Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
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注意
・あくまでも二次創作であることを前提にお読みください
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
翌朝、銀時は体調を崩した。
土方は松陽に頼まれ、銀時の様子を見に来ていた。
「・・・あの後、いつまで屋根の上にいたんだよ・・・」
昨夜、途中で銀時に追い返された土方は、ふとんの中でぽーっとしている銀時に不機嫌に問う。
「・・・一刻くらい・・・」
「そら、体調崩すのも当然だな」
呆れた視線を向けられて、銀時はムッとしてふとんを頭まですっぽりと被ってしまう。
「煩い!出てけ!」
「おい、銀時・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・ったく」
すっかりへそを曲げてしまったらしく、土方がいくら話しかけてもふとんから顔を出そうともしないため、大人しく部屋を出て行くことにした。
部屋を出ると、もし風邪でうつったりしたらと大変だから、と松陽に言われて別室にいた万事屋の子ども達が駆け寄ってくる。
「銀ちゃんは?!」
「大丈夫なんですか?」
「ああ、ちょっとダルイだけみてぇだから午前中いっぱい大人しくしてりゃ良くなるだろ」
そう答えればホッとした様子を見せる。
「・・・まぁ、うつるもんでもなさそうだし・・・様子見に行ってやれよ」
「行って良いアルか?」
「ああ、ありゃただの寝不足と夜風に当たり過ぎってトコだな」
許可を得ると、2人は頷きあって銀時の部屋へと向かう。
土方が子ども達を見送っていると、その背に沖田が話しかける。
「旦那はそれだけで体調崩すような、やわなお方じゃねェでしょうに」
「・・・だな。今日は千客万来っつってたし、そのストレスもあるんだろ」
「いつもは姿を消すって言ってましたしねィ・・・いくら別棟で会うとはいえ視界に入る可能性もある・・・旦那の人嫌いも相当だぜィ」
「まだ、12,3のガキなんだ・・・しょうがねェだろ」
「それ、自分に言い聞かせてるんですかィ?・・・しょうがねェなんて思ってねェでしょう?」
沖田に指摘された土方はバツの悪そうな表情をうかべ、フイ、と顔を背ける。
「野郎にはいつも上手(うわて)を取られてたからな・・・拍子抜けしちまうんだよ」
「確かにいっつも土方さんは旦那にからかわれてやすからねィ・・・でも、どうして俺達がここに来ることになったんでしょうねィ?白い人とか白い光なんてのを俺と土方さん以外は見たって言ってやがるし」
「俺達ももしかしたら見てるかもしれねェが、気づかなかっただけかもな」
「・・・もしくは、あの林にも何か仕掛けがあった、とか?」
「あー・・・それもあるか。そういやあの場所だけやたらと日の光が当たってて眩しかったんだよなァ、で、見上げて意識失えばここだし」
何気なしに土方が言った言葉に沖田はハッとした。
「土方さん・・・それ、林のど真ん中らへんじゃなかったですかィ?」
「ん?ああ・・・そうだったような・・・」
「同じでさァ」
「は?」
「同じなんでさァ!俺も日の光が随分と射しこんでやがると思って、太陽を見上げたら意識がなくなってここに飛ばされてたんでィ」
「マジでか!」
「マジでさァ」
そこまで同じ状況であれば、原因がそれであると特定できる。
が、結局は原因がわかっても帰る方法などわからないし、そもそもなぜここに来たのかすらもわからないままだ。
「旦那の過去が知りてェなんて・・・心のどっかで思ってたからかもしれませんねィ」
「・・・それはあるかもしれねェな・・・そういうことなら、俺達3人が来ていて、近藤さんが来てねェのもわかる」
「あ~・・・近藤さんの興味はメガネの姉貴だけに向いてやすからねィ」
「はァ・・・俺等がいなくて近藤さんは愛に走ってて・・・帰ったら真選組が滅亡とか笑えねェ冗談だよな」
「・・・・・・すいやせん、否定できるだけの根拠がねぇでさァ」
「・・・は、原田とかが、何とかすんだろ、たぶん・・・おそらく・・・」
だんだん自信がなくなって来たところで、背後に気配を感じて2人は振り返る。
「うわっ・・・いきなり振り返らないでくださいよ!」
「山崎か・・・」
「なんでィ、脅かそうとしてたんなら承知しねェぜィ?」
「ま、まさか!!・・・旦那の様子はどうかなって思いまして・・・」
「あー、ああ、そうか・・・今、ガキ共が様子見てるから・・・お前も行って来い。総悟とな」
「土方さん?」
「イイから行って来い。気になってんだろ?」
不思議そうに視線を向けてくる沖田にそう言うと、土方は自分達に用意された部屋へと向かうために歩き出す。
しばらく土方の背をじっと見つめていた2人だったが、やがてその背が見えなくなると、どちらともなく銀時の寝込んでいる部屋へと足を向けた。
***
「・・・白い人、白い光、太陽・・・」
部屋に戻った土方はブツブツと言いながら原因と考えられる事象をメモに書いていた。
そして、書いていながらそれらが一様にある人物のイメージと重なることに気づいた。
「・・・万事屋・・・いや、吉田さん、か?」
現代の銀時と松陽は良く似ている。
顔や性格なんかは違うが、まとう雰囲気が似ているのだ。
「育ての親ってやつだからか。・・・それとも・・・野郎にとっちゃ絶対的な存在だったから、似せようと思わなくても似ちまうのか・・・」
銀時も松陽も人に好かれる、というか頼られるタイプであるし、それに見合うだけの包容力がある。
「あながち、総悟の考えも間違ってねェかもな」
人の強い願望・想いにより起こされる奇跡。
万事屋の子ども達はもちろんのこと、土方をはじめとした真選組の面々も随分と銀時には世話になっている。面と向かっては言えないが感謝しているのだ。
だから、たまに思うことがある。彼のその軌跡は一体どのようなものなのか、と。
それが、今回のタイムスリップの原因ならば、その決定的な瞬間を目にするまではここにいるということになる。
「・・・あの調子じゃ、攘夷戦争にも関わってそうだな・・・」
攘夷戦争に出ていたこと自体は罪ではない。今現在攘夷活動をしていなければ真選組が動く必要はない。
だが、大きな事件の後は必ず銀髪の男の名が囁かれる。
あれだけ強い男だ。それに桂や高杉とも強い繋がりがあることを知ってしまった。おそらく、攘夷戦争時は幹部クラスの働きをしていただろう。
とすれば、彼の名が囁かれ天人の高官の耳に入れば、かつての記憶を呼び起す者もいるだろう。
どうか、天導衆を刺激してくれるなと願った。
「・・・野郎と敵対すんのだけは、もう勘弁願いてェんだがな・・・」
だが、命じられれば土方は躊躇なく銀時に刃を突き付けるだろう。
他でもない、真選組を、近藤を守るために。
戻る →
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翌朝、銀時は体調を崩した。
土方は松陽に頼まれ、銀時の様子を見に来ていた。
「・・・あの後、いつまで屋根の上にいたんだよ・・・」
昨夜、途中で銀時に追い返された土方は、ふとんの中でぽーっとしている銀時に不機嫌に問う。
「・・・一刻くらい・・・」
「そら、体調崩すのも当然だな」
呆れた視線を向けられて、銀時はムッとしてふとんを頭まですっぽりと被ってしまう。
「煩い!出てけ!」
「おい、銀時・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・ったく」
すっかりへそを曲げてしまったらしく、土方がいくら話しかけてもふとんから顔を出そうともしないため、大人しく部屋を出て行くことにした。
部屋を出ると、もし風邪でうつったりしたらと大変だから、と松陽に言われて別室にいた万事屋の子ども達が駆け寄ってくる。
「銀ちゃんは?!」
「大丈夫なんですか?」
「ああ、ちょっとダルイだけみてぇだから午前中いっぱい大人しくしてりゃ良くなるだろ」
そう答えればホッとした様子を見せる。
「・・・まぁ、うつるもんでもなさそうだし・・・様子見に行ってやれよ」
「行って良いアルか?」
「ああ、ありゃただの寝不足と夜風に当たり過ぎってトコだな」
許可を得ると、2人は頷きあって銀時の部屋へと向かう。
土方が子ども達を見送っていると、その背に沖田が話しかける。
「旦那はそれだけで体調崩すような、やわなお方じゃねェでしょうに」
「・・・だな。今日は千客万来っつってたし、そのストレスもあるんだろ」
「いつもは姿を消すって言ってましたしねィ・・・いくら別棟で会うとはいえ視界に入る可能性もある・・・旦那の人嫌いも相当だぜィ」
「まだ、12,3のガキなんだ・・・しょうがねェだろ」
「それ、自分に言い聞かせてるんですかィ?・・・しょうがねェなんて思ってねェでしょう?」
沖田に指摘された土方はバツの悪そうな表情をうかべ、フイ、と顔を背ける。
「野郎にはいつも上手(うわて)を取られてたからな・・・拍子抜けしちまうんだよ」
「確かにいっつも土方さんは旦那にからかわれてやすからねィ・・・でも、どうして俺達がここに来ることになったんでしょうねィ?白い人とか白い光なんてのを俺と土方さん以外は見たって言ってやがるし」
「俺達ももしかしたら見てるかもしれねェが、気づかなかっただけかもな」
「・・・もしくは、あの林にも何か仕掛けがあった、とか?」
「あー・・・それもあるか。そういやあの場所だけやたらと日の光が当たってて眩しかったんだよなァ、で、見上げて意識失えばここだし」
何気なしに土方が言った言葉に沖田はハッとした。
「土方さん・・・それ、林のど真ん中らへんじゃなかったですかィ?」
「ん?ああ・・・そうだったような・・・」
「同じでさァ」
「は?」
「同じなんでさァ!俺も日の光が随分と射しこんでやがると思って、太陽を見上げたら意識がなくなってここに飛ばされてたんでィ」
「マジでか!」
「マジでさァ」
そこまで同じ状況であれば、原因がそれであると特定できる。
が、結局は原因がわかっても帰る方法などわからないし、そもそもなぜここに来たのかすらもわからないままだ。
「旦那の過去が知りてェなんて・・・心のどっかで思ってたからかもしれませんねィ」
「・・・それはあるかもしれねェな・・・そういうことなら、俺達3人が来ていて、近藤さんが来てねェのもわかる」
「あ~・・・近藤さんの興味はメガネの姉貴だけに向いてやすからねィ」
「はァ・・・俺等がいなくて近藤さんは愛に走ってて・・・帰ったら真選組が滅亡とか笑えねェ冗談だよな」
「・・・・・・すいやせん、否定できるだけの根拠がねぇでさァ」
「・・・は、原田とかが、何とかすんだろ、たぶん・・・おそらく・・・」
だんだん自信がなくなって来たところで、背後に気配を感じて2人は振り返る。
「うわっ・・・いきなり振り返らないでくださいよ!」
「山崎か・・・」
「なんでィ、脅かそうとしてたんなら承知しねェぜィ?」
「ま、まさか!!・・・旦那の様子はどうかなって思いまして・・・」
「あー、ああ、そうか・・・今、ガキ共が様子見てるから・・・お前も行って来い。総悟とな」
「土方さん?」
「イイから行って来い。気になってんだろ?」
不思議そうに視線を向けてくる沖田にそう言うと、土方は自分達に用意された部屋へと向かうために歩き出す。
しばらく土方の背をじっと見つめていた2人だったが、やがてその背が見えなくなると、どちらともなく銀時の寝込んでいる部屋へと足を向けた。
***
「・・・白い人、白い光、太陽・・・」
部屋に戻った土方はブツブツと言いながら原因と考えられる事象をメモに書いていた。
そして、書いていながらそれらが一様にある人物のイメージと重なることに気づいた。
「・・・万事屋・・・いや、吉田さん、か?」
現代の銀時と松陽は良く似ている。
顔や性格なんかは違うが、まとう雰囲気が似ているのだ。
「育ての親ってやつだからか。・・・それとも・・・野郎にとっちゃ絶対的な存在だったから、似せようと思わなくても似ちまうのか・・・」
銀時も松陽も人に好かれる、というか頼られるタイプであるし、それに見合うだけの包容力がある。
「あながち、総悟の考えも間違ってねェかもな」
人の強い願望・想いにより起こされる奇跡。
万事屋の子ども達はもちろんのこと、土方をはじめとした真選組の面々も随分と銀時には世話になっている。面と向かっては言えないが感謝しているのだ。
だから、たまに思うことがある。彼のその軌跡は一体どのようなものなのか、と。
それが、今回のタイムスリップの原因ならば、その決定的な瞬間を目にするまではここにいるということになる。
「・・・あの調子じゃ、攘夷戦争にも関わってそうだな・・・」
攘夷戦争に出ていたこと自体は罪ではない。今現在攘夷活動をしていなければ真選組が動く必要はない。
だが、大きな事件の後は必ず銀髪の男の名が囁かれる。
あれだけ強い男だ。それに桂や高杉とも強い繋がりがあることを知ってしまった。おそらく、攘夷戦争時は幹部クラスの働きをしていただろう。
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どうか、天導衆を刺激してくれるなと願った。
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