Refused Reality(元・現実を拒絶した夢の中)
このサイトは、コードギアス・NARUTO・銀魂の二次創作サイトです。原作者様とは一切関係ありません。各ページの注意事項をよく読んでから閲覧してください。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
注意
・ラブラブですよ~
・時間軸はゼロ・皇族バレから数週間後あたり?
・幹部達(含:藤堂+残りの四聖剣)はルルが大好き
・ルルのフェイバリットフードはもちろん“あれ”です!
・捏造満載!!
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「けほっ。こほんっ。」
作戦会議の真っ最中。書類を見ながら斥候に行った杉山と南の報告を聞いていたルルーシュが、軽く咳き込む。
「・・・ルルーシュ君?風邪?」
すぐに反応したのは、やはりというか朝比奈で。カレンも心配そうにルルーシュの顔を見やっている。
「・・・あ、いえ。ちょっと、むせただけです。」
ニッコリと笑ってルルーシュが答えるが、納得していない様子の朝比奈がルルーシュの額に手をあてる。
「ホントに?・・・あッ、熱、あるじゃない!!」
「だ、大丈夫ですって!・・・心配症だな、省吾さんは。・・・っ、こほっ、けほけほっ。」
またも(本人曰く)むせたルルーシュに、眉を顰め、その腕を掴み、立ち上がらせる。
「会議、中止で良いですよね!?藤堂さん!」
「省吾さんっ!?」
「ああ。」
「と、藤堂さんっ・・・。」
てっきり止めると思った藤堂まで頷くので、ルルーシュは慌てて幹部達を見回すが、皆が皆、会議の中止に疑問など持ってはいなかった。
「え、どうして?・・・あの、俺、平気ですから!」
「ダメダメ~。とにかく、ラクシャータのとこに行くよー。平気かどうかは、そこで判断しようねぇ?」
うろたえるルルーシュをあやすようにそう言って、朝比奈はぐんぐんとルルーシュを医務室へと引っ張って行った。
「・・・37度8分・・・風邪ですねぇ。」
ルルーシュの喉を見て、胸を開かせて聴診器を当て、熱を測った後、ラクシャータが下した診断は“風邪”だった。
熱と腫れあがった喉。それに、目がウルウルしていて、良く見ればとてもだるそうにしている。これで、風邪でないと言い張っていたのだから、呆れてしまう。
「ここ最近、冷えましたからねぇ。」
寒の戻り、というのか、春になったばかりのエリア11はまだまだ寒かった。環境の変化に加えて、そんな気候が続けば、いくら気をつけていても、体力の無いルルーシュが風邪をひくのも当然と思えた。
「ゆっくり休むことですねぇ。作戦も、暫くは控えましょう~?」
ラクシャータがそう言うと、ルルーシュは眉を顰めた。
「しかし・・・。」
「しかしもなにもナイの!!休むったら休む!!」
ぴしゃり、と朝比奈に言われ、ルルーシュはびくんと身体を震わせ、それから、むっつりと黙り込んだ。
「・・・。」
「不機嫌になってもダメ。・・・イイ?ルルーシュ君。体調が悪い時に無理をするのは一番いけないことなんだよ?もし、作戦中にもっと具合が悪くなったらどうするの?皆に迷惑かけるでしょ?」
皆に迷惑をかけると言われてしまうと、何も言い返せなくなってしまったルルーシュは、はぁぁ、と溜め息をつき、最後の足掻きを見せた。
「大袈裟すぎます・・・。」
「当たり前。皆、ルルーシュ君が心配なの。・・・もちろん、一番心配してるのは、俺。」
胸を張って、きっぱりと言ってのけた朝比奈に、ルルーシュはポカン、とその顔を見つめ、次の瞬間、プッと吹き出した。
「あ、あは、ははっ・・・っく、けほっ、こほっ・・・ふふっ。」
咳き込みながらなのでとても苦しそうである。が、しかし、余程ツボにハマったらしく、ケラケラと腹を抱えて笑っている。そんなルルーシュを見たのは初めてなので、朝比奈もラクシャータも目を丸くしている。
「は・・・あはっ・・・ごほっごほっ!」
「ルルーシュ様!!・・・と、とにかく、落ち着いて下さい。朝比奈ぁ、あんた、外出てなぁ!」
「え、あ、ちょっと、ラクシャータ!!」
ルルーシュの背中をさすり、ベッドに横たえると、ラクシャータは朝比奈を追い出しにかかる。
「あんたがいると、ルルーシュ様が落ち着かないでしょぉ?・・・今は、外出てなさぁい。」
こっそりとそう言われてしまえば、朝比奈も折れるしかない。
「わかったよ・・・ルルーシュ君をよろしくね?」
「任せなさぁい。」
ラクシャータはキセルをくるりと回して、自信たっぷりに頷いてみせた。
戻って来た朝比奈を見て、幹部達がそわそわと立ち上がる。
「・・・朝比奈、ルルーシュ君は?」
藤堂が問うと、朝比奈は肩を竦めた。
「完璧風邪です。熱も測ったら37度8分もありましたし・・・。今、ラクシャータが見てくれてます。」
「・・・珍しいな、お前、大人しく追い出されてきたのか?」
卜部が目を丸くすると、朝比奈は苦笑をうかべた。
「だって、ルルーシュ君の笑いのツボを刺激しちゃったみたいで、咳き込みながら笑うんですよー?・・・俺がいたら、思い出しちゃって、落ち着かないからって言われちゃえば、出てくるしかないじゃないですか。」
「・・・お前、何を言ったんだ?」
今度は呆れたように藤堂に問われ、朝比奈は困ったように笑って答えた。
「え~・・・。皆、心配してるけど、一番心配してるのは俺だよって言っただけですよ?」
「それで、ルルーシュは笑いのツボにハマっちまったのか?・・・どこが面白いんだ?」
「いやー・・・俺にもさっぱり。なんか、すごい爆笑していたというか・・・あんなルルーシュ君見るの、初めてです。」
「・・・る、ルルーシュが、爆笑???」
カレンが呟き、一瞬、その映像を想像する。が、ゼロの時の高笑いしか想像できなくて、首を傾げた。
「・・・・・・た、高笑いじゃなくて、ですか?」
「うん。高笑いじゃなくて、爆笑。・・・こう、お腹抱えて、ケラケラと。」
「・・・箸が転がってもおかしい年頃ってヤツか?」
卜部が想像出来ん、と唸る。
「そうかもしれないですし、熱に浮かされてるせいかもしれませんしねぇ。・・・とにかく、今はそっとしておくのが一番ってことで。・・・作戦も暫くは中止の方向で。良いですよね、藤堂さん。」
「ああ、俺は構わん。が、・・・扇、お前が副指令だ。最終決定はお前がやるんだ。」
「あ、は、はい。・・・えと、総司令の穴は埋め難いので、作戦は、総司令が戻るまで中止・・・とする。」
オロオロとしながら扇が言えば、幹部達も異議なしと頷く。
「じゃあ、とりあえず、俺は買い物行ってきまーす。」
くるり、と背を向けた朝比奈に、幹部達が一斉に首を傾げた。
「おい、朝比奈!・・・ルルーシュが心配じゃねぇのかよ?」
玉城が問えば、朝比奈はひょい、と肩を竦めた。
「だから言ったでしょ?今は、そっとしておくのが一番って。」
「で、何で、買い物なんだよ。」
「え・・・あ~、風邪ひいたら、あれでしょ。」
「「「「「あ・・・あれ?」」」」」
当然とばかりに答えた朝比奈だが、幹部達には何のことだかさっぱりわからない。
「ふふん、まぁ、この事を知ってるのは俺と、ルルーシュ君本人と、ナナリーちゃんだけだからねぇ?・・・とにかく、行ってきま~すw」
優越感に浸った様子で言う朝比奈に、幹部達が悔しそうな表情をうかべる。
幼少時代のルルーシュと朝比奈のことを知っているはずの藤堂でさえ、意味がわからないと首を傾げているのだから、相当極秘事項なのだろう。
「ずるいわ!朝比奈さんばっかり!!」
「何言ってるのさ、紅月さん。紅月さんだって、紅月さんしか知らないルルーシュ君っていうの、あるでしょ?それと一緒だよー。」
カレンがむくれると、朝比奈は苦笑をうかべた。
それも尤もなので、カレンがぐっと詰まり、黙り込むと、幹部達の羨ましげな視線がカレンにも向けられる。
「じゃあ、もし、ルルーシュ君の状態をラクシャータが教えに来たら、俺は買い物に行ったって言っといて下さいねぇ?」
ひらひらと手を振り、ラウンジを出て行った朝比奈の背を見送り、幹部達は地団太を踏む。
「くそ~!!なんだよあの余裕!!最近、ホントに余裕かますようになったよな、朝比奈の奴!!」
玉城の言葉に幹部達が同意するようにうんうん、と頷く。
「う~ん、ルルーシュと一緒にいる時間も長くなって、完璧にルルーシュをオトしたりもしたしなぁ。」
卜部が呻けば、千葉が肩を落とす。
「その一助は私と卜部さんの一撃ですしね・・・。」
「あー・・・。忘れろや、千葉。ありゃ事故だ。不幸な事故!」
認めたくないらしい卜部の発言に、藤堂が苦笑をうかべる。
「まぁ、そう言ってやるな、卜部。・・・ああ見えて、朝比奈もルルーシュ君も、皆には気を使っているんだ。」
「そりゃ・・・まぁ、そうなんでしょうけどねぇ・・・でも、中佐、俺達の前でラブラブだった時よりも、質悪いですぜ?」
「?」
卜部の言葉に、藤堂が首を傾げる。
「・・・視線だけで会話が成立してんですよ。ルルーシュがちょっと視線向けるだけで、朝比奈の奴はわかっちまうみたいで・・・で、さっきみたいな余裕の表情でこっちを見たりして。」
「・・・あぁ・・・それは、また・・・;」
さすがに藤堂もフォローしきれなくなってきたらしい。額を押さえ、唸る。
「・・・あらぁ・・・朝比奈はぁ?」
その時、ラウンジにラクシャータが入ってくる。幹部達は一斉にそちらに視線を向け、ルルーシュの状況を訊ねる。
「・・・だいぶ落ち着いたわぁ・・・薬も飲んだしねぇ。まだ、軽いうちだったから良かったわぁ。・・・で、朝比奈は、どこにいるのぉ?」
再度訊ねるラクシャータに、藤堂が答える。
「朝比奈は買い物に出ている。」
「・・・あぁ、そう。ルルーシュ様の言った通りねぇ・・・。」
呆れたように言ったラクシャータにどういうことか訊ねるが、詳しいことはわからないと言われてしまい、幹部達は、とりあえずルルーシュを見舞うことにする。
「ルルーシュ君・・・大丈夫か?」
病室に入るなり、藤堂がそう訊ねれば、ルルーシュは目を丸くし、それから、ふんわりと笑った。
「はい。大丈夫です。ご心配をおかけしました。」
「あまり、無理はしないことだ。・・・体調管理も、立派な仕事だぞ?」
「・・・はい。」
素直に頷くルルーシュに藤堂もご満悦だ。
口々に労いの言葉をかけてくる幹部達に、丁寧に応対するルルーシュは、まだ本調子ではないからか、顔色が悪いし、笑顔も儚げだ。
「朝比奈の奴、おっそいなぁ・・・ったく、ルルーシュのことほっぽって、どこで買い物してんだよ。」
ブツブツと言うのは玉城だ。ルルーシュは一瞬キョトン、とし、困ったように笑った。
「風邪をひいた時は、あれだから。」
朝比奈と同じことを言うルルーシュに、幹部達が“あれ”とは何かと尋ねようとした瞬間、病室のドアが開いた。
「うわ!何この人口密度!・・・病人の部屋にこんなに押し掛けてどうするのさ・・・まったく。藤堂さんもいて、何やってるんですか。」
呆れた様子の朝比奈が入って来て、溜め息を漏らす。
「あ、ああ・・・そうだったな、すまない、ルルーシュ君。」
「いえ。別に、俺は構いませんから。」
面目なさげな藤堂にクツクツと笑うルルーシュ。そんなルルーシュに、朝比奈がご機嫌で近寄り、ビニール袋を見せる。
「はい。買ってきたよ?」
その一言と、ビニール袋を見た瞬間。ルルーシュの表情が一変する。
擬音で表現するなら“ぱあああっ”だろうか。それくらいに、ルルーシュの表情は明るく、満面の笑みをうかべて、目をキラキラと輝かせている。
ガサガサとビニール袋をあさり、朝比奈が取り出したのは・・・。
「プリン・・・?」
そう。租界じゃなくても、ゲットーのマーケットに行けば手に入るような、大衆向けのプリン。それこそ、昔懐かしの、俗にいう、ぷっちんプリン、だ。
「省吾さんっ、ありがとう!!大好きですッ(プリンが。もちろん、省吾さんも。)!!」
「どういたしまして~。俺も大好きだよ~~~(ルルーシュ君が。)」
眩しいほどの笑顔にクラクラとしながら、幹部達は一斉に思った。
― ・・・プリン1つでこれかよッ。なんて羨ましい!!!
今度から、ルルーシュのご機嫌を窺う時は、プリンを持参しようと決めた幹部達だった。
おしまい
長編目次に戻る→
・ラブラブですよ~
・時間軸はゼロ・皇族バレから数週間後あたり?
・幹部達(含:藤堂+残りの四聖剣)はルルが大好き
・ルルのフェイバリットフードはもちろん“あれ”です!
・捏造満載!!
以上、同意できる方のみ↓へ・・・
「けほっ。こほんっ。」
作戦会議の真っ最中。書類を見ながら斥候に行った杉山と南の報告を聞いていたルルーシュが、軽く咳き込む。
「・・・ルルーシュ君?風邪?」
すぐに反応したのは、やはりというか朝比奈で。カレンも心配そうにルルーシュの顔を見やっている。
「・・・あ、いえ。ちょっと、むせただけです。」
ニッコリと笑ってルルーシュが答えるが、納得していない様子の朝比奈がルルーシュの額に手をあてる。
「ホントに?・・・あッ、熱、あるじゃない!!」
「だ、大丈夫ですって!・・・心配症だな、省吾さんは。・・・っ、こほっ、けほけほっ。」
またも(本人曰く)むせたルルーシュに、眉を顰め、その腕を掴み、立ち上がらせる。
「会議、中止で良いですよね!?藤堂さん!」
「省吾さんっ!?」
「ああ。」
「と、藤堂さんっ・・・。」
てっきり止めると思った藤堂まで頷くので、ルルーシュは慌てて幹部達を見回すが、皆が皆、会議の中止に疑問など持ってはいなかった。
「え、どうして?・・・あの、俺、平気ですから!」
「ダメダメ~。とにかく、ラクシャータのとこに行くよー。平気かどうかは、そこで判断しようねぇ?」
うろたえるルルーシュをあやすようにそう言って、朝比奈はぐんぐんとルルーシュを医務室へと引っ張って行った。
「・・・37度8分・・・風邪ですねぇ。」
ルルーシュの喉を見て、胸を開かせて聴診器を当て、熱を測った後、ラクシャータが下した診断は“風邪”だった。
熱と腫れあがった喉。それに、目がウルウルしていて、良く見ればとてもだるそうにしている。これで、風邪でないと言い張っていたのだから、呆れてしまう。
「ここ最近、冷えましたからねぇ。」
寒の戻り、というのか、春になったばかりのエリア11はまだまだ寒かった。環境の変化に加えて、そんな気候が続けば、いくら気をつけていても、体力の無いルルーシュが風邪をひくのも当然と思えた。
「ゆっくり休むことですねぇ。作戦も、暫くは控えましょう~?」
ラクシャータがそう言うと、ルルーシュは眉を顰めた。
「しかし・・・。」
「しかしもなにもナイの!!休むったら休む!!」
ぴしゃり、と朝比奈に言われ、ルルーシュはびくんと身体を震わせ、それから、むっつりと黙り込んだ。
「・・・。」
「不機嫌になってもダメ。・・・イイ?ルルーシュ君。体調が悪い時に無理をするのは一番いけないことなんだよ?もし、作戦中にもっと具合が悪くなったらどうするの?皆に迷惑かけるでしょ?」
皆に迷惑をかけると言われてしまうと、何も言い返せなくなってしまったルルーシュは、はぁぁ、と溜め息をつき、最後の足掻きを見せた。
「大袈裟すぎます・・・。」
「当たり前。皆、ルルーシュ君が心配なの。・・・もちろん、一番心配してるのは、俺。」
胸を張って、きっぱりと言ってのけた朝比奈に、ルルーシュはポカン、とその顔を見つめ、次の瞬間、プッと吹き出した。
「あ、あは、ははっ・・・っく、けほっ、こほっ・・・ふふっ。」
咳き込みながらなのでとても苦しそうである。が、しかし、余程ツボにハマったらしく、ケラケラと腹を抱えて笑っている。そんなルルーシュを見たのは初めてなので、朝比奈もラクシャータも目を丸くしている。
「は・・・あはっ・・・ごほっごほっ!」
「ルルーシュ様!!・・・と、とにかく、落ち着いて下さい。朝比奈ぁ、あんた、外出てなぁ!」
「え、あ、ちょっと、ラクシャータ!!」
ルルーシュの背中をさすり、ベッドに横たえると、ラクシャータは朝比奈を追い出しにかかる。
「あんたがいると、ルルーシュ様が落ち着かないでしょぉ?・・・今は、外出てなさぁい。」
こっそりとそう言われてしまえば、朝比奈も折れるしかない。
「わかったよ・・・ルルーシュ君をよろしくね?」
「任せなさぁい。」
ラクシャータはキセルをくるりと回して、自信たっぷりに頷いてみせた。
戻って来た朝比奈を見て、幹部達がそわそわと立ち上がる。
「・・・朝比奈、ルルーシュ君は?」
藤堂が問うと、朝比奈は肩を竦めた。
「完璧風邪です。熱も測ったら37度8分もありましたし・・・。今、ラクシャータが見てくれてます。」
「・・・珍しいな、お前、大人しく追い出されてきたのか?」
卜部が目を丸くすると、朝比奈は苦笑をうかべた。
「だって、ルルーシュ君の笑いのツボを刺激しちゃったみたいで、咳き込みながら笑うんですよー?・・・俺がいたら、思い出しちゃって、落ち着かないからって言われちゃえば、出てくるしかないじゃないですか。」
「・・・お前、何を言ったんだ?」
今度は呆れたように藤堂に問われ、朝比奈は困ったように笑って答えた。
「え~・・・。皆、心配してるけど、一番心配してるのは俺だよって言っただけですよ?」
「それで、ルルーシュは笑いのツボにハマっちまったのか?・・・どこが面白いんだ?」
「いやー・・・俺にもさっぱり。なんか、すごい爆笑していたというか・・・あんなルルーシュ君見るの、初めてです。」
「・・・る、ルルーシュが、爆笑???」
カレンが呟き、一瞬、その映像を想像する。が、ゼロの時の高笑いしか想像できなくて、首を傾げた。
「・・・・・・た、高笑いじゃなくて、ですか?」
「うん。高笑いじゃなくて、爆笑。・・・こう、お腹抱えて、ケラケラと。」
「・・・箸が転がってもおかしい年頃ってヤツか?」
卜部が想像出来ん、と唸る。
「そうかもしれないですし、熱に浮かされてるせいかもしれませんしねぇ。・・・とにかく、今はそっとしておくのが一番ってことで。・・・作戦も暫くは中止の方向で。良いですよね、藤堂さん。」
「ああ、俺は構わん。が、・・・扇、お前が副指令だ。最終決定はお前がやるんだ。」
「あ、は、はい。・・・えと、総司令の穴は埋め難いので、作戦は、総司令が戻るまで中止・・・とする。」
オロオロとしながら扇が言えば、幹部達も異議なしと頷く。
「じゃあ、とりあえず、俺は買い物行ってきまーす。」
くるり、と背を向けた朝比奈に、幹部達が一斉に首を傾げた。
「おい、朝比奈!・・・ルルーシュが心配じゃねぇのかよ?」
玉城が問えば、朝比奈はひょい、と肩を竦めた。
「だから言ったでしょ?今は、そっとしておくのが一番って。」
「で、何で、買い物なんだよ。」
「え・・・あ~、風邪ひいたら、あれでしょ。」
「「「「「あ・・・あれ?」」」」」
当然とばかりに答えた朝比奈だが、幹部達には何のことだかさっぱりわからない。
「ふふん、まぁ、この事を知ってるのは俺と、ルルーシュ君本人と、ナナリーちゃんだけだからねぇ?・・・とにかく、行ってきま~すw」
優越感に浸った様子で言う朝比奈に、幹部達が悔しそうな表情をうかべる。
幼少時代のルルーシュと朝比奈のことを知っているはずの藤堂でさえ、意味がわからないと首を傾げているのだから、相当極秘事項なのだろう。
「ずるいわ!朝比奈さんばっかり!!」
「何言ってるのさ、紅月さん。紅月さんだって、紅月さんしか知らないルルーシュ君っていうの、あるでしょ?それと一緒だよー。」
カレンがむくれると、朝比奈は苦笑をうかべた。
それも尤もなので、カレンがぐっと詰まり、黙り込むと、幹部達の羨ましげな視線がカレンにも向けられる。
「じゃあ、もし、ルルーシュ君の状態をラクシャータが教えに来たら、俺は買い物に行ったって言っといて下さいねぇ?」
ひらひらと手を振り、ラウンジを出て行った朝比奈の背を見送り、幹部達は地団太を踏む。
「くそ~!!なんだよあの余裕!!最近、ホントに余裕かますようになったよな、朝比奈の奴!!」
玉城の言葉に幹部達が同意するようにうんうん、と頷く。
「う~ん、ルルーシュと一緒にいる時間も長くなって、完璧にルルーシュをオトしたりもしたしなぁ。」
卜部が呻けば、千葉が肩を落とす。
「その一助は私と卜部さんの一撃ですしね・・・。」
「あー・・・。忘れろや、千葉。ありゃ事故だ。不幸な事故!」
認めたくないらしい卜部の発言に、藤堂が苦笑をうかべる。
「まぁ、そう言ってやるな、卜部。・・・ああ見えて、朝比奈もルルーシュ君も、皆には気を使っているんだ。」
「そりゃ・・・まぁ、そうなんでしょうけどねぇ・・・でも、中佐、俺達の前でラブラブだった時よりも、質悪いですぜ?」
「?」
卜部の言葉に、藤堂が首を傾げる。
「・・・視線だけで会話が成立してんですよ。ルルーシュがちょっと視線向けるだけで、朝比奈の奴はわかっちまうみたいで・・・で、さっきみたいな余裕の表情でこっちを見たりして。」
「・・・あぁ・・・それは、また・・・;」
さすがに藤堂もフォローしきれなくなってきたらしい。額を押さえ、唸る。
「・・・あらぁ・・・朝比奈はぁ?」
その時、ラウンジにラクシャータが入ってくる。幹部達は一斉にそちらに視線を向け、ルルーシュの状況を訊ねる。
「・・・だいぶ落ち着いたわぁ・・・薬も飲んだしねぇ。まだ、軽いうちだったから良かったわぁ。・・・で、朝比奈は、どこにいるのぉ?」
再度訊ねるラクシャータに、藤堂が答える。
「朝比奈は買い物に出ている。」
「・・・あぁ、そう。ルルーシュ様の言った通りねぇ・・・。」
呆れたように言ったラクシャータにどういうことか訊ねるが、詳しいことはわからないと言われてしまい、幹部達は、とりあえずルルーシュを見舞うことにする。
「ルルーシュ君・・・大丈夫か?」
病室に入るなり、藤堂がそう訊ねれば、ルルーシュは目を丸くし、それから、ふんわりと笑った。
「はい。大丈夫です。ご心配をおかけしました。」
「あまり、無理はしないことだ。・・・体調管理も、立派な仕事だぞ?」
「・・・はい。」
素直に頷くルルーシュに藤堂もご満悦だ。
口々に労いの言葉をかけてくる幹部達に、丁寧に応対するルルーシュは、まだ本調子ではないからか、顔色が悪いし、笑顔も儚げだ。
「朝比奈の奴、おっそいなぁ・・・ったく、ルルーシュのことほっぽって、どこで買い物してんだよ。」
ブツブツと言うのは玉城だ。ルルーシュは一瞬キョトン、とし、困ったように笑った。
「風邪をひいた時は、あれだから。」
朝比奈と同じことを言うルルーシュに、幹部達が“あれ”とは何かと尋ねようとした瞬間、病室のドアが開いた。
「うわ!何この人口密度!・・・病人の部屋にこんなに押し掛けてどうするのさ・・・まったく。藤堂さんもいて、何やってるんですか。」
呆れた様子の朝比奈が入って来て、溜め息を漏らす。
「あ、ああ・・・そうだったな、すまない、ルルーシュ君。」
「いえ。別に、俺は構いませんから。」
面目なさげな藤堂にクツクツと笑うルルーシュ。そんなルルーシュに、朝比奈がご機嫌で近寄り、ビニール袋を見せる。
「はい。買ってきたよ?」
その一言と、ビニール袋を見た瞬間。ルルーシュの表情が一変する。
擬音で表現するなら“ぱあああっ”だろうか。それくらいに、ルルーシュの表情は明るく、満面の笑みをうかべて、目をキラキラと輝かせている。
ガサガサとビニール袋をあさり、朝比奈が取り出したのは・・・。
「プリン・・・?」
そう。租界じゃなくても、ゲットーのマーケットに行けば手に入るような、大衆向けのプリン。それこそ、昔懐かしの、俗にいう、ぷっちんプリン、だ。
「省吾さんっ、ありがとう!!大好きですッ(プリンが。もちろん、省吾さんも。)!!」
「どういたしまして~。俺も大好きだよ~~~(ルルーシュ君が。)」
眩しいほどの笑顔にクラクラとしながら、幹部達は一斉に思った。
― ・・・プリン1つでこれかよッ。なんて羨ましい!!!
今度から、ルルーシュのご機嫌を窺う時は、プリンを持参しようと決めた幹部達だった。
おしまい
長編目次に戻る→
PR
☆ 目次 ☆
PC・スマホ版目次
こちらから各ページに移動できます♪
TOP : 注意事項など
BLOG : 拍手お返事や創作日記など・・・不定期更新
☆ 感 想 ☆ : 感想書き込みコーナー
MAIN
☆コードギアス☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆コードギアス R2☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆NARUTO☆
*ここでの木ノ葉*
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆銀魂☆
*長編(シリーズもの)*
☆捧げ物(企画)☆
☆頂き物☆
★ただいまの拍手★
にょたルル(時間軸R2で皇族復帰ver)前提、第17話
CLAP : 拍手゚+。(o'д'ノノ゙☆パチパチパチ。+゚
LINK : 素敵なサイト様へ・・・
GO!!→→→
BLOG : 拍手お返事や創作日記など・・・不定期更新
☆ 感 想 ☆ : 感想書き込みコーナー
MAIN
☆コードギアス☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆コードギアス R2☆
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆NARUTO☆
*ここでの木ノ葉*
*長編(シリーズもの)*
*短編*
☆銀魂☆
*長編(シリーズもの)*
☆捧げ物(企画)☆
☆頂き物☆
★ただいまの拍手★
にょたルル(時間軸R2で皇族復帰ver)前提、第17話
CLAP : 拍手゚+。(o'д'ノノ゙☆パチパチパチ。+゚
LINK : 素敵なサイト様へ・・・
GO!!→→→