妙にスッキリした顔してるじゃないか」
桂が苦笑をうかべる。
「そうかァ?」
ぺたり、と頬に触れて首を傾げる。
結局、3人一緒でなければ落ち着かなかっただけなのか。
あの憤りが嘘のように晴れたのは、黒夜叉が死んだからでも天導衆が壊滅したからでもなく、また銀時や桂達幼馴染と(ついでに辰馬とも)共に戦えたからなのだろうか。
「お前、意外と寂しがりだったからな」
「・・・やっぱ、テメェはムカつく」
ニヤリと笑った桂に頭突きをして、額を押さえて蹲る彼を見下ろす。
「っの・・・石頭め・・・ッ!」
「・・・フン、ちったァ頭も鍛えとけ。だからヅラなんだよテメェは」
「ヅラじゃない桂だ!!」
お決まりのセリフを叫んだ桂にひらりと手を振り、高杉は割り当てられた自室へと戻っていく。
「高杉ッ・・・今度は、銀時も交えて酒を飲もう!!」
桂の真面目くさった声に笑みを漏らす。
「あァ・・・そうだな」
悪くない。
そう呟いて、高杉は襖を閉めた。
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